道徳教育を重視するようなことが言われています。これ自体はとても良いことだと思います。人としてやらなくてはいけない事、やってはいけない事を、小さい頃から教え込むのは必要なことです。
ところが問題は教える側の人間の問題です。今度の教員採用汚職で明らかになったのは、採用される教員の半数が何らかの口利きなどで採用されていたということです。当然そこにはお金のやり取りもあったはずですから、これはやってはいけない事のはずです。しかも口利きで採用された教員を特定できないということですから、採用されている教員を全員不正に採用された人たちという目で見なければならないということです。これは現場の教師にとってはつらいことだと思いますよ。きちんと正規の手段で合格した人たちまでが白い目で見られてしまうのですから、授業どころではなくなる恐れがあります。
それにしても、不正な手段で教師になったり、金儲けのためだけに管理職になったりするような人たちが道徳教育をしても良いのでしょうか。「頑張った人は報われるんだよ」と言って、子供たちを頑張らせなければいけないのに、教員自身がやっている事は、「正直者はバカをみる」そのものではないですか。今、社会で問題なのは、正直にやっている人たちや、真面目にやっている人たちが報われず、不正や犯罪まがいで富を得ている人たちが勝ち組として大きな顔をしていることだと思うのです。こんな世の中に希望などが持てるわけがありません。
おそらくこの教員採用に関する不正は日本全国で行われているはずです。この際、徹底的に追求し、少しでも関わった人間は全て懲戒免職処分にすべきです。そうすれば本来支払うべき退職金などが浮きますから、税収の一部を補えるはずです。真剣に不正解明に取り組めば、数百億円の税収が見込めるのではないでしょうか。たばこ税の値上げよりもこちらの方がずっと国民の理解を得られるはずです。子供たちにも「楽をして利益を得ようと悪いことをすると罰を受けるんだよ」と教育も出来ます。まさに反面教師です。
ただ反面教師というのは、いい先生が沢山いて、その中にとんでもない先生がいるから役に立つわけで、反面教師だらけになってしまったらシャレになりませんね。
しかし、もし本当にとことん追求したら日本の公立学校から先生の姿が消えてしまうかもしれませんね。それはそれで困ったことです。
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