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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山中湖近傍の神社を散策  平成30年5月11日

2018年05月13日 | 花・花・花
 山中湖界隈のこのあたりにかつてはトウゴクサバノオがあったらしいのだが、最近はあるのかどうか全く情報が無い。はっきりした場所もわからないのだが、このあたり、ということは古い情報に記載がある。この日の午後、ようやく修理に出していた車が直ってきた。午後から修理工場に車を取りに行くついでに山中湖までドライブしてみた。久し振りに運転する自分の車だが、ようやく代車に慣れてきた頃だったので自分の車の運転になんとなく違和感を感じる。そもそも散策に行く予定では無かったので山用のズボンは持って来ていない。スラックスを履いたままで散策に行くこととなったので、難しいところには行けない。


    レッドデータブック2018年版に大きなヒントが記載されていた。この神社が怪しいと思ったのだが・・・。


    花は付いていないが、レンプクソウか?


    シロバナノヘビイチゴ


    キンポウゲ


    ニョイスミレが1輪だけ


    咲き終えたヤマシャクヤクが散在


    オオヤマサギソウの葉か?


    何テンナンショウ?


    仏炎苞、付属体とも緑色


    昨日武田の杜で見たものよりも小型で葉が細い。かつ、葉の辺縁に鋸歯がある。たぶんこれはホソバテンナンショウになるのではないだろうか?


    もう1種類テンナンショウ属を発見。これは武田の杜で見たものとほぼ同じ。


    黒紫色の仏炎苞と黒紫色の斑が入った付属体。マムシグサということにしておこう。


    咲き終えたネコノメソウ属。ツルネコノメソウか?

 期待していたトウゴクサバノオにはまたしても出会えず。もう1ヶ所訪れてみる。


    キジムシロ


    新緑の中の遊歩道を歩く。スラックスなので上までは行かず途中で引き返す。


    ここにもマムシグサ。


    登山道脇の土手は鹿の踏み跡が著しい。


    そんな斜面に出ていた葉。もうすぐ咲きそうなクワガタソウだと思う。


    クルマムグラか?

 やはりトウゴクサバノオには出会えず、残るは富士山の樹海の中くらいだろうか?おそらく今年のうちに咲いている花に出会うのは困難であろうから、来年に持ち越しということになるだろう。
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武田の杜のエビネ散策  平成30年5月10日

2018年05月13日 | 花・花・花
 4月21日に巡回した時は日当たりの悪い場所のエビネはまだ蕾だった。5月の連休頃が見頃だったと思われるがおそらくもう終わりかけている頃だと思う。午後の時間がとれたので見回りに出かける。


    ジャケツイバラ。


    イバラという名前が付くが、マメ科の植物。


    ホタルカズラ。もうそろそろ咲き終わりだ。


    キンランが1本だけポツリと咲いていた。いつも3本咲く場所は今年は見当たらなかった。盗掘か?


    サメの歯のような突起があるキンランの唇弁。


    正体不明の花と葉。観賞用の同じような植物があるが名前を知らない。


    新しい場所で出会ったエビネ。


    前回見回った時は蕾だった株。ピンクの花を付けた。


    ピンクエビネ


    笹が生えておらず、この界隈ではいちばん生育条件が良い大株。花期は若干過ぎていた。


    近くに咲いていた株。この株も初めて見る。


    薄ピンク色のエビネ。


    日当たりの悪い場所だが、しっかりと咲いてくれた。


    心配していたのがこの株。3~4年前に盗掘に遭って葉が2枚だけ残っているのを確認していた。まだ花を咲かせるには至らないがしっかりと葉を出した。頑張れ!

