よし坊のあっちこっち

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遺産相続人 私の場合

2022年05月04日 | いろいろ
親が亡くなると相続額の多寡に関わらず遺産相続手続きが発生する。その手続きをやる前にやらなければならないのが、遺産相続人の確定という作業である。

この確定手続き、簡単であったり、複雑であったり、夫々の家庭の成り立ち状況によってかなり異なる。この確定手続きの眼目は、自分の親双方に自分(達)以外の血の繋がった兄弟姉妹が存在するか否かを明確にすることである。

この確定作業、実際にやってみると面倒ではあるが、実に面白い。欧米人が遠い先祖を辿るFamily Treeには及ばぬが、直近三代までのルーツを辿る世界に浸れるからだ。自分の知らなかった世界を垣間見るような、一種のスリルさえ感じる。この作業を通じて、日本の戸籍制度が重要な役割を担っているのがよくわかる。なかなか、この制度はすてたものではないのである。

実際の作業は、遺産被相続人(即ち亡くなった人)の住居の変遷を直近から出生届が出された所まで逆に辿っていき、途中離婚再婚などによる出生子の有無を確認することである。従って、生まれも育ちも一カ所で現在に至れば話は簡単だが、そうでなければいささか面倒なのである。この作業は、普段知らなかった親の過去の一端を知る手掛かりにもなって、大変興味深い。参考までに筆者の作業は以下のものであった。

奈良県で同居していた母は父の死後に東京のA市から転入してきたので、まずA市の戸籍抄本を取り寄せた。そこには父との婚姻により、長野県B市から転入してきた記載がある。そこでB市から抄本を取り寄せた。兼ねてより母の出生はB市ときいていたので、作業はこれで完了かと思ったが、そうではなかった。複雑な家族関係とともに、初婚の事実が記載されていた。今度は、初婚で嫁いでいた長野県C村から抄本を取り寄せたのだが、結婚後17日で夫は戦死、子供無し、の記載であった。戦争中、恋仲の二人が出征を前に結婚したが、夫は戦地に赴く輸送船が撃沈され、子供を授かることもなく、戦争未亡人となった。

かくして、母の子供は父との間に生まれた筆者を含む3人の子供以外に存在しないことが確定した。


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