Cecil Payneの隠れた名盤(というよりCecil自体が隠れた人に近いが・・・)。
バリサクは音域をフルに使いながらメロディアスに吹くマリガンタイプと、楽器の特性を生かして猛牛のようにゴリゴリ吹きまくるアダムスタイプに大別されるが,セシルは後者である。ただ切れ味が今一つで何かあか抜けない感じなのだが、当アルバムはそれが素朴なイメージとなってプラスに作用している。
casbahというタイトルはアルジェリアの城塞を指し(私のはstashからの再発盤で画像の様にセシルの肖像画だが)オリジナルジャケットは城塞の人々が描かれているらしい。と云うと何やら民族性とか宗教性を想像するが、もともとDameron作のあまり有名でない曲名で『OUT OF NOWHERE』のコード進行を基にしており(Bebop時代流行った手法)S.StittやB.Harrisも録音している。
内容は上質なバラード集、若い頃体力にまかせてトンガっていたのが、幾多の挫折を経験し悟りの境地に達したかの様な演奏が記録されている。曲によってフルートと吹き分けているのもピッタリだ。特に2曲目のCARNEYは偉大なる先達に捧げたものでアルバムの白眉。ドラムレスという編成も成功要因だろう。<o:p></o:p>
◆MUSIC DATA
1.CASBAH (Tadd Dameron) 6:47
2.CARNEY (Rick Henderson) 6:47
3.WAVE (Antonio Carlos Jobin) 8:09
4. A WALKIN’ THING (Benny Carter) 5:45
5. TIME AFTER TIME (Sammy Cahn / Jule Styne) 3:30
6.HOW DEEP IS THE OCEAN (Irving berlin) 4:42
7.BOSCO (Cecil Payne) 5:51
◆PERSONNEL
CECIL PAYNE (Bs,Fl)
RICHARD WYANDS (P)
JOE CARTER (Gt)
STAFFORD JAMES (B)
◆RECORDED
1985.2.27
◆RECORDING ENGINNER
RICHARD KAYE
◆LABEL
STASH (Original EMPATHY RECORDS)