ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

恋愛小説はいかが?

2016年02月08日 | 日記

 先月から、小説を少し読んでいる。市立図書館から、特にテーマを決めずに、選ぶ基準は古典の名作で、肩の凝らない中編程度をと、4冊借りてきた。

 ①   西鶴の好色もの ②近松の心中もの ③一葉の人情もの ④ツルゲーネフの「初恋」

 こうしてみると、男と女に絡む作品ばかり。そしてみな面白く読み甲斐のあるもの。作家は、他者の立ち入りをはばかられる男女の世界から、物語の種を拾い上げ素晴らしい果実をつくり出す芸術家だ。

 今回読んだ、ツルゲーネフの「初恋」。恋愛小説の古典とされる名作。いままでそれほど興味がなかったが、教養のためと思い読んだ。素晴らしい作品。その後の高揚感は、僕の関心を、高校生の頃からの愛読書としている、類似した作品、アンドレ・ジイドの「狭き門」に導いていった。

  この「狭き門」はフランスの小説家アンドレ・ジイドが1909年に発表した作品。親族の不義、信仰と恋との板挟みの葛藤、そして恋人の死、などが盛り込まれた半自伝的小説。この度、山内義雄氏の翻訳で読み直しましたが、読後、またもや胸がつまり、目に涙があふれました。この作品は、いつかフランス語で読もうと原書を随分前に購入し本棚においています。

 小説家、石川淳氏は、「ジイドの文章は、一字一字にノミの閃き(ひらめき)を宿し、人の心の壁に刻みつける浮彫である。」と評した。ということで、今ようやく、素晴らしい原文をフランス語で味わおうという気持ちになり、勉強しながら読んでいます。

 さて話は少し飛ぶが、日本の英語教育について。

 読むことはともかくとして、会話と書く力が不十分であり、そのための教育に力を入れるとのこと。そのとおりではあると思います。それでも英語を読む力は大切。その力をつけるには興味、関心のある文学作品を読むのがいいのではないでしょうか。男と女の物語は誰でも好きでしょう。官能的な恋愛小説はいかがでしょうか?

  絵は、「狭き門」で主人公と恋人が再開する場面。

                   2016年2月7日  岩下賢治

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