最近読んで面白かった本。
稲垣えみ子著『老後とピアノ』
アフロ稲垣さんの本はだいたい読んでいて、どれも面白いけれど
この本は断トツの共感度NO1!
クラシックとジャズで音楽のジャンルは違えども、好きな音楽に
どんどんハマっていく感じとか似ていて「わかるー!」と言いな
がら頁をめくりました。
〈楽器を弾くということは、やってみればわかるけれど、それは
人生の永遠のトモダチを得たということである〉
〈私にとってピアノとは、老い方のレッスンなのかもしれない。
どれだけ衰えてもダメになっても、今この瞬間を楽しみながら
努力することができるかどうかが試されているのだ〉
ピアノを弾くこと、大人になって楽器を演奏することの歓び。
その楽しさ、怖さ、難しさ、面白さ、全てが詰まっています。
共感の嵐!
雨模様だったGW前半。
近所に映画を観に行ったり、本を読んだり。
図書館から借りた本でとても良かったのが、
奥山淳志著『庭とエスキース』
北海道の新十津川で自給自足の生活をする一人の老人(弁造さん)を
14年に渡り追いつづけた、写真家による写文集。
静かな読後感がいい。
今読んでいるのが、川越宗一著『熱源』
まだ前半だけど、面白い!
北海道に生まれ育ちながら、アイヌ文化について無知なままきてしまった
ので、この物語をきっかけに少しでもアイヌのことを知れたらいいな。
とか思っていたところに『ゴールデンカムイ』きました!
話題になっていたものの内容を全く知らず、チェックしてみると北海道が
舞台でアイヌが出てくるらしい。。。おや、これはタイムリーでは?
という訳で、遅ればせながらアニメ版『ゴールデンカムイ』見始めて、
面白くてハマっています。小樽が出てくるのもの嬉しいところで。
アイヌのことなど『熱源』と繋がるところもあり、いま見て正解!
今後どうなっていくのか楽しみ~♪
この日のおやつは、ずんだ餅パイ。
ずんだのお菓子は色々試してみたけれど、これが一番のお気に入りです。
最近読んだ中で特に面白かった本
「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」
目が見えない人がアートを見るってどういうことだろう?と疑問だらけで
読み始めたけれど、読んで大正解!
見える人が、見えない人と一緒に作品を鑑賞することで、自分の思い込みや
勘違いに気がついたり、それまで見えなかったことが見えてきて、新しい扉
が開いていくというのが興味深い。
アートだけではなく、障害を持つこと、生きることについても考えさせられ
響く言葉に付箋を貼りながら読んでいたら、付箋だらけに!
読むと美術館に行きたくなります。
私もたぶん白鳥さんと同じで、作品鑑賞以上に美術館という場所そのものが
好きなのだと思います。
川内有緒さんの文章、リズミカルでユーモアがあって好み!
他のノンフィクション作品も面白そうなので、色々読んでみよう♪
本屋めぐり。
仙台は本屋さんが割と多くて、本好きとしては嬉しいです。
近くて便利なのは駅前の丸善ですが、少し離れた場所にもお気に入りの本屋さんがあり、
足を運ぶこともしばしば。
曲線
古民家を利用した小さなお店
金港堂
アーケード街にある創業100年以上の老舗
あゆみBOOKS
一番のお気に入り。文房具や雑貨もあって楽しいのと、本のセレクトがとても好み!
この規模の店舗には珍しく、建築・美術・音楽などのコーナーが充実しています。
今日も音楽の棚を物色していたら…
「ジャズ小景」とタイトルのついた、モノクロ写真の素敵なポストカードセットを発見。
よく見るとそれはカレンダーで、ポストカードの方が良かったなぁ~と思いつつ、
モノクロ写真とタイトルに惹かれて結局買ってしまいました。
他に本を3冊。
小池真理子「月夜の森の梟」
松浦弥太郎「いちからはじめる」
武田砂鉄「日本の気配」
早速読み始めた小池真理子さんのエッセイが、切ない…。
本屋さんで雑誌コーナーの前を通ったら、どーんと大きく“村上春樹‘’の文字が
目に飛び込んできました。ワォ~!