 毎年のように盗掘の被害に遭っているエビネだが、現在残っている株は遊歩道からはほとんど見えない場所ばかりで今年は被害に遭っていないように見受けられる。何も手立てが無いのが悔しい。

 さて、ネット上での写真と解説を見てもさっぱり分類がわからないサトイモ科テンナンショウ属の花も見て回ってきた。全部同じもののようにも見えるがそうでも無いようにも見えてしまう。


    現在真っ盛りのマムシグサの仲間。


    紫色の仏炎苞と紫色の付属体(真ん中の棒のこと)。


    仏炎苞が緑がかっているが同じものだろう。広めの葉が9枚付いている。


    こちらは斑入りの葉だが花は同じに見える。


    今度は仏炎苞全体が黒紫色


    付属体の先端が太くて紫色のもの


    こちらは緑色のもの


    仏炎苞が2枚ある奇怪な形をしたもの

 大きさと葉を見た感じでは皆同じもののように見えてしまうが、仏炎苞の色と付属体の色と形はそれぞれ違うようにも見える。見れば見るほどに良く分からないテンナンショウ属だが、もう少し勉強してからでないと結論は出ないので、当面は一派ひとからげで広義のマムシグサということにしておきたいと思う。
    
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山梨・神奈川・東京都の県境を歩く 生藤山  平成30年5月5日

2018年05月05日 | 山梨無名山
 あまり訪れたことが無い上野原市の山を歩いてみた。このあたりはまた違った植生の植物があるかも知れない。軍刀利神社というところに駐車場があり、半バリアンス尾根を下って周回できるらしい。探している植物もレッドデータブック2018年版の記載で見るとこの山域に生育しているらしい。まだ車の修理が終わっておらずカーナビ無しの代車なので山用GPSにルートを登録して出かけるが、見にくい山用GPSでは登録ルートが良く見えず、2度も曲がる道を間違えて30分以上時間をロスしてしまう。早い時間にサクッと周回してくるはずだったが、歩き始めは9時半になってしまう。


    軍刀利神社の駐車場。


    少し上には水洗のトイレが設置されている。


    駐車場の脇に咲くセリバヒエンソウ。


    ニョイスミレ


    ツルカノコソウ(オミナエシ科オミナエシ属)だと思う。


    クルマムグラ


    軍刀利神社の階段


    階段の周辺はウワバミソウとホウチャクソウがたくさんあった。


    軍刀利神社


    軍刀利神社の境内にあった葉。真ん中に蕾が付いている。イナモリソウか?


    さらに進むと軍刀利神社奥の院があった。


    カツラの大木が立つ軍刀利神社奥の院


    カツラの御神木


    周辺ではクワガタソウが満開。


    奥の院を過ぎるとその先は植林帯の単調な登りになる。ナガバノスミレサイシンとアケボノスミレの葉がたくさんある他は目ぼしい花は見つからず。


    稜線に抜け出ると驚くほどに立派な道が付いていた。生藤山に向かう。


    生藤山の最後の登りは急登。


    到着。ベンチがあって人が多かったのですぐに下りて三国山に向かう。


    生藤山山頂の木の隙間から富士山が見える。


    三国山山頂。ベンチが設置されている。


    三国山から見る富士山。


    ここは山梨県、神奈川県、東京都の1都2県の境界。三角点の周りをぐるり1周して5秒にして1都2県を巡り歩く。

 ゴールデンウィークということもあってか、多くの登山客が訪れていた。バスを利用しての軍刀利神社からの登山者も多数おり、ほとんどの人に抜かれて私が最後尾になった。それでも、2時間ほどで三国山に到着できた。ここで昼食をとって休憩するが、混雑しそうな雰囲気だったので食べて速攻で出発する。


    グッと下ったかと思ったらお決まりの理不尽な昇り。


    登り着いたところに軍刀利神社元社がある。


    その先の熊倉山。ベンチがあり小休憩。こちら側はほとんど人に会わない。

 熊倉山の先にこの山から派生する尾根に行く道が出ているはずだ。GPS片手にルートを探すと、やや荒れた細い道があった。


    左が下りてきた熊倉山からの道。右に水平に延びる荒れた道がある。


    尾根に乗ってしまうとしっかりした道があった。


    急下りの植林帯


    赤色鮮やかなヤマツツジ


    派生する細い道があったので、色気を出して沢に下りてみたが・・・


    荒れた沢で目ぼしいものは何も見つからず。


    カンアオイ


    花を撮影したが横に居た蜘蛛には全く気付かず。


    長泉寺に出る。


    境内に咲いていたホウチャクソウ。

 午後2時10分に長泉寺に抜け出て、あとは車道を20分ほど歩いて軍刀利神社の駐車場に戻った。

 今回探していたのは先日の続きのトウゴクサバノオである。高尾山に近いことから、この界隈ならば生育しているのではないかと沢を登るルートを探してこちらを訪れてみたが、残念ながら出会えなかった。しかし、何も収穫が無かったわけでは無い。


