今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

プチプチの日

2007-08-08 | 記念日
今日(8月8日)は、「プチプチの日」
商品などのクッション材として使われる「プチプチ」のPRと、その用途の広がりを図ることを目的に、気泡シート「プチプチ」の専門メーカーの川上産業株式会社が制定した。日付けは数字の8が「プチプチ」の粒々の配列を連想させることと、8をパチと読むとプチと似ていることからだそうだ。(日本記念日協会
いつごろだったか、家人に最近「プチプチ」が流行っているの知ってる?」と聞かれたことがあった。私はこのようなことには余り明るくないので聞くと、「プチプチつぶし」が流行っているのだといわれた。
テレビ番組「脳力探検クイズ!ホムクル」が2004(平成16)年6月12日に放送した調査によると、生まれて初めてプチプチを見る2歳の幼児が、何も教わらないうちに潰し始めた。 伊豆シャボテン公園のチンパンジーも熱中した。・・・といった結果が得られているのだという。
プチプチつぶしは、購入してまで遊びに熱中する人は稀だそうで、贈答品や購入した商品の梱包材として使われている気泡緩衝材(俗称プチプチ、ポリエチレンの膜で空気を包み込んだ、無数の気泡をシート状にした緩衛材)を潰して遊ぶのだそうで、 気を紛らわしたり、ストレスを発散する効果もあり、ポリエチレンの袋を破るときの「プチプチ」という軽快な音と、無数に繰り返される動作にやり始めると止められない中毒性があるそうだ。
バンダイより今年(2007年)9月には「∞(むげん)プチプチ」という、プチプチつぶしの感覚を疑似体験でき、かつ減ることがなく何度でも繰り返し押すことが可能なキーチェーン型の玩具が発売されるそうである。100回に1回の割合で「おなら」「セクシーボイス」「ドアのチャイム」「犬の鳴き声」など、変な音がでるそうだ。
我が家にも、私が、現役を退いた時、赴任先から家に帰ってきたとき、引越し荷物を保護するために使われていた「プチプチ」を、私のコレクションの陶器の酒器類を割れないように包んで保管するのに使えるため沢山置いてある。それを、家人が適当な大きさに切って、プチ!プチ!とよく潰していたが、確かに、やり始めると止められないらしい。私もしないかといわれたが、どうも、私には、そんなことをして楽しいとも感じないので、言われたときに、お義理で2~3個潰してみてその後したことはない。家人は、結構飽きもせず長いことしていたが、流石に飽いたらしい、ここのところしているのを見たことはない。
川上産業 のHPを見ると「プチプチ」は、同社の登録商標で、製品名。1963(昭和38)年に、アメリカで開発された気泡シートの存在を知り、独自に製造機械の開発を開始。1967(昭和42)年「エア・バッグ」という商品名で気泡シートを発売。それを1994(平成 6)年に「プチプチ」という正式名称に登録したそうだ。プチプチをみるとついついつぶしてしまうのは、心理学で「アフォーダンス」と呼ばれる現象のひとつだそうで、穴に指をいれてみたくなったり、取っ手があれば引っ張ってみたくなったりするように、飛び出ているものを押してみたくなるのだとか。それゆえに、人間は、プチプチがあると、必ずつぶしたくなってしまうものだという。
そのような「アフォーダンス」は、元々は、アメリカの知覚心理学者・ジェームス・ギブソンが1940年代から関わったパイロットの訓練に関する研究から作った造語で、生態光学、生態心理学の基底的概念だそうである。日本では佐々木正人東大情報学環教授が「アフォーダンス-新しい認知の理論」の著書の中で紹介しているそうだが、私は、本を読んでもいないし、このような分野のことはよく判らないので以下参考に記載の「松岡正剛の千夜千冊『アフォーダンス』 佐々木正人」の解説を参考に「プチプチ」に当てはめてもう少し書いてみると以下のようになるようだ。
無数の気泡をシート状にした緩衛材「プチプチ」はわれわれに何かを与えているのだそうである。イメージをもたらしているだけではなく、われわれに動作を促しているのだという。その何かを与えているということを「アフォード」(afford)といい。「~ができる」「~を与える」という意味だそうだ。この、(他動)affordに接尾語-anceを加えて名詞、形容詞化した造語が「アフォーダンス」(affordance)であり、要するに、「プチプチ」はわれわれにさまざまなアフォードをしているわけであり、われわれが何をしなくとも、「プチプチ」はいろいろなアフォードの可能性をもっているのだという。すべてのものがアフォーダンスをもっているということは、われわれはアフォーダンスのなかで知覚し、アフォーダンスのなかで動作をおこし、アフォーダンスのなかで活動しているということになるのだとか。
