今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「稲村の火」村民を救う

2006-11-05 | 歴史
今日(11月5日)に「稲むらの火」などという記念日があるわけではない。しかし記憶にとどめておきたいいい話なので、勝手に歴史的記念日のように扱っている。
「稲村の火」とは国定教科書小学校国語読本5年生に、昭和12年から22年まで掲載され、多くの児童に深い感銘を与えた。
1854(安政元)年の旧暦11月5日(新暦でいえば12月24日)、安政南海地震は、安政東海地震(旧暦11月4日)が襲来したわずか32時間後に発生した南海道沖を震源とするM8,4の巨大地震で、近畿から四国、九州東岸に至る広い地域に甚大な被害をもたらせた地震である。32時間前に発生した安政東海地震と共に被害が余りにも甚大であったがためにその年(嘉永7年)の11月27日に元号を嘉永から安政に改元するほどの歴史的な地震であった。
この11月4日、5日の2回にわたって襲った南海の大地震に際し、偶然紀州・広村(現在の広川町)に戻っていた浜口梧陵(ごりょう)は、海水の干き方、井戸水の急退などにより、大津波が来ることを予期した。梧陵は村民を避難させるため、自分の田圃に積んであった収穫された稲束(稲むら)に火を投じて急を知らせ、村民の命を救ったという。
身の危険や財産を顧みないこの行為に感動した明治の文豪・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も、「仏陀の国の落穂拾い」という短編集の中で、‘A Living God「生ける神」’として梧陵を紹介しているそうだ。のちにこれをもとにして、梧陵と同郷の小学校教師であった中井常蔵氏が著した物語「稲むらの火」は、小学国語読本に採用された。
梧陵の活躍は人命救助だけに留まらず、津波の壊滅的な被害を受けた広村の村民のために、救援家屋の建設や農漁具の調達などを行い、離村を防止したという。また、将来の津波被害を防止するため、1855(安政2)年から4年間、銀94貫を費やし、大防波堤の建設を進めたそうで、全長600m、高さ5m、海側に松、陸側に櫨(ハゼ)の木が植えられ、その姿は、今でもその景観をたたえており、史跡(国指定史跡 広村堤防)に指定されている。これは津波で職を失った人を助けるとともに、1946年(昭和21年)に発生した昭和の南海地震津波から住民を守り抜いたそうだ。
教科書「稲むらの火」は、子供達にとって、やや難しい表現が見られるものの、主人公・五兵衛 つまり浜口梧陵の崇高な生き方を教えている点で、非常に優れた教科書用テキストであるといわれている。興味のある人は一度見られると良い。
稲むらの火-教科書の名作→「http://www.sam.hi-ho.ne.jp/aiiku/inamura.htm
安政元年(1854年)旧暦11月4・5日2日間続いた南海道沖を震源とするM8,4の巨大地震では、初日(4日)の地震では,伊豆から伊勢に至る本州の太平洋側を中心に多大の被害がでた。また,房総から土佐にわたる沿岸各所で津波が発生し、被害は,倒壊・焼失・流失を合わせ家屋の損害が約9,000,死者は約600人といわれる。又、翌5日の2度目の地震は,前日のそれより西に寄って東海から西日本各地(日本海側を含む)に大被害を与えた。津波も房総から九州に及ぶ長い海岸線を強襲している。家屋の全・半壊約60,000,焼失・流失約21,000,死者約3,000人という,稀にみる大惨事であったという。
この大地震は災害範囲が広かったため、被害の大きい大坂を中心に、伊豆・江戸でもそれぞれかわら版が盛んに作られた。又、折りしもペリー艦隊来航直後の物情騒然とした時で、この”前代未聞”の騒ぎがオーバー気味に紙面を飾っている。さらに、1855(安政2)年10月には江戸で、「安政江戸地震」(マグニチュード6.9の直下型の大地震)が発生している。この時は被害も最大規模であり、かわら版の活躍もピークに達する。実物を見ると1枚摺り、仮綴、草紙、縦長帳などのほか、初めて大量の鯰絵が登場している。
東海道、南海道の地域は過去100年~200年周期で繰り返しマグニチュード8クラスの巨大地震が襲来し、震災と津波災害に見舞われその都度大きな被害を出してきた。
1605年の「慶長地震(東海・東南海・南海地震、同時発生・死者5千人以上)」M8以上 、その102年後 の1707年の「宝永地震(東海・東南海・南海地震、同時発生・死者2万人以上)」
M8以上、 それから、147年後の1854年のこの「安政地震(東海・南海地震、連続発生・死者8千人以上)」M8以上 。そして、それから、今年の2006年はすでに、152年目を迎えている。
もし起これば、どうなるのか・・・・。周期的には何時発生してもおかしくない時期に来ているのである。以下では、迫り来る?巨大地震のシミュレーションなどしているが・・・本当に心配な事ではある。
迫り来る?巨大地震・東海・東南海・南海地震↓
http://www.tokyo-np.co.jp/daizukai/quake/eq_1.html
又、近年地震のことはよく話題になるが、津波のことには、関心が薄いのではないか。しかし、大地震の祭に発生する津波対策も十分に知っておかなければならないだろう。しかし、ここのところ日本では大きな津波は発生していないものの、この津波に対しては、認識も甘く、海岸の住民や自治体の対応は必ずしも迅速・適切なものでなかったようで、「津波見物」に海岸に住民が集まるケースさえあったと伝えられている。これらに関連して、「稲むらの火」が防災意識の高揚に絶好の教材としてしばしば取り上げられているという。海に近いところの人などは、地震とともに津波に対する知識も確りと実に付けておこうね。
湯浅広川消防組合・津波の知識 ↓
http://www5.ocn.ne.jp/~yuhirofd/tunamitop.htm
(画像はたいまつを掲げ津波から非難するよう叫ぶ浜口梧陵の像=和歌山県広川町の町役場前。2005年1月21日朝日新聞掲載写真。)
参考:
稲むらの火 webサイト
http://www.inamuranohi.jp/
防災システム研究所
http://www.bo-sai.co.jp/index.html
湯浅広川消防組合HP
http://www5.ocn.ne.jp/~yuhirofd/index.htm
第3章 安政東海地震・安政南海地震の 災害教訓例
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/kyoukun/rep/1854-ansei-toukai_nankaiJISHIN/1854-ansei-toukai_nankaiJISHIN-6_chap3.pdf
東京消防庁<消防マメ知識><消防今とむかし><なまずと地震>
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/libr/times/times03.htm
地震
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/pblc-achv/digital_archive/ono_collection/contents/index.37.html
迫り来る?巨大地震・東海・東南海・南海地震
http://www.tokyo-np.co.jp/daizukai/quake/eq_1.html

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