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一般社団法人EIGC代表理事のブログ/ ニュース英語 北千里教室(大阪府吹田市)

TOEIC対策 リスニング応用編

2007-08-20 10:34:29 |  ビジネス英語・TOEIC

   TOEICスコア~試されるのは、英語力だけじゃない!?(3) 


               TOEIC対策 リスニング応用編
   パート3・パート4には、読解力とビジネス知識も重要
     
                           Bits and Bobs by Yuko Hattori
                                     TOEIC、ビジネス翻訳講師


新TOEICになってリスニングのパート3はかなり形式が変わりました。


以前のパート3は、パート2の Question & Responseより少し長いと感じる程度の会話が40問で、どちらかというと、パート2に近い問題でした。



しかし、新しいパート3は明らかに最も難しい、最後のパート4に近い問題になっています。


ナチュラルスピードで1分くらいの会話を10種類聞き、各会話につき3問の設問、計30問に答えます。


1分でおよそ140~150ワード話しますから、その程度の分量の会話を聞くことになります。


読解に出てくるビジネスレターくらいの長さを想像すると良いでしょう。



会話が長くなったので話している内容も当然ながら複雑になっています。
本当のビジネスの場面で交わされそうな会話になった、といっても良いでしょう。


リスニング100問中、パート1とパート2は、合わせて40問。
パート3が30問、パート4が30問ですから、難易度が高い、このパート3と4でしっかり得点しなければTOEICで高スコアをとることができなくなりました。



一見、難しくなった!と思いがちですが、きちんと学習すれば、正解しやすい内容になっています。


一つの会話が長くなって以前に比べてじっくり取り組めるので、テスト特有の「ブツ切れの会話を次々と聞いていく」イメージがかなり払拭されていて、むやみな聞き落としをせずに済みそうです。


 


たとえば、同僚とランチの約束をしていたのにいけなくてあやまっている場面からスタート。朝、突然、会議の予定が入り、長引いたのが理由だと話す。


それに対して同僚が「気にしないでいいよ」と言って会話が終わるのではなく、そのあと、会話がさらに朝の会議の内容にうつっていく・・・


というように日常起こりそうな自然な会話です。



会話のペアは、同僚どうし、上司と部下、顧客と店員、会社員とクライアント、夫婦などで、テーマは会議、出張、スケジュール、買い物、クレーム対応など。また、建築やデザイン、契約、マーケティングなど仕事の内容を話すものも必ずあるので、ビジネス全般の浅い知識も必要です。


単純にリスニングが出来ても、ビジネス分野に弱いと、かなり難しいと感じるものもあるでしょう。やみくもにリスニング対策をするのではなく、ビジネス分野に絞った、速読も含めたトレーニングが効果的です。



1分でおよそ140~150ワードを聞くというのは、耳で聞く練習ばかりするのではなく、読む練習が効果を発揮します。


ビジネス会話に出てくる語彙に慣れておくことはもちろん、速読練習をすることで、リスニングのスピードもアップします。


会話がナチュラルスピードで理解できなければ、文字で同じものを読む。そして読むスピードをアップしていくことで、同じようなパターンの会話なら早いスピードで聞いても内容を理解できるようになっていきます。



パート4は以前とさほど変わりませんが、問題数は増えました。
150ワード前後のスピーチなどを聞いて設問3問に答える問題が10題、計30問です。


スピーチ、アナウンスメント、店舗の留守電メッセージ、顧客からの留守電録音メッセージ、講演者の紹介、観光地や展示館などでのガイドの案内などです。


パート3のスピーチ版なので、パート3対策をしていれば、パート4はそれほど難しくは感じません。話者が1人なので、2人で話すパート3より逆に状況把握がしやすくなります。


ただし、パート3と同じく、ビジネス分野にある程度慣れ親しんでいる必要があります。


料理の話でも、料理学校への勧誘やキッチン製品の販売促進のトークであったり、ごく一般的な金融の話、販売キャンペーン、保険や年金など総務関連の説明、経営者のトークで財務関連の用語や数値が出てくるもの、契約や入札など、一般紙のビジネス関連記事の内容くらいは日本語でも慣れ親しんでおくくらいでないと、英語だけ、というわけにはいきません。


そういう意味では、より実践に近いビジネスコミュニケーション力を測る内容に近づきました。英語はあくまでツールだということです。


こういった内容は、リーディングの読解問題とも重複するので、これらを不得意と感じる人は、リーディングでのビジネス語彙や文章の基礎力を身につけていくのが早道でしょう。


パート3やパート4では、センテンスの長さがかなり長くなります。パート1や2では、10ワード程度のリスニングができればよかったのですが、ここでは長いものだと30ワードくらいのセンテンスも登場します。


関係詞や接続詞を使った重文や複文はもちろん、前置詞を巧みにつかった副詞句、形容詞句など、聞いていて文章の構造が見えるようなら、リスニングは非常に楽になります。


また、両パートには各出題に設問が3問ずつ出されていますが、その設問をさっと見てすぐに意味がわかる読解力が求められます。


リスニングの問題といえど、その場で突然聞いた会話やトークにしっかり自分の頭をチューニングするためには、設問の先読みは欠かせません。
聞かれる設問を見ておくと、どんな内容の会話で何を聞かなければいけないのかが分かるので、とても聞きやすくなるのです。


これは、試験テクニックにはなりますが、実際のビジネスでもこのような要領の良さは仕事を進めていく上で必要でしょう。情報処理力の高さも得点になるのです。



このように、リスニングといえど、総合力が試されるパートだということを踏まえた学習方法が必要です。


では、お話してきたパート3とパート4の学習方法を最後にまとめておきます。



●長い会話、長いトークのリスニング力アップには、実はリーディングが効果的
 リーディング訓練でリーディングスピードがアップすれば、リスニング力も伸びる


●TOEIC対策問題集などで、パート3やパート4の問題を繰り返し解き、難しいときには、リスニングだけにこだわらず、スクリプトを見て読解練習をしよう。


●TOEICに出題されるようなビジネストピックに慣れていることが必要。
 ビジネス情報の処理スピードを上げるためには、一般新聞の経済面など企業に関連する記事くらいは目を通し、日本語でも日ごろから内容に慣れ親しんでおきたい。



次回は、9月1日、リーディング編の予定です。