    出会ったことが無いこの葉っぱ。


    薄い網目模様が入っておりシュスラン属の葉であることは間違い無さそうだ。

 きわめて少数の株数しか確認できなかったが、どんな花が咲いてくれるのか楽しみである。
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オキナグサその後 再び茅ヶ岳へ  平成30年5月3日

2018年05月04日 | 山梨百名山
 全休になる予定だった今年のゴールデンウィークであるが出勤せざるを得ない状況が発生してしまった。ゴールデンウィーク前半を休めただけでも良しとしよう。仕事を片付ければもう時刻は12時近くになっており、大明神林道から茅ヶ岳に登り始めたのは午後1時半になってしまった。午前中は天候が悪かったこともあってか、この日の尾根道で出会ったのは10人には満たなかった。今年はスミレが少ないように感じ、ヒゴスミレに至っては葉っぱだけは見かけるものの咲いている花はひとつも出会えなかった。ヒゴスミレは毎年のように数を減らしているように見える。


    ヤマツツジが咲いていた。


    アカネスミレ。少し痛みだしている。


    こちらは普通のスミレ。


    この岩の上には5~6株ヒゴスミレがあったが、ここ数年は咲いておらず数も減った。


    別の小さな紫色の花、ヒメハギ。


    ワダソウも少なくなった。


    アケボノスミレ。下のほうはもう終わっていた。


    今年は紅色が濃いセンボンヤリ。


    フデリンドウは咲き始めたばかり。


    ツクバキンモンソウ。


    花びららしきものの上のところに付いているのが雄しべのように見える。


    新緑とミツバツツジ

 ゆっくりと歩いて2時間半ほどかかって保護柵を設置したオキナグサの自生地に到着した。うまく出来たと思っていた保護ネットだったが残念なことにポールの3本が折れ曲がってしまっていた。今回は修復することは視野に入れていなかったので何も道具を持って来ていない。止む無し、補強に使っていたワイヤーの固定部分をずらしてポールの少し上に止め直して応急処置を行ってきた。岩盤をノミで削って立てたポールだが、地盤が緩んで抜けかけていたものもあり、1本は完全に位置が変わっていたところを見ると、倒れてしまったポールを立て直してくれた人が居るようだ。ここのオキナグサが咲くのを楽しみにしている人はたくさん居るということだろう。


    現地に到着してビックリ。ポールが折れ曲がっている。


    3本が折れ曲がっているが今回は何も道具を持って来ていない。


    ワイヤーの固定位置をずらして応急処置を行う。花はもう満開を過ぎているので冬は越せずとも今シーズンはなんとか凌げるだろう。


    満開を過ぎていたオキナグサ。


    昨年に増してたくさんの花を咲かせてくれた。


    カウントしているわけではないが、ざっと見て昨年の倍くらい咲いてくれた。


    今年も無事に咲いてくれて一安心である。


    心の中で「良し!」と叫んだ。

 修復作業に30分ほど時間を費やし、その後山頂に向かう。前回保護ネット修復作業を行った際に時間がかかり過ぎて予定していた山頂の標柱整備が出来なかったため、今回はそちらの作業のための道具を持って来た。時刻はもう5時、まずいのは空に真っ黒な雲が湧き出したことで、夕立が来そうな雰囲気である。さっさと整備を終えてさっさと下山したいが・・・。


    期待していたヒメスミレサイシンはもう終わっていた。


    茅ヶ岳に咲いているのは初めて見た。ツバメオモト。


    山頂の標柱。空には真っ黒な雲が広がり始めた。雷がいちばん怖かったが、なんとか雷鳴は轟かずに済んだ。


    紙ヤスリで標柱を磨き、ニススプレーを噴霧、さらに腐食防止のためアクリルスプレーを噴霧する。

 30分ほどで作業を終える。時刻は5時45分になったが、日が延びてまだ空は明るい。予定では女岩側に下山してエイザンスミレやニリンソウを見ながら駐車場に戻るはずだったが、途中で日が暮れてしまうだろう。女岩あたりまで下りたところで夕暮れとなりあとはヘッドライト点灯して下山となった。


