よし坊のあっちこっち

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アメリカビジネスの基本ーRESUME文化の重要性

2012年01月23日 | ビジネス横丁こぼれ話
アメリカに進出している日系企業全般に言える事だが、グローバルな企業運営にあたり、決定的に欠落している極めて初歩的な事がある。人は財産である、と言いながら、人の採用にあたってのトップの注目度は極めて低い事だ。そして、その事が会社の足枷になっている事すら気が付かない。人の採用に対しての注目度が低いということは、採用後の人事経営に於いても関心度が低い事を意味し、その結果、アメリカの経営で最も重要視されるべき人事案件で不都合が噴出し、大いに慌てる事になる。

アメリカを語る側面はいろいろ有るが、その一つは、レジュメ文化が基礎にある。日本から企業経営の為に派遣される人の99%がその事に無知であると言っても過言ではあるまい。無知が故にレジュメを軽んじ、例えば、知人に紹介されたと言うだけで何のチェックもせずに採用したり、面接しても、雰囲気と直感だけで採用する等、とんでもない事が今だにアメリカの日系企業で起きている。

人を採用する時、まずResumeを読む事から始め、しかも、よく読みこむ事が肝要である。候補者は会社への最初の接点となるResumeを、渾身の力で書く。採用側もそれに応えて、内容を読み、整理して面接での質問事項を考えておく必要がある。面接の場で、英語の苦手な日本人が米人HRに任せっきりで、全く質問しない事がよくあるが、アメリカ人候補者にネガティブな企業イメージを与えるだけである。英語が苦手なら、通訳を介してでも質問すべきなのである。

実際の失敗例を紹介しよう。
中西部のある日系企業で、日本人セールスを6万ドルで採用しようと募集を出したところ、ある男が応募してきた。この企業の社長は、候補者がハーバード大卒であることのみに興味を示し、日本人だと言う事でガードも大いに下がり、面接も四方山話で終わり、雰囲気がよかったというだけで採用したが、あまりにも営業成績が悪いので、色々調べたら、ハーバード大卒は嘘だったと判明。

相手がアメリカ人であろうと日本人であろうと、レジュメを読み込み、面接時にあらゆる角度からチェックしなければならない。上記のケースは、ハーバード卒で6万ドルのポジションに応募してきた時点で、候補者としてアウトだ。レジュメを読み込む癖をつけていないと、こういう事になる。