今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

北朝鮮が東部沿岸からテポドンを発射した日

2007-08-31 | 歴史
今日(8月31日)は、北朝鮮が東部沿岸からテポドンを発射した日。
1998(平成10)年の今日(8月31日)、 北朝鮮が東部沿岸から弾道ミサイルテポドン」を発射。
第1弾は、日本海に、第2段は日本上空を越えて三陸沖(三陸海岸参照)の太平洋に落下した。
北朝鮮が、新たに開発していた全重量約33t〔トン〕)、全長25.8mの2段式液体ロケットである「テポドン1号」の試射とみられ、日本全土が射程距離に入ることから、日本政府(小渕内閣)やマスコミ・世論はこの時敏感に反応し、北朝鮮が新型の弾道ミサイルの発射実験を行ったとして、1993(平成5)年5月のノドン発射(北朝鮮によるミサイル発射実験 〔1993年〕参照)の際には表に現れなかった北朝鮮に対する極度の反発が起こった。
弾道ミサイルの発射実験である証拠を得るため海上自衛隊護衛艦などを駆使して落下した物体を捜索したが、遂に発見できなかった。同国はこれを人工衛星の打上げで、打上げは成功したと発表したが、衛星の電波は全く観測されていない。また、地球軌道(人工衛星の軌道参照)上の人工物体を監視しているアメリカの北アメリカ航空宇宙防衛司令部 (NORAD) もそのような人工衛星は確認できないとした。
日本政府は、これを弾道ミサイルテポドンと判断し「極めて強い遺憾の意」を北朝鮮政府に伝えるとともに、KEDOへの資金拠出を凍結した。(北朝鮮によるミサイル発射実験 〔1998年〕参照)。
この打ち上げ事件を契機として、日本独自に衛星による偵察を行う能力を保持すべきとの動きが与・野党で一致。同年11月には、情報収集衛星(偵察衛星)の開発・打上げ計画が決定した。
過去に遡ると、1993(平成5)年5月29日の準中距離弾道ミサイル「ノドン1」発射から約2週間後の6月11日、米朝共同声明(以下参考に記載の「データベース『世界と日本』文書名:米朝共同声明1993年6月11日参照)が発表され、北朝鮮は今後も核拡散防止条約を遵守する意志を示した。また、翌年の1994年10月21日、米朝枠組み合意(以下参考に記載の「米国と朝鮮民主主義人民共和国間の合意枠組み1994年10月21日」参照)により北朝鮮への軽水炉提供が行われることになった。このことにより、本ミサイル発射実験に関しては、北朝鮮は「瀬戸際外交」を成功させたといえる。だが、昨・2006(平成18)年のミサイル発射においては、このような見返りを再び得るどころか逆に制裁を受けることになる。
2006 年6月、北朝鮮が「テポドン2号」の開発を完了させ咸鏡北道花坮郡舞水端里((ムスダンリ)にある発射台への装填など発射準備をしているようだとの動きは、日米の偵察衛星(日本の場合は情報収集衛星)などにより掴んでいた(同年5月~6月、にかけて発射間近であるとの報道もされていた)。この情報に基づき太平洋へイージス艦を派遣するなど、米韓と協力しながら情報収集に努めていた。
そのやさき、同年7月5日、北朝鮮から7発のミサイルが日本海に向けて発射され、すべて数分後に日本海に着水した。そのうち1発が舞水端里から発射されたテポドン2号(射程3500~6000キロ)である可能性が強いとしている。
北朝鮮側もミサイルの発射を認めており、その後、政府は、ミサイル発射の凍結を定めた日朝平壌宣言に違反する重大な問題だとして北朝鮮に抗議するとともに、制裁措置として北朝鮮の貨客船万景峰(マンギョンボン)号の入港を半年間禁止することを決めるなど制裁処置を講じることになったことは、誰もが知っているとおりである。(詳細は北朝鮮によるミサイル発射実験 (2006年)を参照)。
その後、主として北朝鮮の核開発問題などに関してアメリカ、韓国、北朝鮮、中国、日本、ロシアの6カ国協議が続けられてきたが、北朝鮮の瀬戸際外交をめぐる関係国の思惑には、少なからぬ相違があり、早期決着の見通しはたたない状況であったが、急遽、日本などはそっちのけで、米朝間中心の話し合いで、核問題解決の方向に進んでいるように見えるのだが・・・。最終的にどんな決着となるのかな~~?以下参照。
北京で米朝会談 非核化作業部会の事前調整2007年8月13日(月)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/e20070813012.html
(画像は、弾道ミサイル。朝日クロニクル「週刊20世紀」より)
参考:
テポドン1号
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%9D%E3%83%89%E3%83%B31%E5%8F%B7
原子力百科事典 ATOMICA
http://atomica.nucpal.gr.jp/atomica/14040122_1.html
北朝鮮核問題略年表
http://www.gensuikin.org/nw/nk_chrono.htm
米国と朝鮮民主主義人民共和国間の合意枠組み1994年10月21日
http://www.gensuikin.org/e_asia/us-dprk_frmwk.htm
社団法人 原子燃料政策研究会
http://www.cnfc.or.jp/j/proposal/asia96/saito.html
Aerospace
http://www004.upp.so-net.ne.jp/weapon/aerospace.htm
データベース『世界と日本』文書名:米朝共同声明1993年6月11日
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPKR/19930611.D1J.html
日朝平壌宣言
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%9D%E5%B9%B3%E5%A3%8C%E5%AE%A3%E8%A8%80
六者会合 - Wikipedia
http://www.jaip.org/2003spring/03.htm
北朝鮮、ミサイル6発を発射…テポドン2号は失敗か : 北朝鮮の核問題(YOMIURI ONLIN)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4100/news/20060705it04.htm