山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

今度こそトウゴクサバノオ?しかしこれは・・・ 山梨県東部の沢へ  平成30年4月29日

2018年05月01日 | 花・花・花
 山梨県のトウゴクサバノオはネットで探してもほとんど出て来ない。数年前から探してはいるが全く見つかる気配が無い。少ない情報の中からそれらしきものがありそうな山梨県東部の沢へ探索に行ってみる。


    キケマンが咲いていた。


    沢に咲いたヤマエンゴサク


    沢に咲いたコチャルメルソウ


    コチャルメルソウ

 沢沿いを進むと背の低い白い花が目についた。シロバナノヘビイチゴだろうと思い簡単に撮影して通り過ぎたが、その先で咲いていたものを見ると葉っぱが全く違う。シロバナノヘビイチゴと思って通り過ぎた時に見た葉っぱは同じ場所に咲いていたキジムシロの葉だったようだ。花が白くてトウゴクサバノオとはちょっと違う感じがするが、咲き始めの花が黄緑色なこと、成長した葉が円みを帯びていることからこれがトウゴクサバノオに違いないと思い込んでしまう。


    シロバナノヘビイチゴと思ったが・・・


    葉っぱが全く違う。


    この円みを帯びた葉っぱ


    咲き始めの黄緑色の花


    これはトウゴクサバノオだと思い込んでいたが・・・

 翌日相棒のうーさんに電話して見に行ってもらった。電話連絡があってあれはトウゴクサバノオでは無くてサンリンソウではないかと言われた。八ヶ岳や北岳や瑞牆山で見かけたサンリンソウはこんなに背が低くなくてもう少し葉が尖っていたような印象を持っていたが、ネットで検索して花と葉を良く見直してみると確かにこれはサンリンソウである。今度こそと思ったがまたしても空振りのトウゴクサバノオになってしまった。

 しかし、この沢には驚くほどにたくさんの秩父のシロカネソウが咲いており、これを見られただけでも大収穫であった。


    沢沿いに咲いていた秩父のシロカネソウ


    その先に次々と姿を現す。


    こんなに咲いているのは初めて見た。


    沢の流れをバックに咲く


    気品漂う白い花


    マクロ接写


    存分に楽しませていただいた。

 予定ではもっと上流の源頭あたりまで詰めるはずだったのだが、途中までで十分に満足して帰ることにした。秩父のシロカネソウは今年は当たり年らしくたくさん楽しむことが出来たが、トウゴクサバノオでは無かったことにはちょっとショックを覚えた。うーさんに指摘されなければそのままトウゴクサバノオだと信じていたことだろう。また別の場所を探してみよう。
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沢を登って黒富士へ 尾根道編  平成30年4月28日

2018年05月01日 | 番外編
 マウントピア黒平から荒川支脈の沢を登って八丁平まで登り着いた。感じの良い沢でコガネネコノメ、ツルネコノメ、ハナネコノメの3種類のネコノメソウがたくさん咲いていた。八丁平で小休止した後に黒富士の山頂を目指す。この界隈はスミレがたくさん咲き、特にエイザンスミレは斜面いっぱいに足の踏み場が無いほどに咲いた年もあった。さて、今年はどんな様子だろうか?


    八丁平。ここから黒富士までは20分ほどで到着できる。


    黒富士山頂。天候は良好で気温が上がり、大量の汗をかいて到着。


    展望台から見る富士山


    南アルプスと手前の右端が茅ヶ岳


    曲岳と八ヶ岳


    左側の撥岩と瑞牆山・金峰山

 黒富士で昼食をとって大休憩する。黒富士の岩場の周辺には数年前にヒメスミレサイシンが10株以上固まって咲いていたのを目撃しており、今回も期待していたのだがあまり数は無く、葉だけ出している株が多かった。全体的な数も減少しているようで、今回開花しているのを確認したのは5株くらいと寂しかった。


    ヒメスミレサイシン


    花が咲く頃は葉が巻いているのが特徴。


    フォッサマグナに沿って咲く貴重なスミレである。

 エイザンスミレの群落がある場所は鬼頬山に至る途中の斜面で、一旦ルートを戻って回り込むようにしてそちらに向かうことになる。黒富士の途中の尾根から見ると真直ぐ正面に鬼頬山が見えるので短絡出来るのではないかとその尾根を真直ぐに鬼頬山に向かって進んでみるが、これが大失敗で、その先は沢に深く落ち込んでおり結局は2本の沢を渡ってようやく正規のルートに抜け出ることとなってしまい、時間的にも体力的にもロスしてしまう。しかし、横切った沢の中はこれまたたくさんのネコノメソウに出会うことが出来た。


    バリアンス尾根の斜面に咲いていたヒナスミレ


    ヒナスミレ


    エイザンスミレ、白とピンク。向こうに見えるのはタチツボスミレ。


    元気なアケボノスミレ


    ミツバツツジの咲く尾根を向こうに見える鬼頬山に向かって進む。しかしその先は谷に落ち込んでいた。


    急斜面を沢に下りる。


    沢沿いに咲いていたツルネコノメソウ。


    沢の脇の斜面はコガネネコノメソウの天国。


    沢を2本横切って尾根の正規ルートに出た。ここはミツバツツジが満開。向こうに見えるのは茅ヶ岳と金ヶ岳。

 尾根の正規ルートに抜け出てもう目の前に鬼頬山が迫っていたが、エイザンスミレの咲く斜面は反対の方角だったので山頂を踏まずに反対方向に進む。期待していたエイザンスミレだったが、斜面が乾燥していて以前のような大群落は見られなくなっており、代わりにニリンソウの葉が斜面を占めるようになていた。これも自然の推移なのか、残念な気がする。


