山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

春の積翠寺裏山バリアンスルート散策 棚山と要害山  平成27年3月15日

2015年03月17日 | 山梨無名山
 春の恒例になっている自宅周辺の低山散策だが、昨日の天狗岳の疲れを考えて軽く棚山まで往復(標高差にして600mほど)してくるはずだった。しかし、要害山の脇を通る武田の杜遊歩道を歩いていると、道標の脇にトラロープが張られているのが目に付いた。その先の道はえぐれた沢の中に消えているが、反対側の杉の植林帯が登れそうに見える。GPSを持ってしまうと、ルートの無い山も登れそうな気になってしまうのが少し怖いのだが、その斜面を登ったピークは要害山の裏側に聳え立つ三角錐を描いた格好良い山で、いつか登ってみたいと以前から思っていた山だった。思ったほど足の疲れは無く、むしろいつもより軽く感じる。では、GPS頼りに登ってみることにしよう。ピークを越えた向こう側に太良峠から棚山に至る正規ルートがあるはずだ。


    洞集落に至る県道脇のスペースに車を止め、武田の杜遊歩道を要害山に向かって歩き始める。この時は正規の道を歩くはずだったが・・・


    以前に比べると格段にルート整備が進んだ武田の杜遊歩道。


    道標で右に曲がれば正規のルートだが、その裏にトラロープがあるのを発見。その先の枯れた沢で道は消えているが、対岸を登れそう。


    杉の樹林帯。これならば行ける、と、ここで予定変更。GPS頼りにバリアンスルートを登ることに。


    杉樹林帯上部の谷。登り易そうな左手の尾根に取り付く。


    ところどころテープがあるが、これはルートを示すものでは無くて林業作業用の目印。


    岩に突き当たる。左を巻き、その上の岩は右に巻いて越えた。


    林業作業の痕跡、ワイヤーが付いている。


    大きなテーブル状の岩のある尾根に到着。眺望が開けて反対側の谷と山並が見えるようになる。

 足が吊りそうになる急斜面を1時間少々登り、尾根に出た。そこは眺望の良い岩があり、深く切れ込んだ谷の向こうに山並が見えるのだが、見慣れない角度からの眺望なのでどこの山が見えているのかさっぱりわからない。GPSと地図をにらめっこして、ようやくどこの山が見えているのかわかってきた。正面に大きく見えているのは山名の記憶が正しければ鹿窓、その右に見えているのは東山で間違いなさそうだ。左手に見えているのが、おそらくは要害山の裏側にある三角錐ピーク(山名は知らない)、それを越えて向こう側に正規ルートがある。


    向こうに見える山は何??地元なのに角度が変わると全くわからない。GPSと地図を良く見合わせて、左側が岩堂峠南西側のピーク(確か鹿窓)、右は東山。


    その先に見えるのがいつも見上げている要害山の裏側にある三角錐ピークだろう。


    岩場の下には足がすくむような深い谷が広がる。


    三角錐ピークに向かってまた登る。何となく道?っぽい。


    ピークと思われる場所に着いたが、三角点も看板も何も無かった。裏側の尾根は意外と平らなことがわかる。


    向こうに見える小さな三角錐が本日目指す棚山。


    尾根を進んで行くと太良峠からの正規ルートに出た。ここは岩堂峠方面への分岐点。


    棚山方向に進むと、「神峰(かんぽう)」という小ピークを通過する。ここからは兜山に至る尾根が派生している。


    見えて来た棚山。すぐそこに見えるが、ここから一旦下って登り返しになる。


    棚山の登り。トラロープが張られたやや急な斜面。


    やっと棚山山頂に到着。

 9時45分に武田の杜遊歩道に入り、棚山に到着したのは午後1時、軽い散策のつもりだったが、山頂まで3時間少々かかった。この棚山はあまり有名な山では無いが、眼下に山梨市、笛吹市の町を見下ろし、その向こうに大菩薩・小金沢連峰を望む好展望地である。富士山の眺望もなかなか良い。昨年初めて登ったが、隠れお気に入りの山のひとつになっている。


