皆さん、おはようございます。
昨日も良いお天気でした。
それにしても、
皆さん、熱中症には十分ご注意ください。
帽子も被らず、タンクトップ一枚で、しかも炎天下で、直射日光に当たりながら、洗車をしている私はちょっと異常な人間です。
ですので、
くれぐれも真似をしないでください。
本当に危険ですから。
私は大丈夫です。ちゃんと自己管理をしていますので。
皆さん、
熱中症対策として、私が行っている方法をお教えしましょう。
それは、
アイスクリームをたくさん食べること、です。
カップのカキ氷なんか良いですね。
ひとつと言わず、ふたつ食べましょう。
それでもダメなら、みっつ食べましょう。
私はそうして熱中症に立ち向かっています。
『安藤祐介 被取締役新入社員 講談社』です。
すごく綺麗な小説です。
さらば星座に匹敵する出来です。
被取締役 新入社員
-人の不幸は蜜の味。
俺はその『蜜』になるために存在している。-
1.プロローグ
俺の月給は二十万円だ。そして年俸は三千万円。計算が合わないのはなぜかって?
俺は某一流企業の一流ダメ社員だ。それも筋金入りの。だから二十八歳にもなって月給二十万円。
そしてだが俺は役員でもある。しかも超特別待遇の。その役員報酬が年間三千万円。
筋金入りのダメ社員で超特別待遇の役員。普通はありえない話でしょ。
月給二十万円の俺について話そう。
俺はとにかく、とにかく冴えない男だ。ガキの頃から不細工でウスラバカ。そしてそのまま大人になった。身長百六十センチ、体重八十キロのチビデブだ。見てくれが不細工なだけじゃない。自分で言うのも何だか、中身も悲惨。これまでの人生振り返っても、ひどいもんだった。
小学校の入学式でいきなりウンコ漏らして、惨憺たる六年間の始まり。『ゲリブタ』ってそのまんまのあだ名を付けられていじめられっ子街道をまっしぐら。成績はいつも「2」がずらりと並んで「1」ってのも混ざってるから程よく「イチ、ニイ、イチ、ニイ」で『アヒルの行進』なんて言われてた。よく自殺しなかったな、って思うのが唯一自賛できるところだな。
ウンコの呪縛から解き放たれぬまま友達ゼロの中学校時代。勉強ダメ、スポーツもっとダメで話し相手もいないとなれば、それは悶々とした思春期だったよ。相変わらず『ゲリブタ』呼ばわりで、半ば人間扱いされていなかった。地元じゃ柄が悪いってので有名な中学校だったから。サンドバッグか何かとほぼ同等の扱いだった。
-中略-
コンビニのアルバイトをやったこともあったがレジ打ちがなかなか覚えられず、二ヶ月もたった頃に店長から「人手が余っちゃったから、来月はシフト全部抜けてくれるかな」と言われた。レジ打ちすら勤まらないことが分かって途方に暮れ、この俺にでもできることは何かと探したところ、「倉庫での軽作業」といういかにも軽そうな仕事を見つけた。そして、「倉庫での軽作業」の中でもひときわ簡単な、段ボール箱の組み立てが俺の仕事となった。その後の十年間、運送会社の倉庫の段ボール箱を組み立て続ける時給九百円のアルバイトが、俺の食い扶持だった。
東京湾の埠頭に大きな倉庫があって、毎日そこへ通ってほとんど誰ともしゃべらずにひたすら段ボール箱を組み立てていた。普通の人間なら一週間も続けると単調すぎて辞めたくなるような仕事だが、無能な俺にとってはちょうどよい仕事だ。来る日も来る日も平べったい段ボールを箱に組んで、ガムテープでとめて、完成した箱を積み上げるだけ。組み立てた段ボール箱の数が、俺の積み上げた唯一のキャリア。これも一種の『段ボール生活者』だ。
俺は段ボール生活から抜け出すべく、ない知恵と貧弱な行動力をありったけ振り絞って、小さな会社の正社員採用に何度か滑り込んだ。営業職なんかで「急募」と銘打っているところに何社も応募すると、何かの手違いか、俺みたいな奴でも時々採用されるものだ。しかし、すぐにボロが出てクビになる。その度にまた段ボール生活に逆戻りした。
自慢じゃないが、手を抜いてるつもりはない。これが実力だ。無能、低学歴低収入で低身長高体重。まあ言うまでもなく彼女なんていたこともなかったし、もちろんずっと童貞だった。
正社員として五社目の印刷会社をクビになって出戻り段ボール生活をしている時に観光気分で受けたのが現在勤めている会社、大曲エージェンシー株式会社。『オオマガリ』とかいうへんてこな名前の男が創設した世界十指に入る広告代理店だ。就職情報誌をパラパラとめくっていた時に、たまたま目に留まったんだ。一流企業ってどんなところだ、って思ってさ、ちょっと募集内容を見てみた。大企業にしては珍しく『アシスタントディレクター』を高卒可で募集していたから、応募した。採用試験を受けるだけならタダだからさ。そしたら、どういう風の吹き回しなのか、採用されてしまった。でも一流企業に入ったところで所詮、俺はオレ。簡単な話、ちゃんとできる仕事なんて何もないわけだから、給料は低い。だから俺の月給は二十万円だ。
じゃあ、なんで採用されたかって?
ちょっと長くなるけど、年俸三千万円の俺について話そう。入社試験のことから振り返らなければならないだろう。
・・・・・・ここまでがプロローグです。
自分がデキると思っている人。
自分がデキないと思っている人。
全ての人に読んで欲しいです。
私は自分のことを、デキると思っています
だから読みました
今は、目からうろこです
須山 洋平
とにかくこの作者は面白いですね。
社会人としてフツーにサラリーマンやってたら、
共感できるところはどこかあるんじゃないかなと。
面白くて、少しずつ読むつもりが一気読みでした。
新作の『社史編纂室 アフター5魔術団』で話題に
なっているのか、ネットで探すと作者安藤さん
関連の記事がたくさんですが、
http://www.birthday-energy.co.jp/
ってところでよく分からない安藤さんの解説が
あったので、URL貼っておきます。
仕事はソコソコでいいなんて、なんか作品に
通じるところがあるなぁ。
私も同じく、
少しだけ読むつもりだったのが、一冊買って読んでしまいました。
サラリーマンを経験した私も同感です。
通じるところがありますね。
どんな人間にも『存在する意味』があるんですね。
『意味の無い人間なんていない』し、『意味のある人間もいない』と思います。
人間には『意味もなにも無い』んだと思いますね。
そういう意味でもこの本は本当に良い本です。