    富士山が見えているが真っ黒な雲が広がっている。なんとか天候は持ちこたえてくれそうだ。


    もうすぐ咲きそうなコイワカガミ。


    少しだけ咲き出していた。

 ヘッドライトを照らしてみると、登山道の両脇には満開のニリンソウや、ムラサキケマン、ユキヤブケマンなどが咲いていたがもはや暗くて撮影は出来ずあきらめる。午後7時下山となった。

 不完全な保護ネットではあるが、今年もなんとか食害からオキナグサを守ることが出来た。しかも、昨年とは見違えるほどにたくさん咲いてくれたのは嬉しかった。ひとまずはオキナグサ保護作戦成功である。使っているポールは強風が吹きつけるこの斜面では持ち堪えられないようで、次はもうひと回り太いポールを荷揚げしてワイヤーの固定方法も考える必要がありそうだ。今年のうちに作業を行っても冬の間に壊れてしまうので、また来年の春に作業を行いたいと思っている。
    
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夜明けのパール富士 高指山  平成30年5月1日

2018年05月02日 | 月富士
 前日の丹沢塔ノ岳の寝不足はかなり堪えて、自宅に帰って8時半ごろにテレビを見ながら布団に入って横になったと思ったらリモコンチャンネルを持ったまま眠っていた。翌朝は山中湖か高指山で夜明けの頃にパール富士が見られるのはわかっていたが絶対に起きられないと思って目覚まし時計は通常の出勤時の7時20分にかけておいた。しかし、ふと目が覚めると時刻は未明の2時だった。もちろんまだ眠気がとれたわけでは無い。携帯電話で富士山ライブカメラをチェックすると綺麗な富士山が姿を現しており、外に出て月を見上げるとまん丸な月と木星が接近して空に浮かんでいる。神様がこの時間に起こしてくれたのか、これは行くしか無いだろう。栄養ドリンクを飲んで山中湖に向けて出発する。

 忍野まで行くと霧が出ていた。これは山中湖から狙うと霧に阻まれてスッキリと富士山が見えないかもしれない。それと、高指山からはパール富士以外にも狙っている画像があった。迷わずに高指山に登ることにするが、さすがに塔ノ岳の疲れが残っており足が上がらない。ゆっくり登ったがそれでもパールの時間には楽勝で撮影場所に到着できた。


    山中湖には霧が出ている。やはりこちらに登って正解だ。


    月が富士山に傾き、うっすらとアースシャドウが出た。


    富士山頂に月がやって来た。うっすらと紅富士。


    もう1台の200㎜望遠で捉えたパール富士


    月が富士山に接触。富士山はあまり焼けなかった。


    月が白山岳に沈んで行く。

 さて、狙っていたのは前日の塔ノ岳で失敗したムーン・キャッツアイである。今回はGPSがバッチリと座標を拾ってくれた。


    富士山に沈みかけた月


    白山岳目がけてまっしぐら。少し左に寄り過ぎたか?と思ったが・・・


    位置はバッチリだった。


    白山岳ど真中に月が沈んだ。


    トリーミング。シルバーのムーン・キャッツアイ撮影に成功したが・・・思っていたほど面白く無い。

 ムーン・キャッツアイ撮影に成功したが、太陽と違って月は輝かないので目立たず、かつこの距離だと猫の目が小さすぎて迫力が無い。やはり道志か丹沢山系あたりまで距離を離さないと迫力が出なそうなこと、かつ、日の出の頃では無くてもっと早い時間の月を狙ったほうが面白そうだ。またチャレンジだ。

 さて、実はもうひとつ狙っていたものがある。接近した月と木星の脇を通り過ぎて行く国際宇宙ステーションISSである。日の出30分ほど前の4時35分ごろに通過して行くはずなので、月が明るくても写るはず、おそらく肉眼でも見えるのではないかとシャッターを連写しながら目を凝らして月の左脇を見つめるが、残念ながら確認できない。


    肉眼でISSは確認できなかったがカメラではしっかりと捉えていた。月の左上の小さな光がISSだ。


    トリーミング画像。左上の短い線がISS、左下の光は木星。


    連写した約170コマを比較明合成した画像。月と木星の横をISSが通り過ぎて行く。

 撮影のチャレンジを始めた当初は失敗しまくっていたISSだがようやく慣れてきた感じがする。いつか富士山の山頂で弧を描くISSの姿を捉えてみたいと思うが、なかなかそのチャンスは巡って来ない。



