今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ナイスの日

2009-07-13 | 記念日
日本記念日協会の記念日を見ると、今日・7月13日は「ナイスの日」 だそうだ。
理由は、”7と13をナイスと読む語呂合わせから、夏のバカンスシーズンを前にナイスなこと、素敵なことを見つけて人生を楽しもうと生まれた日。”・・・だそうだが、どこが申請し設定したのかなど良く分らない。
そこで、ネットで検索したところ「国際ボランティアNGO -NICE(ナイス」(以下参考の※1参照)という存在がある事がわかった。同HPを見ると”NICE(ナイス)は、日本を中心に各種ワークキャンプを主催するNGO(Non-Governmental Organizations=非政府組織)であり、日本で唯一(国際NGOの日本支部を除く)、国連ユネスコにあるCCIVS(国際ボランティア調整委員会)に加盟し(現副代表)、世界で1・2を争うネットワークを持っている”そうだ。
そして、”2002(平成14)年には東京都より特定非営利活動法人(NPO法人)として認証を受けている”という。
「ワークキャンプ」とは、簡単に言えば「合宿型ボランティア」のことである。
この「ワークキャンプ」は第一次大戦直後、「互いの理解不足で、いかに多くの血が流されたか」と痛感したドイツとフランスの若者達が、1920(大正9)年に、フランスのベルダンで一緒に農地を再建することから始めたのが最初だそうだ。
フランスのベルダンと言えば、第一次世界大戦下のべルダンの戦いの舞台になったところである。この戦いで双方70万人の死傷者を出した史上最も被害の大きい戦場のひとつとなった。この戦いでフランス軍に多大な消耗を強いたが、ドイツ軍もまた同等の消耗を強いられ、このベルダン攻略の失敗が大局的には大戦の帰趨(きすう)を決めたといわれている。いつまでも終わらぬ戦争に交戦各国の兵士たちの士気は低下したが、フランス軍では特に著しく、1917(大正6)年、ニヴェル攻勢での反乱につながったという。結果としてこの戦争は両軍にとって無益な大量殺戮と消耗戦以外の何ものでもなかったと言え、この時の戦争に実在した、職位も立場も異なる6人の男たちが残した手紙や日記にもとづいて再現した戦場シーンのドイツのテレビドラマ「ベルダンの戦い〜地獄への降下〜」(以下参考の※2参照)が1965(昭和40)年に、教育番組国際コンクールとしてNHKが創設した「日本賞」を受賞しているそうだ。
NICEは、世界の若者が2~3週間一緒に暮らし、そこの土地の住民達と、環境・文化保護、福祉、農村開発などに取り組む、国際ワークキャンプ、つまり、国際ボランティアプロジェクトを主催し、昨・2008(平成20)年は、” 255事業を主催し、3,485人が参加、海外ボランティアには785人を派遣した”という(国際ワークキャンプとは参照)。
このNICEと、今日の記念日「ナイスの日」の申請者との関係の有無については知らないが、東京ボランティア・市民活動センター (TVAC。以下参考の※3参照)は、ボランティア活動に関心のある人に対して、7月から8月までの夏の期間を利用して、さまざまなボランティア活動を体験できる企画をし、参加を呼びかけている(ここ参照)。
ボランティア(volunteer)の語の原義はラテン語のVolo志願兵であり、歴史的には騎士団十字軍などの宗教的意味を持つ団体にまで遡ることができるという。英語圏では現在でも本来の語義通り志願兵あるいは義勇兵の意味でも「ボランティア」は使われているそうだ。したがって、ボランティアは、古典的な定義においては自発性、無償性、利他性に基づく活動とされてきたが、近年では、無償性に関しては、有償ボランティアという存在が出現し受け入れられるようになっている。
そのようなことから、「渡航費用や高賃金での海外活動までボランティアと称するのであれば有償ボランティアと職業との境界線はどの当りにあるのか?」・・といった疑問をもつ人も多くいるだろう。(以下参考の※4 参照)
このようなことから無償性は、ボランティアの定義から外れつつあるが、その一方、先駆性、補完性、自己実現性といった新たな概念がボランティア活動の特徴として指摘されるようになっている。先駆性とは、ボランティア活動が既存の社会システム中に存在しない役割を担うことが多いということから指摘されるもので、こうした先駆性を持つ存在をチェンジエージェント(変化の担い手)と呼ぶそうで、ボランティア分野のチェンジエージェントとしてティーチ・フォー・アメリカなどが挙げられている。補完性とは、既存の行政システムでは対応しきれないニーズを満たす性質のことである(以下参考の※5 参照)。自己実現性とは、ボランティア活動がそれに参加する個人の自己実現の場の役割を果たす性質に注目した概念である。
アメリカ合衆国の心理学者・アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を、生理的欲求 ⇒安全の欲求 ⇒所属と愛の欲求 ⇒承認の欲求 ⇒自己実現の欲求の5段階の階層で理論化したものが自己実現理論 である。これは、「マズローの欲求段階説」とも称されている。