    西側の山頂看板。


    東側は山梨・塩山の町並の向こうに大菩薩・小金沢連峰が聳える好展望。


    富士山の眺望もなかなか良い。


    ここから見ると、鹿窓と東山は容易に同定できる。要害山は尾根の陰に隠れて見えない。

 眺望を楽しみつつゆっくり昼食をとって下山する。帰りは正規のまともな道を下りるはずだったのだが、途中で分岐する細い道が気になり、またしても・・・バリアンスルートに入り込むことに。


    先ほどの分岐点を深草観音・兜山に向かって下る。


    こちらは沢筋を下るきわめてまともなルート。


    やがて林道のような広い道に出た。そのままこの道を進めば、岩洞峠に到着するはずだったが・・・


    赤テープと細い道を発見。GPSで位置を見ると、ここには古い道があったらしい。

 岩堂峠に至る広い道の途中で右側に分かれる細い道と赤テープが目に留まった。GPSで位置を確認すると、そこにはかつて道があったようだが、歩かれている様子は全く無い。そちらに進んでみると、すぐに道は崩落していてどちらに行けば良いかわからない。崩落個所を1段上に昇って見ると明瞭な道があったのでそれを進む。しかし、その道もやがて細くなって、さらに進むと完全に道は消失してしまう。GPSで再度位置を確認すると、途中でルートを間違えたようだ。戻って道を探すと、なんとなくそれらしきものがある。いや、それしか無いと言ったほうが良いかもしれない。沢筋に向かって下って行くと、ところどころテープがあるが、道は荒れていてほとんど歩かれた様子も無い。歩き易そうな場所を選んで沢筋に沿って下ると、ようやくまともな道に出た。


    ここはまともな道があったようだ。


    しかし、道なりに進んだつもりだったが、途中で道は消失。崩落したのでは無さそうだ。戻ってGPS頼りにルートを探す。


    これが道か?しかし、GPSのルートはここを指している。


    テープ発見。なんとなく道っぽいがかなり荒れている。


    プチ氷爆、ではなくてただのつらら。


    鬼の角のような大きな岩が見える。


    やがて沢の源流に出た。そして間もなく・・・


    橋のかかる正規ルート、これは深草観音から要害山に至る武田の杜遊歩道の一部。看板には要害山と書かれている。

 出たところは武田の杜遊歩道の一部、深草観音から要害山に至るルートの途中だった。ここは以前から棚山に行けるのではないかと目を着けていた場所だった。GPSがあったから下りて来られたが、地図とコンパスだけでは難しかっただろう。便利な道具が出来てバリアンスルート歩きは楽になったが、反面地図読みをしなくなって頭を使わなくなってしまった。

 要害山の方向に向かえば元の場所に戻れるので、そちらに向かってまた登りになる。要害山は立ち寄る必要も無かったのだが、分岐から10分か15分で行けるので折角だから立ち寄ってみることにした。この山からも見えると聞いてはいたが、確かに富士山が見える。


    要害山の分岐。もうすぐ時間は午後4時。ちょっと立ち寄ることにする。


    武田氏の城があった要害山。


    武田信玄公生誕の地の石碑が立つ。


    初めて見る要害山からの富士山。遠い昔に武田信玄もこの景色を見ていたのかと思うと感慨深い。


    本日登った要害山裏に聳える三角錐ピーク。


    朝登り始めたバリアンスルート分岐。これで1周。


 軽く足馴らしのつもりで出発したのだが、予定外のバリバリルート歩きとなったこの日の裏山散策、7時間かかって1周した。前日の天狗岳以上にハードな山行になってしまった。裏山の低山だからといって侮れない山の面白さが、バリアンスルート歩きにはある。しかし、GPSが無ければどうなっていたことか、登ることは出来ただろうが、下りで間違った場所に迷い込み、下山できないということになっていたかも知れない。深草観音周辺の谷は崖が多いので、見下ろす谷と山肌を見ながらナメては取りかかれない山域だと感じた。




    本日歩いた(と思われる)ルート。 GPS不調で途中からログ(軌道)記録が出来なくなってしまい、ルートは正確ではありません。

コメント (15)
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