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雲海広がるパール富士・・・になるはずだったが?? 塔ノ岳  平成30年4月30日

2018年05月02日 | 月富士
 休みの日にあまり当たることが無いために滅多に撮影に行けない丹沢山系のパール富士だが、今回は都合良いことにゴールデンウィーク中に塔ノ岳で撮影のチャンスがやって来た。しかし、都合が悪いことに自分の愛車が修理中で代車にはカーナビが付いていないうえに車中泊するにはあまり向かない軽自動車である。一旦はあきらめて一緒に行く予定だったのぞむ先生に不参加の連絡を入れた。しかし、天気予報を見る限りでは好条件が揃い過ぎている。では現地までどうやって行くか?レンタカーを借りるか、妻の車を借りるか等、いろいろ考えた末に、山用のガーミンGPSに車道の軌道を登録しておいてそれに従って大倉の駐車場まで行くことにした。27日に一応尊仏山荘に泊まれるかどうか連絡を入れてみるが当然満室である。さらに花立山荘、鍋割小屋にも電話してみたがいずれも繋がらず、大倉の駐車場で仮眠して夜中に登ることに決める。山を歩くことよりも無事に駐車場までたどり着けるのかどうか、車中泊で眠れるのかどうかのほうが不安だった。

 4月29日の午後5時、何ヶ所か道を間違えながらも秦野戸川公園の駐車場に到着した。車を駐車して改めて駐車場の案内板を見ると、夜間駐車は禁止と書かれている。しかし今さら泊まれる宿など確保できるはずもなく、周辺の駐車場情報も何も持っていない。もはやここで仮眠するしか選択肢が無い。ルール違反は承知で駐車場のいちばん隅に車を止めさせてもらい、6時に寝る。11時に起きて出発するはずだったが、やはりあまり眠れずに9時半に目が覚めてしまう。そのまま横になっていたがもはや眠れそうも無く、10時半に準備を始めて11時前に出発した。ルートは明瞭で迷う場所など無かったが、想定していた通りに長いルート、かつ延々と続く木道と木の階段道には体力を消耗した。


    花立山荘の下から見る神奈川の夜景。


    しかし、どこまで続くこの階段道。歩幅の調節が難しく体力を使う。


    花立山あたりから見る富士山。雲海の上に富士山が浮かんでいる素晴らしい情景が広がる。月の左横に輝く明るい星は木星。

 山頂に近付くにつれて風が強くなってきた。体感温度もかなり寒くカッパを着込み、それでも寒いのでフリースのジャケットも着込んだ。4時間半かかって未明3時半に塔ノ岳山頂に到着した。既に10本以上の三脚が立ち並んでいるが広い塔ノ岳山頂は十分な撮影スペースがある。GPSを取り出して登録してきたムーン・キャッツアイが撮影可能な座標点を探すのだが、強風のためかGPSの感度が悪く座標が20~30mくらい簡単にずれてしまう。カメラマンの皆さんが構えている場所とは違う場所で一人カメラを構えるが、強風のため折角担ぎ上げたBorg570mm 望遠レンズは風でブレてしまい使い物にならず、もう1本の70‐200㎜ズームを使うことにする。時折雲が湧き上がって富士山が見えなくなることもあるのだが、それにしても凄い雲海の景色が広がったものである。


