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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士北麓の森の植物探索  令和2年7月16日

2020年07月17日 | 山に咲く花
 雲が多いが珍しく青空が見える空模様となった。午後から少し雨が降る予報ではあるが、こんな日を逃すと次はいつ花を見に行けるか分からない。またまた午後に年休をとって富士北麓の森に向かう。その前に、新たに見つかった2種類の植物の報告書を県庁のみどり自然課に提出して行くが、昼休みの時間にアポなしで訪れたため担当者がおらず、書面だけ渡していただくようにお願いしてきた。おそらく山梨県植物研究会のほうから既に情報は行っているはずである。

 さて、今回向かうのはフガクスズムシソウが生育する富士北麓の森であるが、目的はフガクスズムシソウだけでなく、その森では過去に1度しか見ていないスギランというシダである。初めてそのシダを見た時はまだシダ植物に興味を持っていなかった頃で、そのシダの価値が分からなかった。木の上に生育する着生シダであるが、実は個体数がきわめて少なくなかなか見ることが出来ない代物なのである。林道を登って行くと・・・工事中らしく旗を持っている係員の方に止められた。残念なことにその先で工事を行っていて数日間は通行止めになるそうだ。歩いて行くならば大丈夫とは言われたがまだだいぶ距離があって午後の時間から歩くには時間が足りない。あきらめて訪れたのが別の北麓の森である。ハッキリ言ってあまり期待はしていなかったのだが・・・途中で会った植物に詳しい方から、この森では何年も出会っていない菌従属栄養植物の情報をいただき、俄然元気が出てきた。


    苔が剥げ落ちて危険な状態にあるツリシュスラン、やはり今年は咲いていない。


    ツリシュスランの生育する部分を残して両側の苔が脱落してしまっている。ピンチ!


    ひょっとして咲いているかと思って立ち寄ってみると、しっかりと咲いていた。


    アリドオシラン


    周辺の苔が無くなってしまい個体数が減ってしまったように見える。


    マクロ1


    マクロ2


    情報をいただいて見てきたのがこの植物。今まで出会った中では最大の株。


    キバナノショウキラン。キノコのように見えるがラン科の植物。左下を見ると既に折れて上部が無くなった株が2本ある。これは食害か?


    ランのようには見えないが・・・


    開いている花を見ると確かにランの形をしている。


    ウサギシダ。下に穴が見えるこの位置で新鮮な個体を撮りたかったが、既に葉は痛んでいた。


    葉が柔らかくて茎が細く、華奢な作りをしている。ソーラスはまだはっきりしていなかった。

 この森では数年前に小さな個体を1株見たほかは探しても見つからなかったキバナノショウキラン、しかも大きな株に出会えたことは嬉しかった。もう消滅してしまったと思っていただけに残っていて良かったが、やはり個体数は少なく今後が心配である。

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ほころび始めたオオヤマサギソウ 芦川スズランの森  令和2年7月15日

2020年07月17日 | 山に咲く花
 ネオワイズ彗星(C/2020 F3)が7月に入ってから1等級まで明るくなっているらしいのだが、なにせ天候が悪く全く見える気配が無い。既に光度を下げてきており現在2等級くらいの明るさに減光してしまっている。夕方は少しだけ星空が見えていたので、ひょっとしたら未明3時半ごろの北東の空で見えるのではないかと少し早めに寝て2時半に目を覚ました。しかし空は雲におおわれて星は見えず。さらに3時半、4時半と起きて空を見るが星は全く見えない。もはや眠れないので5時に置き出して御坂のスズランの森にあるオオヤマサギソウを出勤前に見てくることにする。少し咲き出しているかも知れない。


    保護柵の外にあるオオヤマサギソウ。食害に遭わずに順調に育っている。


    これも元気な柵の外の株。


    少し立ち枯れ気味の株。下のほうは花が咲き出していた。


    咲き始めたオオヤマサギソウの花


    これも柵の外で別の場所。もうすぐ咲きそうだ。


    別株。目立つので食害に遭わないことを祈るばかりである。


    そしてこれが柵の中の株。至って元気である。


    少しほころびかけている。


    ほころびかけたオオヤマサギソウの花


    あと1週間もすれば咲きそうである。

 おそらく7月後半の4連休頃には見ごろを迎えているだろう。昨年は立ち枯れして綺麗な花を見られなかっただけに今年は咲くのが楽しみである。今年は特別に株数が多いようだ。

 そして、7月18日、御坂山系の山に登った帰り道で懲りずにまたまた立ち寄ってみると・・・


    また少し開花が進んだオオヤマサギソウ


    まだ下のほうが少し咲いたばかり。


    こちらの株はだいぶ開花が進んでいる。


    薄緑色のクリオネが舞う花


    そしてこれが満開を迎えていた花


    素晴らしい!

 既に満開となっている株もあるが、やはり見頃は来週だろう。立ち枯れしてしまっている株もいくつか見られており、残念である。

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八ヶ岳花探索 2日目  令和2年7月12日

2020年07月17日 | 高山に咲く花
 昨日の悪天候は回復してこの日は少しばかり青空が広がった。そして久しぶりに富士山が姿を現してくれた。本日もそれなりのメンバーを取り揃えて、前日とは違う八ヶ岳の尾根を花探索に出かける。


    遊歩道脇に生えていたミヤマタムラソウ、別名ケナツノタムラソウ。


    ダイコンソウ。今までにも見ているはずだが名前を知ったのは初めてである。


    草むらの中に生えていたツレサギソウ属。


    やや黄色がかった花と緩く湾曲する距、おそらくホソバキソチドリと思われる。


    樹林帯の中に咲いていたキソチドリ


    コバノイチヤクソウ


    これは初見の花、エゾノヨツバムグラ。


    うっすらとピンク色をしていた。おそらく山梨ではレアもの。


    岩場に生えていたビランジ。これも山梨ではあまり見かけない。


    ハコネグミ?だったか?星状毛があるとか無いとか説明された気がするが・・・忘れた。樹木関係は全くダメ。(➡ニッコウナツグミ、別名ツクバグミでした)


    久しぶりに見る山上からの富士山

 植物に詳しい方が同行してくれたので、かなり効率良く花を見ることが出来た。小ピークまで行って昼食をとり下山する。


    ミヤマワラビ。少し高い山に行くと普通に生えている。


    こちらが今回見たかったニッコウシダ。流線型をしている。


    鱗片は薄め。


    湿地の横に群生していた。


    ソーラスはまだ薄くてはっきりしていない。


    ミズチドリが1本


    タカトウダイ。


    さほど珍しく無いはずだが、写真を撮るのはおそらく初めてである。

 前日とは打って変わって穏やかな天候で、メンバーにも恵まれて存分に花観察を楽しんだ1日となった。


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