山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

分かりずらいシダ コバノヒノキシダとイワトラノオ

2019年09月24日 | シダの仲間
 イワトラノオだと思ってブログに掲載していたシダが実は別のものが含まれていることが分かってきた。渓谷の岩壁に着生しているシダと道路脇の石垣に着生している似たようなシダ、ソーラスの配列が同じように見えたので同じものだと思っていたのだが、ネットの記事を見ていたら家の周りの石垣に普通に生えているシダとしてコバノヒノキシダというシダが掲載されていた。そして図鑑を見直してさらにネット記事と自分の写真を良く照らし合わせてみると・・・渓谷で見たものはイワトラノオで間違い無さそうだが、道路脇の石垣や積翠寺の周辺で見てきたものはコバノヒノキシダであろうということが分かってきた。


    石空渓谷で初めて見たこのシダ。


    あまり大型ではないが10~15くらいの大きさ


    ソーラス配列は羽片の裏側に2~3個付く。これはイワトラノオで間違い無さそうである。


    葉の先は丸っこい。注目してほしいのは中軸(全体の真ん中を通っている軸)の中央がやや窪んでいるところ。


    こちらは甘利山の林道脇石垣にゴッソリと着生していたシダ。


    形は大きいもので25~30㎝くらい。


    ソーラス配列は石空川で見たものと同じように見えたのでこれもイワトラノオだろうと思っていたのだが、良く見れば葉の先がギザギザしている。


    中軸の形を見ると中央に稜のような盛り上がりがある。この葉軸中央の盛り上がりがこのシダの特徴らしい。これはコバノヒノキシダである。

 コバノヒノキシダの幼弱なものを見た時に葉の先端部のギザギザが無いように見え、石空川で見たものも成長すると同じような形になるのだろうと思っていたのがそもそもの間違いだったようである。そんな目で改めてあちらこちらで見てきたこのシダの類を見直してみる。


    これは板敷渓谷で見てきたもの。小型で10㎝ほど。


    中軸を見てみると窪んでいる。葉の先端は丸い。これはイワトラノオ。


    積翠寺の畑の生垣に生えていたシダ


    葉先はギザギザしており中軸中央に盛り上がりがある。コバノヒノキシダ。


    昇仙峡の道路脇石垣に着生していたシダ


    画像が荒いが葉先がギザギザで中軸は盛り上がっているように見える。これもコバノヒノキシダ。


    金ヶ岳中腹の岩場に付いていたシダ。かなり小型で3~10cmくらいの大きさ。


    葉先は丸く中軸は窪んでいる。このシダは華奢で小型のことからヒメイワトラノオではないかと思っているがもう少し別の場所でいろいろ見てきてから判別したいと思う。

 図鑑とにらめっこしただけでほとんど知識の無いシダ植物を判別するのはほとんど困難である。いちばんの問題は形よりもそのシダの生育環境と出現頻度を知らないことだろう。絶滅危惧種のシダはそれなりに特徴的な形をしているものが多いので判別し易いと思うのだが、ホラシノブの仲間、ワラビの類い、そしてこの同じような形をしたチャセンシダの仲間は図鑑だけで判別するのは難しい。シダ植物のネット記事は少ないが、現地で見てきたレポートの類は大いに参考にさせてもらっている。
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