晩生の大豆は、先端の芽を摘むと株元近くにまとまってできる。
晩生の特徴として、その幹の太さも特筆もの。鉈根元を切り落とす。
一株で、どんぶりに山盛り一杯になることもあります。
美味しいのは枝豆としてだけではありません。
大豆としての美味しさも、他に比べるものも無いほどです。
秘伝(その1)
「一人娘」と双璧の秋の美味しい枝豆として知られる晩生の大豆に「秘伝」がある。妻の実家からタネ豆を頂いたのだろうか。何年物にわたり我が家の定番としても作り続けている。オハグロト呼ぶのか、目が出る部分の筋が黒いのが特徴の一つ。
その黒い筋が特徴でもあり、欠点でもある。煮豆や大好きなフライビーンズなどには味の良さで役立つのだが、残念ながら味噌には適さないともいえる。そのわずかな量ではあるが黒い筋が味噌にしても目立つのだ。
ただ、毎年長岡の種苗屋さんが主催する「春一番種物フェアー」には何社もの種苗メーカーが参加して、自慢の種を展示するのだが、岩手県からも出店する。その岩手の種苗店が自慢の種として「秘伝」を出品し、大量に陳列している。ところがその岩手の「秘伝」には例の黒い筋が見当たらないのだ。
驚いてその店の担当者に「オハグロの筋は黒くないのですね」と訊ねると、意味が分からないようで首を傾けていた。そうですよね、あちらでは「秘伝」に黒い筋なんて無いのがきっと常識なのだから。機会があったら、種豆を買い求め、味を比較してみたいと思っているのだが。
(続く)