山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

剣ヶ峰に昇る月、毛無山  平成21年4月9日

2009年04月13日 | 御坂・毛無・天子山系
 剣ヶ峰に昇る月、毛無山  平成21年4月9日 天候晴れ

 長女の大学進学のため、ここのところ寮の見学、引越し、入学祝い会、そして入学式と、毎週のように週末になると埼玉・東京あたりを往復する生活が続いていた。ようやく一段落して山に行けるようにはなったものの、しばらく歩いていなかったために随分体が重くなった気がする。ちょっとトレーニングに、というには厳しい毛無山だが、ちょうど富士山頂に昇って来る月が見られる日だったので、午後から登ってみることにした。

    不動の滝(毛無山2合目あたりに展望台がある)


    毛無山富士山展望台から見る富士山

 毛無山は標高差約1,000mのきつい登りが延々と続く山だ。過去3度登っているが、そのうち2回は足が攣り、1回は雪と重いテント等の荷物でコースタイムの1.5倍もかかったという、まともに登れたことがない山だ。登山道入り口には山頂まで160分と書かれているのだが、とてもそんな時間では私には登れない。3時間で到着できれば良いほうだろうと思いつつ、午後2時から登り始める。下山は夜になるので、念のためビバークできるようにツエルトとビバークシート2枚をザックに入れて行く。何度登ってもきつい登りだ。岩と土のミックスした急登が延々と続く。途中下山してくる方4人とすれ違い、月を撮影して夜中に下りてくることを告げると、一様に危ないですよと言われた。ごもっとも。夜道で石や木の根につまずいて転倒したら、ただでは済まないだろう。それも覚悟のうえの登山、かつ、十四夜の明るい月が夜道を照らしてくれることも計算に入っている。苦節3時間少々、5時7分に毛無山山頂に到着した。

    毛無山山頂(標柱点と勝手に呼んでいる) 夕陽が陰る寸前に到着.


    毛無山最高点,大見岳  三角点を探しているうちに到着してしまった.

 場所は三角点寄りのほうが富士山の真ん中あたりに月が昇って来るはずなので、昨年冬にダイヤモンド富士撮影にテントを張った三角点方向に進んで行く。まだ毛無山三角点の標柱を触ったことがないので、その標柱を探して尾根を進んでゆくと・・・いちばん高そうなところの樹林の中に看板が立っていた。見ると・・・「天子山系最高点大見岳」の看板だった。では三角点はどこなのだろう?見つからないまま、撮影に良さそうな標柱点の近くまで戻って三脚を構える。時間は5時43分、山影が朝霧高原に伸び始めていた。日没は6時10分ごろ、月が富士山頂に出るのは、計算上それから16分後くらいだ。まだ30分以上時間がある。標高2,000m弱の山の上は夕暮れになるとさすがに寒い。セーターとダウンジャケットを着込んで日暮れを待つ。

    春霞に浮かぶ夕暮れ富士


    月覗く

 薄い春霞のかかった富士山をピンク色に染めて日が暮れた。それから待つこと20分、6時32分、金色に輝く月が富士山頂やや右寄りから昇り始めた。真ん丸のきれいな月だ。今回は猪之頭の時に比べて月の出る時間が遅かったため、月面の紋様と富士山を写しこむことはできず、月の紋様は消えてしまった。しかし、富士山の立ち上がる傾斜は下界で見るより山の上から見るほうが格段に鋭く、格好が良い。

    剣ヶ峰に昇る月


    富士山展望台からの夜景


    月光の不動滝

 富士山から月が離れたところでカメラと三脚をしまい、さて、問題の下山だ。予想通り、明るい月が足元を照らしてくれて、先のほうまで見通しが効く。しかし、用心にこしたことはない。つかまれる木や岩にはできるだけつかまりながら、危険箇所は確実に三点確保しながら慎重に下りる。一度スリップして軽く尻餅をついただけで、無事に下山。途中の富士山展望台と不動の滝展望台で夜間撮影も楽しんだ。7時下山開始し、駐車場到着は10時(撮影時間を除くと実質2時間半)だった。月も良かったが、手ごわい毛無山を夜間に下山してきたという満足感も少しあった。翌日は・・・当然のごとく筋肉痛。
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月とさそり座、夜の節刀ヶ岳  平成21年3月21日

2009年04月13日 | 御坂・毛無・天子山系
月とさそり座、夜の節刀ヶ岳  平成21年3月21日 天候晴れ

 御坂山塊の深部に位置する節刀ヶ岳は、登り約3時間かかる。以前紹介した最短コースを行けば1時間半くらいで行けるのだが、現在堰堤工事中のため、入り口付近のルートがわかりにくくなっており、夜間に登るには不安がある。今回は最もルートが明瞭な大石からのコースを選んだ。登りはじめたのは・・・夜の12時。狙うは富士山頂あたりに昇るさそり座と、その尻尾あたりに昇って来る三日月だ。

    大石峠から見る夜富士  さそり座は頭を持ち上げ,もう尻尾の近くまで姿を現している.

 林道とまでは行かないが、大石峠までは広くて明瞭な道なので迷うことはない。ヘッドライトを点けて黙々と登り、1時半に大石峠到着。もうさそり座が南東の低空から頭を持ち上げ、尻尾の近くまで見え始めている。

    節刀ヶ岳の富士とさそり座  さそり座が富士山にもたれかかるように傾く.


    予想以上に明るかった月.天の川の輝きは消えてしまった.

 ここで左に曲がって樹林帯の中の尾根道に入る。雪を心配していたが、今年は雪が少なく、若干のアイスバーンが残っているのみだった。何度か歩いている道なので、全く迷うことなく節刀ヶ岳に到着、時間は午前3時。撮影には山頂よりも1段下がった場所のほうが下部の雑木が入らないので、そちらに移動して三脚とカメラをセットする。さそり座はちょうど富士山の山頂に傾いたところで、三日月も昇り始めたところだった。ほぼ予定通りに到着、空気も比較的良く澄んでいる。月とさそり座、富士山の位置も狙い通りの良い位置にある。しかし、予想以上に三日月が明るかった。さそり座はなんとか撮影できるものの、尻尾のあたりから延びる天の川はほとんど写ってくれない。さそりと月のこの位置関係で撮影するならば、もう1ヶ月早い2月がベストということになるのだろう。しかし、2月の節刀ヶ岳は結構な雪があり、今回のように簡単に到着できるものではない。やはりテント泊りか・・・。来年に持ち越し。

    月とさそり座と富士  15mm diagonal fisheyeで撮影


    昇る白鳥座デネブ  月が明るすぎて白鳥座はどこへやら.


    夜明けの河口湖  その向こうに山中湖も見える.

 やや不満な写真になってしまったが、まあそこそこな気がしないでもない。できるなら、富士山の上に大きく延びる天の川を今シーズン中に撮影したいものだ。朝日が昇り、明るくなったところでさっさと退却、8時半には下山した。

    節刀ヶ岳の朝富士


    大石峠の富士山
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