よし坊のあっちこっち

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映画三昧ー風と共に去りぬ 今アトランタに暮す

2012年09月10日 | 映画
確か平凡社版だったと思う。分厚い「風とともに去りぬ」を読み終わり、南北戦争を背景としたこの壮大な物語で、アメリカにジョージアがあり、アトランタがあることを、中学生のよし坊は初めて知った。

それから暫く経って、日本で映画が封切られた。日本での初公開が1952年との事であるから、恐らく二回目の公開時期だったのかも知れない。この映画に、実に5回も観にいったのだ。劇場公開で二回以上観にいったことは、後にも先にもこれ以外に無い。あの「タイタニック」で4回も5回も観にいったというのをアメリカで聞いたが、当時のよし坊は正にそれである。何よりも初めてビビアン・リーを観てすっかり魅了されてしまったのだ。この映画で彼女とクラーク・ゲーブル、レスリー・ハワード、オリビエ・デ・ハビランドが四点セットとなった。映画の場面ではとりわけ大火のアトランタを馬車で脱出するシーンは圧巻そのもので、小説で初めて接したジョージア州アトランタが具体的イメージとして頭に埋め込まれたのは間違いない。

今、アトランタに暮らしている。つらつら思うに、決して偶然ではないのだと思う。あの映画が無意識の羅針盤をよし坊の意識の中に植え付けたのではないか。

次にアトランタに接するのは1987年になる。当時仕事で最低年一回はスポーツの祭典、スーパーショウを見る為にアメリカに来ていたが、アトランタ開催となって二回目のこの年、その土を踏むことになる。前年JALはデルタと共同運航でアトランタ直行便を就航させた。登場記念にJALとデルタ共同のネームタッグを貰ったのを覚えている。残念ながら、その後ショウの開催は他州に移ってしまい、1995年にアトランタに駐在するまでは縁が途切れてしまった。

1994年、入社以来長年仕事をしてきた部署から突然他部署、正確には関連会社への異動となった。会社には毎年自己申告制度があり、現業以外で働きたい分野を書く欄があった。馬鹿の一つ覚えのように化成品関係を希望として書いてはいたが、大会社故のセレモニーと思っていたものだ。事実入社以来20数年何も起こらなかったのだから。ところがそれが忘れたころに起きてしまった。

後で分かったことだが、アメリカで新会社をスタートさせる為に白羽の矢が立ってしまった。しかもジョージアはアトランタとくれば、何かの因縁があるとしか思えない。5回も観たビビアン・リーのあの映画が知らず知らずのうちによし坊をアトランタに導いたのかも知れない。

無いようで有りそうな、映画と人生の関わり、かな。


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