 たとえば、どこかの応接間に案内されてソファに座るように促されたとする。われわれはそのとき咄嗟に、そのソファの高さや柔らかさを目測で判断して、自分の体をソファに対して背を向けつつ、ちょっと腰をかがめながら体をソファにアフォードされるように座る。そのとき背中や腰や太股はソファの恰好やソファの柔らかさに対応するようになっている。合わさっている。しかし、何度かそのような体験をするうちに、目測はしだいに省略されて、ソファのテクスチャー(手ざわり・感触あるいは組織・構造)を感じただけで座りかたがわかるようになる。アフォーダンスは、経験によってさまざまに深化するのだという。
このような理論を、1988(平成10)年、ドナルド・ノーマンはデザインの認知心理学認知心理学的研究の中で、人間の主観性に依存するものとしてアフォーダンスを再定義した。この立場においては、人間の主観に作用するひとつの性質として理解されている。ただし、この立場は、必ずしもギブソンと一致したわけではなかったという。(客観的アフォーダンスと主観的アフォーダンスについて参照)。
このようなことは専門知識の無い私などによく分からないし、この理論がどこまで正しいのかもよくわからない、しかし、素人考えで、この理論が、ものすごく人間的で、一方的な理論の様に感じる。”「プチプチ」はいろいろなアフォードの可能性をもっているのだ”というが、私は、家人とは違って、「プチプチ」を見ても特別に潰してみたいとは余り感じない。確かに、「何ものか」が「伝わってくる感覚」はある。人間は確かに何かを見ると、「自然」と「何かを感じたり」「共感する」ことはあるが、それは、そのものが働きかけてくるというよりも、個々人の脳内で発生する感覚であり、そのものから、伝わってくるものではないように思う。
卑近な例ではあるが、マスメディアに於ける広告などによく見られるが、女性を使った直接的な性的表現ではなくても、ほんのちょとしたしぐさや姿態が、性的な表現を暗号化したようなものとして計算されて使われていることが多くある。例えば、女性が利き腕とは反対の左手で右の髪の毛をそっと触れたりするしぐさ、また、豊満な胸の女性のほんの少し胸ぐりの広い服の着用、ぬれたくちびるなど・・・、そのようなものを見て、何も感じない男性は少ないだろうし、概ね、そのようなものは無意識ではなく計算づくで行われていることが多い。
しかし、個々の人間の脳内での思考に求めるのではなく、対象を見て、「無意識」に何々を感じる・・また、与えるものに、「先入観」的なものや、「当たり前」「常識」といったものがあるが、これらには、差別的なものを誘導する可能性もあるように思うのだが・・・。
セクシーな服を着た女性は、男性に何をアフォードしているのだろう?必ずしも「セックスが出来る女」と言うわけでもない。しかし、それを、そのような働きかけと感じて、デートする度に貢がされている男もいるのではないかな~?
これは、ひょっとしたら、クオリア(Qualia)とかいうものなのだろうか?
(画像は、「プチプチ」)
参考:
川上産業
http://www.putiputi.co.jp/
プチプチつぶし - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%97%E3%83%81%E3%81%A4%E3%81%B6%E3%81%97
アフォーダンス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9
アフォーダンス
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/4597/afordance-1.htm
松岡正剛の千夜千冊『アフォーダンス』 佐々木正人
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1079.html
使いやすさ研究所 用語解説/アフォーダンス
http://usability.novas.co.jp/glossary_01.html
クオリア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A2