追悼・谷川俊太郎さん
谷川俊太郎さんの詩に初めて出合ったのは中1の時
国語の教科書に載っていた「朝のリレー」でした。
‘’カムチャッカの若者がキリンの夢をみているとき‘’
で始まるこの詩で、カムチャッカ半島を覚えました。
音の響きとリズムが心地よくて、詩が好きになりました。
谷川さんの詩集やエッセイは何冊も買って読んだけれど、
いま手元に残っているのは3冊。
一番のお気に入り 詩画集「青は遠い色」
もう30年近く前の本で、表紙はめくれ色も褪せているけれど
青をテーマに、堀本恵美子さんの挿画もとても素敵なのです。
谷川さんのどこか飄々としたところも好きだったなぁ。
どんなに深く憧れ、どんなに強く求めても、
青を手にすることはできない。
すくえば海は淡く濁った塩水に変り、
近づけば空はどこまでも透き通る。
人魂もまた青く燃え上がるのではなかったか。
青は遠い色。
一番好きな詩です。
読書の秋。
読みたい本はいっぱいあるのに、読書ペースが上がらないのはなぜ…
やっぱり原因はスマホかしら。
インスタとか見てると、あっという間に時間が経っちゃってダメだわー。
このままでは‘’積読の秋‘’になっちゃう。
今まで未読の本はカゴに入れてソファー横に置いていたけれど、常に目に
入る場所に置いて、自分にプレッシャーをかけようか。
積読コーナー作りました!
左から読みかけの本、図書館から借りた本、買って未読の本(積読)
自分の中では、積読は10冊までOKということにしているのですが
積読がゼロになったことはこの数年、いや20年位ない気がする…。
常に積んでいる!
全部読むまで本屋さんに行かなければいいのに、それができないんだなぁ。
これでもセーブしている方で、本当は毎日行きたい(笑)
好きなものが多すぎる~~!
ある大学教授がこんなことを言っていました。
「積読は買うこと自体に意味がある」
なんて心強いお言葉。
文筆家の岡崎武志さんはこうも言っていました。
「積読を恐れてまともな読書なんぞできやしない。どんどん積んでおけ!」
よっしゃー!!(笑)
今読んでいる一冊 「誕生日のアップルパイ」
千寿子さんは作家の庄野潤三さんの妻
庄野潤三さんの、日記のようなエッセイのような家族小説が大好きで、
ずっと庄野一家のファンです。
庄野さんんが亡くなって新刊が読めなくなり、寂しく思っていたので
大好きな夏葉社から書簡集が出版されて大喜び!(夏葉社にハズレなし)
千寿子さんが娘の夏子さんへ宛てた手紙。
これがもう、ユーモアと愛と感謝に溢れていて…幸せのため息が出ます。
久し振りに庄野家の皆さんに再会したみたいで、嬉しい。
やっぱり手紙はいいなぁ。
秋の夜長はせっせと本を読んで、手紙も書こう。
ウォーキング中に本屋さんに寄ったら、こんな本を見つけてしまいました。
堀道弘「金継ぎおじさん」
金継ぎ(しかも主人公はオジさん)が漫画になるの~?!ちょっと驚き。
こんなレアな本、金継ぎ好きとしては買うしかないじゃない?
ちょうどJREポイント(唯一持っているポイントカード)が貯まっていたので、
買っちゃいました。
著者である堀道弘さんは、元漆職人。
現在も金継ぎのワークショップを主催したり、他にも金継ぎの本を出したり
しているようです。
実際に堀さんが金継ぎした器が、参考資料として写真掲載されていますが、
線が細くて繊細な金継ぎ!細やかな仕事ぶりが伝わってきます。
私が大阪で習っていたのは、合成漆などを使った簡易金継ぎでしたが
この本の金継ぎは、生漆や麦漆を使った時間も手間もかかる本格的なもの。
陶器の欠けた部分に別の器の欠片を継ぐ「呼び継ぎ」も出てきたりして、
面白くて一気に読んでしまいました。
それにしても、何でも漫画の題材になるものだなぁ。
ちょうど母からお直しを頼まれたり、ちょこっと欠けた器がいくつかあった
ので、私も久し振りに金継ぎにとりかかりました。
欠けた部分にパテをつけ、乾燥したら次は削り作業に入ります
始めるまでは面倒くさいな~とも思うのですが、やり始めると楽しい。
若い頃から数々の習い事をしてきて、唯一の実用的な趣味です(笑)
やっぱり器が大好きなんだなぁ。
いつか堀さん主催の「金継ぎ部」にも参加してみたい!