    雲海が広がった塔ノ岳の富士山。


    凄い景色である。


    Borg570mm はシャッタースピードを速くすれば月はなんとか撮れる。強風で空気が淀み、月の輪郭が波打っている。


    しかし富士山に露出を合わせてシャッタースピードが遅くなると強風で揺れてブレまくり、使い物にならない。あきらめて別のレンズをセットする。


    このまま雲海上のパール富士いただき!と思ったのだが・・・


    富士山の向こう側に雲が出ていて月が隠れ始めてしまう。


    隠れ始めた黄金の月。200㎜望遠ズーム。


    なんとか月が現われてくれたものの、雲に遮られて不鮮明。


    同上


    富士山頂に接地した頃。


    同上


    白山岳に月が沈んで行く。


    ムーン・キャッツアイは・・・20mくらいズレている。今回はGPSがうまく作動しなかった。


    夜明けの富士山


    霞が多かったためか、あまり焼けなかった。


    日の出


    影塔ノ岳と富士山

 カメラマンの中にはのぞむ先生の他に彼の知り合いの著名なブロガーたちが何人も撮影に来ていた。軽く朝食をとって、のぞむ先生と一緒に長い大倉尾根を下山する。


    山頂から見る富士山


    花立山荘の前から見る富士山。今朝もこのくらい晴れていてくれれば・・・。


    オキナグサが大倉尾根にあったのには驚き。


    1本だけキンランにも出会えた。

 山頂の寒さは嘘のように高度を下げると暑くなってきた。途中のお茶屋でかき氷を食べてコーヒーをいただき、少し眠気を覚まして10時に下山した。それにしても人気の高い山だけあって、続々とやって来る登山者の多さには驚かされた。午前10時、無事に下山。車での帰り道はやはり道が全くわからず、ルートを大きく外れてしまいガーミンGPSも役に立たない。山の景色を見ながらたぶんあっちの方向・・・と道を進んで行くと、運良く東名高速道路の案内板が出てきたのでなんとか高速に乗ることが出来た。足柄サービスエリアで1時間ほど仮眠して帰路についた。

 稀にしか出会えない雲海上のパール富士撮影の大チャンスだったが、なかなかうまく行ってくれないものである。しかし、パール富士にはならずとも、その前の時間に見た雲海上の富士山に輝く月と木星の景色は滅多にお目にかかることが出来ない素晴らしい景色だった。パール富士ならずとも十分に満足である。
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今度こそトウゴクサバノオ?しかしこれは・・・ 山梨県東部の沢へ  平成30年4月29日

2018年05月01日 | 花・花・花
 山梨県のトウゴクサバノオはネットで探してもほとんど出て来ない。数年前から探してはいるが全く見つかる気配が無い。少ない情報の中からそれらしきものがありそうな山梨県東部の沢へ探索に行ってみる。


    キケマンが咲いていた。


    沢に咲いたヤマエンゴサク


    沢に咲いたコチャルメルソウ


    コチャルメルソウ

 沢沿いを進むと背の低い白い花が目についた。シロバナノヘビイチゴだろうと思い簡単に撮影して通り過ぎたが、その先で咲いていたものを見ると葉っぱが全く違う。シロバナノヘビイチゴと思って通り過ぎた時に見た葉っぱは同じ場所に咲いていたキジムシロの葉だったようだ。花が白くてトウゴクサバノオとはちょっと違う感じがするが、咲き始めの花が黄緑色なこと、成長した葉が円みを帯びていることからこれがトウゴクサバノオに違いないと思い込んでしまう。


    シロバナノヘビイチゴと思ったが・・・


    葉っぱが全く違う。


    この円みを帯びた葉っぱ


    咲き始めの黄緑色の花


    これはトウゴクサバノオだと思い込んでいたが・・・

 翌日相棒のうーさんに電話して見に行ってもらった。電話連絡があってあれはトウゴクサバノオでは無くてサンリンソウではないかと言われた。八ヶ岳や北岳や瑞牆山で見かけたサンリンソウはこんなに背が低くなくてもう少し葉が尖っていたような印象を持っていたが、ネットで検索して花と葉を良く見直してみると確かにこれはサンリンソウである。今度こそと思ったがまたしても空振りのトウゴクサバノオになってしまった。

 しかし、この沢には驚くほどにたくさんの秩父のシロカネソウが咲いており、これを見られただけでも大収穫であった。


    沢沿いに咲いていた秩父のシロカネソウ


    その先に次々と姿を現す。


    こんなに咲いているのは初めて見た。


    沢の流れをバックに咲く


    気品漂う白い花


    マクロ接写


    存分に楽しませていただいた。

 予定ではもっと上流の源頭あたりまで詰めるはずだったのだが、途中までで十分に満足して帰ることにした。秩父のシロカネソウは今年は当たり年らしくたくさん楽しむことが出来たが、トウゴクサバノオでは無かったことにはちょっとショックを覚えた。うーさんに指摘されなければそのままトウゴクサバノオだと信じていたことだろう。また別の場所を探してみよう。
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沢を登って黒富士へ 尾根道編  平成30年4月28日

