アウトドアライフの記録

四季それぞれに あちこちの山に登ったり、桜や紅葉の写真、および南の島の記録を写真とともに整理して、ブログにまとめました。

和歌山県の人はもう少し世界遺産を大切にしよう

2012-12-06 22:46:00 | 世界文化遺産熊野参詣道中辺路を歩く
世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のうち、参詣道は「熊野古道」「大峯奥駆道」そして「高野町石道」(こうやちょういしみち)の三つの道で、以前この3つとも歩いた。

とくに全長183キロの大峰奥駈道は 全長歩いたが 南半分の「胎臓界奥駈」と呼ばれる部分の荒廃が目に付き 心痛む思いであった。しかしそれをボランティアで整備されているのが、和歌山県新宮市の「しんぐう山彦ぐるーぷ」の方たちで いろいろお話をさせていただくと 感動するお話が沢山聞けた。

しかし参詣道のうち「高野町石道」を歩いた時には 信じられない光景に出くわし、非常に衝撃的であった。なんと世界遺産の参詣道が ゴルフ場の中を通っているのである。なぜ行政がこんな許可を出したのか、全く日本の恥である。

世界文化遺産といえば、「マチュピチュ」とか「モンサンミシェル」などと同じはずなのに、それがゴルフ場の中を通っているのである。和歌山県庁職員の文化程度の低さを示していて、まったく恥ずかしいしだいだ。同じ和歌山県とはとても思えない。

私が「町石道」を歩いたとき、英語のパンフレットを片手にしたドイツ人の若いカップルとすれ違ったが、駅を聞かれて説明した後 なんとなくこそこそと目を伏せてしまった。奥駈道で出合ったカナダ人の若いカップルには堂々と奥駈の話が出来たのに。

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「高野町石道」を南海電鉄が九度山駅で配布しているパンフレットを下につけます。


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その1 九度山駅から慈尊院(町石道の出発点180町石があります)を通り六本杉を経て二つ鳥居まで (赤字で記入したのが公衆トイレです)



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その2 ゴルフ場横の神田地蔵堂(ここにトイレ在り)から矢立交差点を経て大門、そして終点の壇上伽藍根本大塔(ゴールの1町石在り)まで


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南海電鉄九度山駅から歩き出します。ここから世界遺産「高野町石道」出発点の慈尊院まで、1.5キロ約30分国道を歩きます。



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慈尊院です。ここに弘法大師空海のご母堂が祀られています。町石道は母親の眠る寺院から、偉大なる息子が建設し、そして今も眠る山上の霊場までの参詣道です。



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おっぱいの形をした乳方(ちちがた)が奉納されていました。安産祈願だそうです。



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慈尊院境内の多宝塔です。もともと町石道の一町毎に立つ目印の道しるべはこの多宝塔をかたどった木製の塔だったそうです。



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鎌倉時代、約700年前から沢山の人が寄進して今の形の石造の町石となったと慈尊院のご住職が説明してくださいました。これは境内の180町石で町石道の出発点です。壇上伽藍までの距離が180町(約20キロ)あることを示しています。最終地点の壇上伽藍には「1町石」が建っています。



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歩き始めて暫くは柿畑の中をどんどん登ります。かなり急な坂ですが見晴らしがいいので快適に高度を稼げます。




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暫く登ると眼下に橋本市街と正面に金剛山が見えます。金剛山はうっすらと雪を被っていました。



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もう少し登ると今度は同じ世界遺産の大峯奥駆道が見えてきました。行者還岳と弥山です。西日本最高峰の八経ヶ岳は弥山のすぐ向こうに隠れていると思われます。



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町石道の道標は要所要所に整備されていて、迷う事はありません。道をいったん山の上に出たら、道は起伏の少ないハイキングコースです。



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合流地点の二つ鳥居です。弘法大師の建立と説明がありました。ちなみに町石道のハーフコースはここから少し引き返した「古峠」から上古沢の駅まで約1時間20分の距離だそうです。



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二つ鳥居を過ぎると、突然ゴルフ場のティーグラウンドに出ます。カート道を暫く行くと神田地蔵堂があり、トイレがあります。

(しかし世界遺産の巡礼道が突然ゴルフ場のカート道になるなんて、あきれるばかりです。しかも歩行者に向かって「ゴルフボールに気をつけろ」なんて立て札は良識を疑います。和歌山県もちゃんと仕事をしてほしいものです。)




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更に歩き続け 最後の急坂を登ると、この上が霊場高野山の入り口、大門(だいもん)です。あとゴールまでわずか7町です。



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高野山入り口の、重要文化財「大門」です。左右の仁王さんが迎えてくれます。(大門の境内にも公衆トイレがあります。)




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高野山の街並みです。街中にも町石が建てられています。



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町石道ゴールの壇上伽藍に到着しました。目標の1町石は手前の目立たない柵の中にひっそりと立っていて、分からなかったので、通りかかったお坊さんに教えて頂きました。



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壇上伽藍根本大塔です。時刻は16時30分。正味6時間の歩行でした。




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一町石はひっそりと目立たない柵の中にありました。良く探せば、道路から見えていますが、うっかり通り過ぎてしまいました。



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※ あとがき

バスで壇上伽藍から、ケーブルカーの駅「高野山駅」へ行こうとしたのですが、16時台、17時台、18時台はなくて、19時55分まで3時間以上待たなくてはなりません。タクシーは1150円で駅まで行ってくれますが、冬場は17時で営業終了です。私が17時少し前にタクシー会社事務所に行くと「冬場は17時を回ると道路が凍結するので、もう走りません。」と断られたのですが、なんとかお願いして乗せていただきました。高野山のタクシー会社は「スタッドレスタイヤ」というものを、知らないのかしら。よくあれで商売になってるなあ。


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※あとがきのあとがき

後日知り合いに聞いたところ、高野山の街をもう少し進んで「金剛峰寺」まで行けば、駅行きのバスはもっと便数があるとのことです。

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