毎週楽しみに観ているドラマ「Á Table!~ノスタルジックな休日~」
大好きな市川実日子さん主演で、ナチュラルな雰囲気がとても素敵!
前シリーズでは歴史上の人物をテーマに料理する内容でしたが、今シリーズ
は『暮らし手帖』のレシピをベースに毎週おいしそうな料理が登場します。
食いしん坊なので、料理のシーンが出てくるドラマや映画は大好き。
あと食エッセイなどもかなり好きです。
で、ドラマに出てくる料理本『おそうざい十二ヵ月』が欲しくなって…
料理本としては少しお高めですが、55カラット記念に買ってしまいました~!立派な箱入り!装丁も素敵です♡
中はオール白黒、基本分量が5~6人前で時代を感じます(1969年初版)
季節ごとの滋味あふれるお惣菜200品。
作ってみたい料理がいっぱいで、見ているだけでワクワクしちゃう!
そして気がついたことが…
「365日の献立日記」と被っているメニューが複数あり、沢村貞子さんも
この本を参考にして色々作っていたんだなぁと。これまた嬉しい発見!
(ちなみに、沢村貞子さんの影響で献立日記つけています)
しっかり折り目がついている~(笑)
料理本はもういらないと思っていたけれど、この本は買ってよかったなぁ。
ずっと大事に手元に置いておきたい一冊です。
めざせ、料理のマンネリ脱出!
3連休は読書三昧。
ジャンルの違う数冊を並行読み、というのが長年の読書スタイルです。
(1冊をガーッと一気読みする時もありますが)
〈書簡集〉
手紙好きなので、書簡集も大好き。
マティスとボナール、親交があったことを初めて知りました。
ルオーとの往復書簡も読んだことがあるけれど、マティスはかなり筆まめ!
ボナールも好きなので、大好きな二人が親友だったのはなんとも嬉しい。
〈小説〉
久々の吉田篤弘さん。
音楽がテーマの優しい物語。好きなテイスト!
〈フォトエッセイ〉
やっぱりインテリアの要は照明だなぁ。
素敵な照明器具がいろいろ紹介されていて参考になります。
インテリアは常に発展途上、未完成だからこそ楽しい!
来春引っ越したら(行き先は未定)インテリア改革するぞ~ウッシッシ。
土用の丑にはちょっと早いけれど、近所で鰻を食べました。
夏バテ予防♪
どちらかと言うと、鰻は蒸さずに直焼きのカリッとした関西風が好きです
が、ふわふわ食感の関東風も美味しかったです!
感じのいいご夫婦で、良心的なお値段なのも嬉しいところ。
こども食堂を無料で開催していたり、今後も応援したいお店です。
【最近読んで良かった本】
◇小説
『板上に咲く』原田マハ 著
棟方志功もまた“狂”の人だったのだな。
津軽弁のセリフが思わず音読したくなるようなリズムで、声に出して
読んでみたら面白かった。
津軽弁って結構ハマるわ~(笑)
◇エッセイ
『古くてあたらしい仕事』島田潤一郎 著
もともと島田さんの出版社〈夏葉社〉の本が好きで、
特に『さよならのあとで』は何度も読み返し、何冊も友人に贈ってきた本。
その本が夏葉社を立ち上げるきっかけだったこと、本や仕事への向き合い方
なども知れて良かった。
これからも応援していきたい。
◇ルポルタージュ
『それでも食べて生きてゆく 東京の台所』大平一枝 著
喪失と再生がテーマのルポルタージュ。
ーーあとがきより抜粋ーーーーーー
10年の取材を振り返り、「何も失ったものがない人などいない」ということ
に気づいた。大切な物や大切な人、共に暮らした日々、故郷、家族、健康。
どんなに幸せそうに見える人でも、何かを失いながら、どうにかこうにか自分を収め、
繕いながら生きている。いくつになっても、どんな人にも大小の喪失がある。
それが人生だとしたら、喪失と再出発の物語は、読者にも自分にも学びがあるのでは。
そんなところから本書の制作は始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
とても良かった。
取材する側の大平さんの真摯な姿勢が感じられるルポルタージュ。
買わずに図書館から借りちゃって…ごめんなさい!