    ワチガイソウ


    エイザンスミレ。


    この場所には赤紫色鮮やかなエイザンスミレが群落を成していたがずいぶん減ってしまった。


    足の踏み場が無いほどのエイザンスミレ群落は見られず、代わりにニリンソウの葉が多くなっていた。


    マルバスミレ


    アケボノスミレがたくさん。こちらは数が増えているように見える。


    一株だけヒゴスミレ。


    同じように白いスミレだが、こちらはエイザンスミレ。

 尾根の正規ルートを辿って八丁平に戻り休憩する。時刻は午後3時半を過ぎた。これから升形山を越えて黒富士峠に至り、マウントピア黒平まで下山である。結構長いルートだ。


    升形山から見る黒富士と富士山


    真ん中の谷がこれから下山するホオズキ平のルート、右側が登って来た谷である。


    黒富士峠から見る八ヶ岳。ここにあった立派なミツバツツジは枯れてしまったようだ。


    鹿の広場に下りる。赤テープが付いているがもともと明瞭な道は無く、適当に下りる。今年は笹が枯れていて歩き易い。


    鹿の広場を振り返る。カラマツの新緑の頃にはすがすがしい森になる。


    鹿の広場の下部から沢沿いにかけてはやはりコガネネコノメソウの天国だった。

 急ぐことなくゆっくり歩いて花を探しながら下山してきたが、もっとも花がありそうだと睨んでいたホオズキ平上部の沢の源頭付近も残念ながら探しものは無かった。探していたのはトウゴクサバノオ、山梨県では絶滅危惧種ⅠB類だがまだ見たことが無い。うまくすればコミヤマスミレにも出会えるのではないかと目論んでいたがこちらも見当たらなかった。明日は別の山域を探しに行ってみようと思っている。午後6時に駐車場到着、写真を撮っている時間が長いのでコースタイムは全く参考にならないが、本日は9時間半の沢と山歩きになった。
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沢を登って黒富士へ 沢登り編  平成30年4月28日

2018年05月01日 | 花・花・花
 山梨県レッドデータブックの2018年度版が発刊され、何年か探しているある花がこの界隈の山域にもあるらしい。メッシュ地図の範囲はかなり広いのでどのあたりなのかは全く見当が付かないが、あまり人が歩かないこのあたりならば出会える可能性が高いかと予想して、マウントピア黒平から八丁平に延びている荒川の支脈の沢を登ってみることにした。傾斜から見て遡上できないような大きな滝は無さそうだがもし登れなければそこで撤退することにする。稜線まで抜け出られれば帰りは登山道を下山して来れば良い。

 朝8時登り口のマウントピア黒平に到着。駐車場に車は無く、このルートを登る人は誰も居ないようだ。先日訪れた時は橋の下にコガネネコノメソウがたくさん咲いていたが、その場所はもう花が終わっていた。8時半に出発する。


    マウントピア黒平の桜はもう散っていた。


    前回は沢の中を進んだが、今回は登山道を普通に歩く。


    ニリンソウが咲き出していた。


    コガネネコノメソウは盛期は過ぎたものの、まだまだたくさん咲いている。


    ニッコウネコノメソウは黒紫色の葯がもう落ちていて終盤である。


    登山道の中をニリンソウが埋め尽くしている。これでも数年前に比べるとだいぶ少ない。


    マルバコンロンソウ


    小型のカントウマムシグサ(だと思う)。


    ホウズキ平に到着。

 1時間少々でホウズキ平に到着する。真っ直ぐに行けば鹿の広場を経て黒富士峠に至る登山道だが、ここから左に夕もや尾根というマイナーな登山道が分かれている。尾根道と書かれた看板があってテープが付いているが実際にはどこが取りつき口なのか良く分からない登山道である。今回行くのはその左側にある沢である。炭焼き場の残骸がいくつかあり、なんとなく道っぽいものが付いている場所もあるが基本的には沢登りである。


    清涼な沢を登る。


    咲き終えたハナネコノメがあった。


    ここはかなり花を咲かせたようだ。 


    ミツバコンロンソウ


    ハシリドコロがたくさん。他の山と同様に鹿の食害が酷いのだろう。


    左側から細い滝が合流する。


    コガネネコノメソウと滝


    赤紫色鮮やかなヤマエンゴサク


    沢沿いに咲いたヤマエンゴサク


    一旦伏流となった沢の水が再び現われ、谷が険しくなってきた。


    苔が生した沢を進む。


    沢の壁に咲くハナネコノメソウ


    ツルネコノメソウ


    2つの小滝が連続する。ここは濡れないと登れないので右の斜面を巻いて越える。


    沢に戻る。コガネネコノメソウとツルネコノメソウ。


    沢沿いの土手にもこの2種類のネコノメソウがたくさん。


    水が細くなり上が見えてきた。


    八丁平に到着。

 さほど厳しい沢では無かったが、慣れない沢登りと花を探しながら写真を大量に撮りながら遡上したため、2時間半の時間を要した。雰囲気の良い綺麗な沢だったが残念ながら探しものは見つからなかった。時刻は12時20分になった。小休止して尾根道を黒富士に向かう。ここからはスミレ散策に変わる。(尾根道編に続く)
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