よし坊のあっちこっち

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RAIZO -狂四郎のこと

2010年02月01日 | RAIZO
ご存知、柴錬の代表作のひとつだが、小学生だったから、そんなことは知る由も無い。
初めて、眠狂四郎を観たのは、阿佐ヶ谷東宝で、鶴田浩二主演のものだ。当時は、いつもの時代劇のひとつだ。それなりの時代劇だったとは思うが、眼目の円月殺法も、ただそう呼ぶだけの円まわしだけだったように思う。今考えると、美男俳優鶴田浩二の顔は狂四郎役には、ちと甘いマスク過ぎる。世を捨てた無頼の徒、ではない。

狂四郎か雷蔵か、雷蔵か狂四郎か。これに一端はまると、ほかの役者がやっても、まったく興味が湧いてこないから不思議である。それぞれの良さがあるだろう。別の狂四郎がそこに居るかも知れぬ、という新しい発見の面白さはあるだろうが、どうもその気になれない。従って、雷蔵以後、テレビや映画で狂四郎が演じられても、観たことはない。

転びバテレンと日本の女の間に生まれたという出自の設定も、無頼の徒に繋がる。何よりも、雷蔵自身の出自とその後の複雑な家族関係が落とす影が狂四郎と二重写しになる。

一作目の「殺法帖」は新東宝から出た若山富三郎が城健三郎と改名しての登場、初回で華を飾るのは中村玉緒。円月殺法を会得し、初めて画面で円を描く狂四郎。しかし、この円月殺法、初回ではまだ型が出来ていない。