日本では、1995年の阪神・淡路大震災では全国から大勢の人達が被災地に駆けつけ、これをきっかけにボランティアと言う語が浸透したことから、「ボランティア元年」とも呼ばれる。当該震災の日(1月17日)を「防災とボランティアの日」としている。その後の地震や水害などにおいても、ボランティアが活躍している。その際活躍されたのは、もちろん無償ボランティアの人達であった。その活動は尊いものであり、私も家こそ一部損壊で済んだものの水や食料が無く困ったものであるが、それ以上に家もなくし寝るところもない人達や食べるものもない被災者達にとって、このようなボランティアの人達の活動にどれほど感謝していることか・・・。このようなボランティア精神はこれからも多くの善意人達によって引き継がれてゆくだろう。
この時、救済活動した人達は、自分が活動することにって、純粋に困っている人達、不幸な人達が救われることを、まさに自分の喜びとして感じられる人達であり、マズローの欲求段階の自己実現の欲求とは共通したところがあるだろう。この阪神淡路大震災のときに、ボランティアが注目されたことにより、多くが任意団体であった既存のボランティア団体の立場を強化すべきという声が高まり、「NPO」(NPO法人参照)として法人格を付与することが検討され、これは、「特定非営利活動促進法(NPO法)」として1998(平成10)年に実現した。
「非営利」とは、団体の構成員に収益を分配せず、主たる事業活動に充てることを意味し、収益を上げることを制限するものではない。従来、日本の非営利法人制度は民法34条に規定された公益法人(社団法人・財団法人)を中心としたもので、非営利かつ公益的な活動をする団体が法人格を取得する際に行政機関の許可が必要であった。しかも、その後も主務官庁による指導を受けることがあるなど活動に制限が多く、市民による自由で自発的な活動に適した法人格が求められていた(以下参考の※6の第2 現行法人法制の概要等参照)。
だが、特定非営利活動法人の場合は、従来の公益法人に比べ、設立手続きが容易であるため、法施行直後から、法人格を取得する団体が急増し、昨・2008(平成20)年10月末現在には3万5千を超える団体が認証されているというが、運営面においては、、色々な課題も多いようだ。ここ参照。
今は、なかなかボランティアと言ってもいろいろあり、有償のボランティアを除き、阪神・淡路大震災時に活躍されたような「無償の奉仕」を定義する場合には、外来語の「ボランティア」という言葉ではなく、別の用語で区別した方が分りやすくて良いかもしれないね~。
(画像は「夏の体験ボランティア・キャンペーン2009 」東京ボランティア・市民活動センター発行)
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
非政府組織 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/NGO
ボランティア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2
第一次世界大戦 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E6%AC%A1%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%A4%A7%E6%88%A6
ヴェルダン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%B3
ベルダンの戦い-Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84/
国際協力NGOボランティアぷラットフォーム
http://volunteer-platform.org/
※1:国際ボランティアNGO -NICE(ナイス)
http://www.nice1.gr.jp/
※2:NHK日本賞「ベルダンの戦い〜地獄への降下〜」
http://www.nhk.or.jp/jp-prize/2007/prize_prog_adult.html
※3:東京ボランティア・市民活動センター  
http://www.tvac.or.jp/
※4:有償ボランティアという考え方は。 - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1013410395
※5補完性原理 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%9C%E5%AE%8C%E6%80%A7%E5%8E%9F%E7%90%86
※6:法人制度研究会報告書
http://www.moj.go.jp/PRESS/990903/990903-2.html