2018年05月01日 | 番外編
 マウントピア黒平から荒川支脈の沢を登って八丁平まで登り着いた。感じの良い沢でコガネネコノメ、ツルネコノメ、ハナネコノメの3種類のネコノメソウがたくさん咲いていた。八丁平で小休止した後に黒富士の山頂を目指す。この界隈はスミレがたくさん咲き、特にエイザンスミレは斜面いっぱいに足の踏み場が無いほどに咲いた年もあった。さて、今年はどんな様子だろうか?


    八丁平。ここから黒富士までは20分ほどで到着できる。


    黒富士山頂。天候は良好で気温が上がり、大量の汗をかいて到着。


    展望台から見る富士山


    南アルプスと手前の右端が茅ヶ岳


    曲岳と八ヶ岳


    左側の撥岩と瑞牆山・金峰山

 黒富士で昼食をとって大休憩する。黒富士の岩場の周辺には数年前にヒメスミレサイシンが10株以上固まって咲いていたのを目撃しており、今回も期待していたのだがあまり数は無く、葉だけ出している株が多かった。全体的な数も減少しているようで、今回開花しているのを確認したのは5株くらいと寂しかった。


    ヒメスミレサイシン


    花が咲く頃は葉が巻いているのが特徴。


    フォッサマグナに沿って咲く貴重なスミレである。

 エイザンスミレの群落がある場所は鬼頬山に至る途中の斜面で、一旦ルートを戻って回り込むようにしてそちらに向かうことになる。黒富士の途中の尾根から見ると真直ぐ正面に鬼頬山が見えるので短絡出来るのではないかとその尾根を真直ぐに鬼頬山に向かって進んでみるが、これが大失敗で、その先は沢に深く落ち込んでおり結局は2本の沢を渡ってようやく正規のルートに抜け出ることとなってしまい、時間的にも体力的にもロスしてしまう。しかし、横切った沢の中はこれまたたくさんのネコノメソウに出会うことが出来た。


    バリアンス尾根の斜面に咲いていたヒナスミレ


    ヒナスミレ


    エイザンスミレ、白とピンク。向こうに見えるのはタチツボスミレ。


    元気なアケボノスミレ


    ミツバツツジの咲く尾根を向こうに見える鬼頬山に向かって進む。しかしその先は谷に落ち込んでいた。


    急斜面を沢に下りる。


    沢沿いに咲いていたツルネコノメソウ。


    沢の脇の斜面はコガネネコノメソウの天国。


    沢を2本横切って尾根の正規ルートに出た。ここはミツバツツジが満開。向こうに見えるのは茅ヶ岳と金ヶ岳。

 尾根の正規ルートに抜け出てもう目の前に鬼頬山が迫っていたが、エイザンスミレの咲く斜面は反対の方角だったので山頂を踏まずに反対方向に進む。期待していたエイザンスミレだったが、斜面が乾燥していて以前のような大群落は見られなくなっており、代わりにニリンソウの葉が斜面を占めるようになていた。これも自然の推移なのか、残念な気がする。


