山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

静岡県境周辺のシダ探索 令和4年1月30日

2022年02月02日 | シダの仲間
 本栖湖展望台で富士山頂に昇る細月を眺めた後は南部町に移動する。中之倉トンネルを通って下部温泉・身延に抜けるのが一番早いが、そのルートは現在崩落により通行止めになっている。そこで白糸の滝の脇を抜けて桜峠をこえ、稲子から南部町に抜けるルートを使うが、稲子まで抜けたところで気が変わり、稲子川を上流に向かって走り石神峠から上佐野・天子湖に抜け出るルートを走ってみることにする。石神峠から先が抜けられるのかどうかか心配だったが、途中で狩猟をやっている猟師さんたちに出会い、ルート状況を聞いてみると砂利道だが抜けられるということだった。稲子川上流の細い林道を走っていると大きなシダがたくさん茂っているのが目に付いた。林道脇の広くなった場所に車を止めて散策してみる。


    稲子川上流部。さほどの急流では無い。


    丸野滝。ここは凍っていない。


    圧倒的に多いのがこの大型のシダ、リョウメンシダ。


    そしてもうひとつ目を引いたのがこのシダ。


    オオバノハチジョウシダ


    羽片頂部の裂片は長さが様々だが、おおむね裂片の長さと同じくらいかやや長い程度である。


    最下羽片の下向き第一小羽片はオオバノアマクサシダのように左右の長さが違うものが多かった。


    ソーラスは裂片の辺縁に巻き込まれるように付着する。


    それにしてもたくさん茂っている。山梨県でこんなにたくさん生育している場所はお目にかかっていない。

 さらに林道を進みながら、車を林道傍らに止めつつ林道脇に茂るシダを見て回る。


    ハカタシダか?と思ったが、左側に光沢のある栄養葉があり胞子葉が分かれて出ている。


    ソーラスを見ると中軸と辺縁の中間あたりに付着している。これは頂羽片が細いオニカナワラビであろう。


    1株だけメヤブソテツが生えていた。


    羽片上部に突起があり、葉の辺縁には細かい棘状の鋸歯がある。


    別のヤブソテツの仲間があった。


    緑色が濃く、光沢が強いホソバヤブソテツ。


    石神峠に到着。これを越えると山梨県である。

 石神峠の静岡県側は林道脇の岩壁の湿り気が強く、ヤブソテツの仲間を主にたくさんのシダが茂っていた。期待して山梨県側の林道を走ってみると、こちら側は打って変わって林道脇の壁は乾燥していてイノデとヤブソテツの他は目ぼしいシダが見当たらない。佐野川を渡って南部町の神社に行くはずだったが、ちょっと気が変わって佐野川の上流側の様子を見に行ってみることにする。


    天子湖より上流部の佐野川。川幅が広く、このあたりはゆったりとしている。


    林道脇の水の流れる場所に生えていたヤブソテツの仲間。


    ここにもメヤブソテツが生えていた。


    博多織模様が鮮やかなハカタシダ。この一角には博多織模様がくっきりとしたものが多かった。


    これはオニカナワラビだろう。上にあるのが栄養葉、下が胞子葉である。


    コモチシダ。少し群生していた。


    無性芽が少しだけ付いていた。


    探していたのはオオバノハチジョウシダだったが、これはオオバノアマクサシダだと思う。


    羽片の先端部裂片が著しく長く、上下の裂片の長さが違う。これはどうみてもオオバノアマクサシダ、だろう。


    ところが、同じ根元から出ているもう一つの葉は羽片先端部の裂片が短く形は先ほどの稲子川上流で見てきたオオバノハチジョウシダそっくりだ。

 見れば見るほどに分からなくなるオオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダの区分けだが、このように同じ根元から両方のシダが出ているような個体を他の場所でも見ており、これははっきりとこの2種類のシダを区分するのは難しい(分けられない)のではないかとも思えてくる。


    林道を源頭近くまで登って来た。ぐるりと回れるかと思ったが別の支脈の林道に入ったようで、ここまでで撤退。

 シダはまだまだ勉強不足で分からないことばかりである。もっと見歩いてみたいと思っている。佐野川上流部も時間が許せば是非とも探索に歩いてみたい。

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