今日から2月。
2月は寒いけれど、微かに春への希望が感じられるところが好き。
先週は久々に寝込みました。
高校時代の友人が東京から会いに来てくれる予定で、数ヶ月前から楽しみに
してあれこれ予定を立てていたのに、直前に熱が出て…
まさかのコロナ陽性…ガーン
ドタキャンの申し訳なさと、楽しい予定が立ち消えてしまった残念さとで
しばし落ち込みましたが、立ち直りの早さには定評アリ(笑)
好きなYoutubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」を繰り返し見たり、
読書してうつらうつらして、思いっきりゴロゴロしちゃいました~。
まだ咳が残っていて本調子とはいかないけれど、ほぼ復活。
コロナ療養中に読んで面白かった本
今をときめくピアニスト藤田真央くんのエッセイ
真央くんのピアノは、その煌めくような音の粒と多幸感が魅力。
どうしてあんなに柔らかい音を出せるのだろう?と思っていましたが、
1音1音に対してここまでの深い考察がなされていることに驚嘆。
まだ25歳かぁ…凄いなぁ!
音楽について刺さる言葉も多く、とても興味深く読みました。
3月に室内楽のコンサートで仙台に来るので楽しみ!
春が待ち遠しいです。
最近読んだ岸政彦さんの「にがにが日記」が面白かったので、
図書館で他の作品もまとめて借りてきました。
岸さんの著書は過去に小説「リリアン」を読んだことがあったけれど、
こんなに面白い方だったとは!意外に年齢も近くて、ほぼ同世代。
大学時代はジャズ研で(ベーシスト)、時々ライブ活動しているのも
知らなかった~。関西に住んでいたら聴きに行ったのになぁ。
「にがにが日記」真面目な話もあるけれど、全体的には笑える内容多し。
サイン会で自分の名前を間違って”岸政岸”と書いちゃったエピソード
とか、可笑しくて大好き。
ケラケラ笑いながら読みすすめていたら…
巻末の「おはぎ日記」にやられました。
愛猫おはぎさんとの最期の日々に涙涙。
22歳で旅立ったおはぎさんと、ミヤの姿が重なって。
一日に何度も「そうか、もういないんだ…」と思い、その度に悲しくなって
泣いたこととか。
当時の感情がリアルに甦ってきて、もう痛いほどに共感。
笑いも涙もひっくるめて、すっかり岸さんのファンに!
いつか”岸政岸”のレアなサインをもらいたいな(笑)
盛岡にある大好きな本屋さん「BOOKNERD」で買った本。
タイトルと装画に一目惚れ
しばらくあたためて(積読)いましたが、読んだらとっても良かった!
響く言葉が沢山あって、付箋だらけになりました。
この本で初めて知った著者の見汐麻衣さん。
シンガーソングライターと知り、どんな音楽かYoutubeで聴いてみたら…
思っていた声と全然違う~!
文章のイメージから、ハスキーで気だるげな歌声を勝手に想像していた
けれど、透明感のある声で大貫妙子さんの雰囲気に近い感じかな?
でも、文章からその人の声を想像してみるのって、なかなか面白いです。
そういえば、エッセイの中で声に関してこんな記述が…
”声はその人の個性で、どんな風に繕おうとも、その人自身の情報が
全て露呈してしまうものだと常々思う”
時間をおいてまた読み返したい。
しかーし、本が増えすぎて本棚に入りきらないのが悩ましい!
西加奈子さんの新刊「くもをさがす」読了。
コロナ禍にカナダで乳がんに罹患し、がん告知から治療の日々を綴った
著者初のノンフィクション。
闘病記の類は苦手で、自分が病気になった時も、ガンに関する本は知識
として読んだものの、個人の闘病記はほとんど読まなかったのですが…。
珍しく読む気になったのは、バリバリ関西弁の面白キャラの西さんが、
病気をどう捉え、作家としてどう描くのかに興味があったから。
胸がギュッとなるような部分ももちろんあるけれど。
でも、看護師さんのセリフが全部関西弁の訳になっていたり、可笑しくて、
読みながら何度も声を出して笑ってしまった。。。さすが西さん!
そして関西弁、パンチ力あるなぁ!
乳がんも種類があり、西さんと私ではタイプも治療法も違っているし、
ましてや海外、しかもコロナ禍。どんなにか不安で大変だったことか。
自分で経験していなくて分からないこともあるけれど、それでも、多くの
場面で共感し、当時の事を思い出しました。
西さんがバンクーバーで看護師さん達の明るさに救われたように、私も
大阪の病院で、一緒に入院していた人たちの明るさに救われたこと。
漫才コンビみたいな大阪のおばちゃん達がいたり、とにかく面白くて、
病院なのに毎日爆笑!ワイワイ部活の合宿みたいな入院生活でした。
今思い返してもそれは本当にラッキーで、大阪の病院でよかった~!
