こんにちは。
すっかり秋の気配の今日この頃です。
皆さんいかがお過ごしですか?
私は人生のターニングポイントに立っています。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
『最終話』
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
昨晩は久しぶりにゆっくりと寝ることができた。身体中に付いていた粘着剤のベトベトも取れ、こんな気持ちの良い朝はいつ以来だろうか。
美味しい食事は食べ放題。水は飲み放題。遊び放題。寝放題。ここは何と良いところだ。本当に夢を見ているようだ。
黒猫男と男女がおもちゃを買ってきてくれたようだ。
遊ばぬと二人の気を悪くするのでこれでもかと遊んでみる。吾輩が遊ぶ姿を見て喜んでいるようだ。
ならば『ほれ!』と跳んでみる。二人はしきりに手を叩く。『よっと!』ぐるんと回転してみる。するとますます拍手は増え歓声が上がる。
よし、じゃあ次は『ほらよっ!』と高い所へジャンプしたその時だった、爪を引っかけたつもりがズルッと滑ってしまい、ステンと真っ逆さまに落ちてしまった…。
と、ここで私は目覚めた。
『わははは、りんちゃんはほんとにドジやなー』飼い主さんの笑い声がした。
寝返りをうった瞬間、タンスから真っ逆さまに私が落ちたのを見て楽しそうに笑っている。ふぁー、よく寝た。それにしても変な夢だった。
あ、そうそう、私の名前は三毛猫りん。飼い主さんと飼い主さんのお母さんと私の3人…、いや、2人と私でアパートに住んでるの。
天井にも届きそうなぐらいの背の高いタンスが私の特等席。ここなら誰の邪魔にもならないし邪魔もされない。
でもたまに私の寝相が悪いせいでそのタンスから落ちるときがあるの。
それを見た飼い主さんはいつも大笑い。ほら、さっき落ちてからまだ笑ってる。
「りんちゃ~ん、こっちおいでー」
あ、おやつの時間みたい。
それでは皆さんご機嫌よう。
それにしても、ヘンな夢だったー。
あれ?前足に粘着剤が…。
おしまい
須 山 漱 石