初めて聴いた印象は年老いたジャズマンのズルズルの演奏、締まりのないサウンドと揃っていないアンサンブルに幻滅した。特にリーダーのミッチェルの歯切れの悪いBassは、全盛期のコンテンポラリー諸作の演奏が耳に残っているだけに大きな落差を感じた。しかし何回か聴いているうち退廃の美というか禁断の音というかアブナイ魅力に気が付き、以来愛聴盤となった。バラッド1曲(LPには未収録)を除いては全てオリジナルだがどれも美曲、イチオシは何といっても表題曲、ちょっと変わった1コーラスAABBA’(A’=8+4)の44小節構成でアドリブパートも忠実にテーマに基づいて進行する。と書くとややこしいが哀愁を感じるメロディーの素敵な曲だ。それからNisse Sandstrom というテナーマンを知らないがクリフォードジョーダンそっくりで変名かと疑った位だ。あともう一つ、ホレスパーランが柔らかいタッチのピアノを聴かせてくれるのも予想外だった。
◆MUSIC DATA
1.Idrees ( Red Mitchell) 8:37
2.U.A.I. 【You are invited 】 ( Idrees Sulieman) 15:28
3.These foolish things (Strachey, Link) 5:10
4.A theme for Ahmad ( Horace Parlan) 10:02
5.Chocolate Cadillac ( Idrees Sulieman) 11:37
◆PERSONNEL
Red Mitchell (B)
Idrees Sulieman (Tp)
Nisse Sandstrom (Ts)
Horace Parlan (P)
Rune Carlsson (Ds)
◆RECORDED
1976.12.21 COPENHARGEN
◆RECORDING ENGINNER
OVE SORENSEN
◆LABEL
Steeplechase
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