久しぶりに南部町万沢のシダを見に行ってみる。確実なミドリカナワラビがまだ見つかっておらず、過去にミドリカナワラビだと思って観察してきたシダの多くはオニカナワラビではないかと思えてきた。どちらかはっきりと区別できないものがあって、今回はそれを確認に行こうと思ったのだが・・・。荒れた林道を車で進んで行くと倒木があってそこから先には進めなかった。車を回すだけのスペースが無く、長い距離をバックして戻ったためにかなりの時間と労力を費やしてしまった。やっと抜け出て来たのは午後3時を過ぎていた。4時半には暗くなってしまうので散策できるのはあと1時間くらいである。舗装された林道脇に車を止めて急ぎ足でシダ探索に出かける。
相変わらず元気に生えているクリハラン
用水路脇に群生しているクリハラン
別の用水路にはメヤブソテツが生えている。
ヤブソテツの仲間ではひときわ格好良くて美しいメヤブソテツ
葉に突起があることと辺縁に細かい棘状の突起がある。
渓谷沿いに生えていたメヤブソテツ
これはイワガネソウであろう。
葉脈は網目をつくる。葉脈の端は辺縁までは届かない。
これはキジノオシダであろう。
頂羽片がはっきりとしている。
良く似たタカサゴキジノオは頂羽片がはっきりしないのだが、いまひとつ確信は持てない。
長い胞子穂を伸ばしている。
長い葉柄を持っているシダ
ミヤマイタチシダに良く似ているがこれはナガバノイタチシダであろう。
これはオニカナワラビであろう。右側の黄緑色鮮やかな葉が栄養葉、左上の深緑色の葉が胞子葉である。
オニカナワラビの胞子葉。裏側のソーラスの形が透けて見える。
このあたりにたくさん生えているのはヤブミョウガだと思っていたのだが・・・
赤い実が付いているものを発見。ヤブミョウガの種は青紫色で花穂が長いがこちらは花穂が短い。これはハナミョウガであろう
短時間ではあったが何度も訪れている場所だったので効率良く観察することが出来た。風が強く撮影には少し苦労した。同じ日に同じ場所を花仲間たちが巡っていたのを後に知って驚いた。考えていることは同じようである。