しみじみそう思います。
西さんが文学に救われたように、私もまた音楽に救われて。
好きなことが自分の助けになることを実感したのでした。
そして何より、友人や家族、周りの人の支えがあったからこそ
今こうして元気でいられます。
あらためて感謝!
金曜日の仕事帰り、足取り軽やかに本屋さんへむかう。
読みたい本を1冊買って、お気に入りカフェへ行く。
ランチ(今週はグラタン)を食べて、お腹が満たされたら、
買ってきたばかりの本を鞄から取り出し、頁をめくる。
この瞬間の幸福感といったら!
今週は滝口悠生さんの『ラーメンカレー』
ラーメン好きなので、ついタイトルに惹かれて買ってしまった!
いまのところ物語の中にラーメンは出てきていないけど(笑)
ほどよいヴォリュームの話し声と、静かに流れるクラシック音楽。
窓ぎわのカウンター席で、午後の光を感じながら、
読書する時間。
これを至福と呼ばずになんと言おう。
毎年1-2月は読書が捗る季節。
寒くて家にこもりがちなので(じゅうぶん出歩いているという説も?笑)
今が積読を減らすチャンスです。
せっせと読んではみるものの、図書館で予約した本の順番が回ってきたり、
つい本屋さんに行ってまた買ってしまい、常に10冊は積んでます…。
本屋さんに行かなきゃいい話なのだけれど、それができないんだなぁ。
いや、いいのだ!
本を買うことで、街の本屋さんを応援したい気持ちもあるので。
書店がどんどん消えていく時代、好きな場所は自分で守らなくちゃ。
(図書館も利用しているので大きなことは言えないけれど…)
さて、最近読んで良かったのが『世はすべて美しい織物』
著者の成田名璃子さんは、この本で初めて知りました
美しくて、少し哀しくて。強いエネルギーと希望が感じられる物語。
もともと染織に興味があったので、読んでいてとても楽しかったです。
以前展覧会で見た、志村ふくみさんの草木染の優しい色合いの糸や、
風景をイメージして織られた着物のことを思い出しました。
いつか挑戦したいと思っている染織。
なんかまた新しい扉が開きかけたような???
「え、また?」って声がきこえる~(笑)
今朝は3時半に起きて、サッカーW杯スペイン戦を観戦。
いやぁ~スゴイ試合だったなぁ!勝ってよかった!
喜びを爆発させる選手たちの姿に、胸が熱くなりました。
ふわふわした気分で出かけ本屋さんへ寄ったら、
イラストレーター安西水丸さんの本が目に留まりました。
ブックデザインは土居裕彰さん。
淡いブルーの帯が効いて素敵だなぁ。
安西水丸さんの絵は‘’軽妙洒脱‘’という言葉がよく似合う。
きっと水丸さんご本人もそういう方だったのではないかしら?
その軽さが大好き!
水丸さんの絵と言葉、楽しみ~♪
仙台アエルで開催されている古本市に行ってみました。
仙台市内にある阿武隈書房/古本あらみえし/火星の庭/ジェイルハウス
ブック/ゆずりは書房 の5店舗が出店。
それぞれカラーが違っていて、ぐるぐる回って物色するのが楽しい。
ものすごく真剣に本を見ているおじさん、紙袋いっぱいに買っている女性、
みんな本が好きなんだなーと思ってなんだか嬉しくなっちゃった。
CDコーナーもちょこっとあり、スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトが
共演のライブCDを見つけてラッキー。
掘り出しもの
三浦綾子著「千利休とその妻たち」
石田千著「踏切趣味」
安原顯著「上野桜木ジャズ日記」
本4冊とCD1枚で合計1900円。
なかなか良い買い物ができました。
早速「上野桜木ジャズ日記」を読み始め、帯文になるほどー。
安原さん、きっと熱くて激しい人だったんだろうなぁ。
最初の数ページだけでも熱量がすごい…(笑)
読書の秋、読みたい本がいっぱい!
少し前に何かで見て、手帳にメモしていたのにすっかり忘れていたら、
散歩途中に立ち寄った本屋さんで平積みになっていました。
この絵の感じ見たことあるなぁと思っていたら、作者の高妍さんは
村上春樹さんの本の挿絵を描いていた方でした。
そうだ!それで興味を持ったのに忘れていた~(いろいろ忘れすぎ)
早速買って、その日うちに一気読み。
繊細でやわらなかな感性。
すごくいいなぁ。じんわり沁みます。
すぐに再読。
やっぱりいいなぁ!
好きなものへの一途な想いが胸に響きます。
人であれ音楽であれ、好きな何かがあるってそれだけで幸せなこと。
折に触れて読み返したい本に出合えました。