    ワチガイソウ


    エイザンスミレ。


    この場所には赤紫色鮮やかなエイザンスミレが群落を成していたがずいぶん減ってしまった。


    足の踏み場が無いほどのエイザンスミレ群落は見られず、代わりにニリンソウの葉が多くなっていた。


    マルバスミレ


    アケボノスミレがたくさん。こちらは数が増えているように見える。


    一株だけヒゴスミレ。


    同じように白いスミレだが、こちらはエイザンスミレ。

 尾根の正規ルートを辿って八丁平に戻り休憩する。時刻は午後3時半を過ぎた。これから升形山を越えて黒富士峠に至り、マウントピア黒平まで下山である。結構長いルートだ。


    升形山から見る黒富士と富士山


    真ん中の谷がこれから下山するホオズキ平のルート、右側が登って来た谷である。


    黒富士峠から見る八ヶ岳。ここにあった立派なミツバツツジは枯れてしまったようだ。


    鹿の広場に下りる。赤テープが付いているがもともと明瞭な道は無く、適当に下りる。今年は笹が枯れていて歩き易い。


    鹿の広場を振り返る。カラマツの新緑の頃にはすがすがしい森になる。


    鹿の広場の下部から沢沿いにかけてはやはりコガネネコノメソウの天国だった。

 急ぐことなくゆっくり歩いて花を探しながら下山してきたが、もっとも花がありそうだと睨んでいたホオズキ平上部の沢の源頭付近も残念ながら探しものは無かった。探していたのはトウゴクサバノオ、山梨県では絶滅危惧種ⅠB類だがまだ見たことが無い。うまくすればコミヤマスミレにも出会えるのではないかと目論んでいたがこちらも見当たらなかった。明日は別の山域を探しに行ってみようと思っている。午後6時に駐車場到着、写真を撮っている時間が長いのでコースタイムは全く参考にならないが、本日は9時間半の沢と山歩きになった。
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沢を登って黒富士へ 沢登り編  平成30年4月28日

2018年05月01日 | 花・花・花
 山梨県レッドデータブックの2018年度版が発刊され、何年か探しているある花がこの界隈の山域にもあるらしい。メッシュ地図の範囲はかなり広いのでどのあたりなのかは全く見当が付かないが、あまり人が歩かないこのあたりならば出会える可能性が高いかと予想して、マウントピア黒平から八丁平に延びている荒川の支脈の沢を登ってみることにした。傾斜から見て遡上できないような大きな滝は無さそうだがもし登れなければそこで撤退することにする。稜線まで抜け出られれば帰りは登山道を下山して来れば良い。

 朝8時登り口のマウントピア黒平に到着。駐車場に車は無く、このルートを登る人は誰も居ないようだ。先日訪れた時は橋の下にコガネネコノメソウがたくさん咲いていたが、その場所はもう花が終わっていた。8時半に出発する。


    マウントピア黒平の桜はもう散っていた。


    前回は沢の中を進んだが、今回は登山道を普通に歩く。


    ニリンソウが咲き出していた。


    コガネネコノメソウは盛期は過ぎたものの、まだまだたくさん咲いている。


    ニッコウネコノメソウは黒紫色の葯がもう落ちていて終盤である。


    登山道の中をニリンソウが埋め尽くしている。これでも数年前に比べるとだいぶ少ない。


    マルバコンロンソウ


    小型のカントウマムシグサ(だと思う)。


    ホウズキ平に到着。

 1時間少々でホウズキ平に到着する。真っ直ぐに行けば鹿の広場を経て黒富士峠に至る登山道だが、ここから左に夕もや尾根というマイナーな登山道が分かれている。尾根道と書かれた看板があってテープが付いているが実際にはどこが取りつき口なのか良く分からない登山道である。今回行くのはその左側にある沢である。炭焼き場の残骸がいくつかあり、なんとなく道っぽいものが付いている場所もあるが基本的には沢登りである。


    清涼な沢を登る。


    咲き終えたハナネコノメがあった。


    ここはかなり花を咲かせたようだ。 


    ミツバコンロンソウ


    ハシリドコロがたくさん。他の山と同様に鹿の食害が酷いのだろう。


    左側から細い滝が合流する。


    コガネネコノメソウと滝


    赤紫色鮮やかなヤマエンゴサク


    沢沿いに咲いたヤマエンゴサク


    一旦伏流となった沢の水が再び現われ、谷が険しくなってきた。


    苔が生した沢を進む。


    沢の壁に咲くハナネコノメソウ


    ツルネコノメソウ


    2つの小滝が連続する。ここは濡れないと登れないので右の斜面を巻いて越える。


    沢に戻る。コガネネコノメソウとツルネコノメソウ。


    沢沿いの土手にもこの2種類のネコノメソウがたくさん。


    水が細くなり上が見えてきた。


    八丁平に到着。

 さほど厳しい沢では無かったが、慣れない沢登りと花を探しながら写真を大量に撮りながら遡上したため、2時間半の時間を要した。雰囲気の良い綺麗な沢だったが残念ながら探しものは見つからなかった。時刻は12時20分になった。小休止して尾根道を黒富士に向かう。ここからはスミレ散策に変わる。(尾根道編に続く)
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