はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

義兄の形見の器

2023年11月29日 | 我が家
2023/11/29


今年の5月、夫の兄の一周忌で
京都の兄宅を夫婦で訪れました。

その時に義姉から夫へ
義兄が愛用していたぐい呑みを
もらってくれないかと言われました。

ただ、そのぐい呑みは欠けがあったので
金継ぎをしてから渡すということでした。


そのぐい呑みが半年たって届きました。



なんと味わいのあるうつわでしょう




どこかに修理を頼んだのかと思っていたら
なんと義姉が自分で半年かかって
修理をしたということでした。


前にも書いたことがありますが
義姉の実家は京都・清水坂の茶碗屋。

さて、器には手紙が添えられ
こんなことが書いてありました。

〈飲み口の釉薬はあまく剝がれやすいので
白漆で直し  ニュウの部分は
漆の上に金粉を撒いてお化粧しています。

11月11日に出来上がりましたが
金粉が落ち着くまで3か月ほど要しますので
春くらいからお使いください。

ぐい呑みの作者は「壺井義統」氏
京大の建築を出られて陶芸家になられた方です。

T(義兄)さんも好きな器で
寒くなると熱燗をよく飲んでいました。
〇さん(夫)に使っていただくことを
喜んでいると思います〉



私は器の知識はあまりありませんが
この手紙を読んで
器を大切にすることとか
それを使っていた人を思う気持ちとか
時間の流れ方とか
いろいろ感じるところがありました。


そしてありがたいことに
私にも小抹茶茶碗を同包してくれました。

「すずめ」がなんともかわいらしく
義姉が気に入ったというお茶碗です。




雀がかわいらしい。
雪の粒があちこちに浮き出ているんです。
こんな絵がらのお茶碗は見たことがありません。

真っ白ではなく
あたたかみのある白で
肌の感じもなめらかです。

後ろ側



これでお抹茶を点てて飲んでくださいと
宇治抹茶の缶も添えられていました。

素敵なうつわでとてもうれしい。
大切に使おうと思います。


昨年、義兄の葬儀のときにも
義姉から湯呑と白いぐい呑みを
いただきました。



大ぶりの立派な湯呑です。


こちらは青みがかった白焼


肌合いが優しいのです




京焼のうつわは趣きがありますね。

手で持ったとき、口に触れたときに
その質感がなんとも優しいうつわです。

うつわは使ってこそのもの。
大事にしまっておくのはもったいない。

日常的に使ってこそ、生きるものですね。



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2 コメント

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Unknown (marinmaron1533)
2023-11-29 21:30:24
こんばんは。
器に詳しいわけではありませんが、どれも味があって使うのが楽しみになるような品ですね。
金継ぎ…割れたら捨てるんじゃなくて、元よりさらに味わいの増す器へと生まれ変わらせる、そんな技術があることを知ったのはつい最近のことでした。このことを知ってますます日本人が好きになりましたよ😊(私も日本人だけど)
お義姉様が自らの手で直してくださったなんてすごいですね。我が家もよくお茶碗などが欠けるので、物を大切にする心を見習わなくてはと思いました。
返信する
Unknown (yoshieri)
2023-11-29 22:29:02
マリンマロンさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。
昔の人は器を大事にしていたんですね。ガチャガチャとお茶碗を洗って、欠けたら処分していた私などは、考えを改めなくてはいけません。
粗相をしがちな私は京都のお姉さんから学ぶことがたくさんあります。
返信する

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