『BRUTUS』の村上春樹特集、しかも上下2冊ある!
上は「読む。」篇、下は「聴く。観る。集める。食べる。飲む。」篇。
そしてその横には『&Premium』が陳列してあり、器特集ですと~~?
なんて魅力的な。あぁ~もう好きなものばかりでどうしたらいいの(笑)
その3冊を順番に手にとってパラパラ見ながら、どれにしようか悩みに悩み…
読書の秋、やはりここは村上春樹特集でいくことに。
「読む。」篇が残り少なかったので、とりあえず上を購入。
春樹さんといえば、この秋早稲田大学に隈研吾さんの建築による国際文学館
〈村上春樹ライブラリー〉が完成して話題になりました。雑誌でもちょこっと
紹介されていますが、自宅書斎を再現した部屋や、置いてあるヴィンテージ
家具なども素敵でおしゃれ~♪ 今一番行ってみたい場所です。
雑誌では、手放すことのできない51冊の本が紹介されています。
日々どんな本を読み、どんな音楽を聴いているのか。
一番興味のあるところです。
奈良にある本屋さん「とほん」
Instagramで紹介される本がどれも好みでいいなぁと思っていたら、薬膳仲間のHちゃんが「行こう行こう!」と言ってくれて、先日一緒に行ってみました。
こぢんまりとした店内には店主さんが一人ポツン。
ゆったりしたテンポのBGMが流れていました。
音楽が好きなので、どこに行ってもBGMが気になります。
本屋さんの場合、ヴォーカル曲がBGMだと耳がうるさくてじっくり本を選べないので、無音か静かなクラシックが好み。ちなみに大好きなジャズだと意識が耳に集中しすぎてしまい、これまた不向き(笑)
「とほん」のBGMはヴォーカル曲なのに、呼吸するような自然さで歌声がむしろ心地よく、お店の雰囲気にもピッタリな音楽~♪
真っ先に、お目当ての「約束の川」をパラパラと。
STANDARD BOOKSから発売になった、星野道夫さんのエッセイの名篇集。
装丁も素敵で、手にとるだけでほんわか幸せな気持ちになります。
吉田篤弘さんの著書も充実していて嬉しい!
小さなお店ながら魅力的な品揃えで、読んでみたい本がいっぱいです。
とにかく居心地がよくて、京都の恵文社一乗寺店や誠光社と並ぶお気に入り書店になりました。
近所にあったら毎日通っちゃうなぁ!
迷った末に選んだ3冊
・雲と鉛筆〈吉田篤弘〉
・約束の川〈星野道夫〉
・リリアン〈岸政彦〉
一緒に行ったHちゃんも同じく岸政彦さんの「リリアン」を買っていました。
Hちゃんとは洋服や器の好みなどが似ているなぁと思っていたけれど、本の好みも似ていて面白~い!
仙台に行ってからゆっくり読もうと思っていたのに…
夜にワイン飲みながら、大阪が舞台の「リリアン」を読み始めたら止まらなくなり、そのまま読了。
関西弁の会話やジャズ、物語のなんともいえない寂寥感が今の気分にマッチしていて、少ししんみりしちゃいました。
読んで良かった!買って良かった!
料理家の土井善晴さんと政治学者の中島岳志さんの対談本。
今まで土井さんにそれほど深い関心があったわけではなかったのですが(笑)
この本で料理に対する考え方、自然との向き合い方、哲学のようなものを知る
ことができ、共感の雨あられ~とても面白かったです。
足し算の西洋料理と引き算の日本料理。
自然のものをどのように生かすのか、そこに人間が果たすちょっとした役割が
料理であると。料理にとっての利他、料理と自然のつながりになるほどなぁ~と。
海外で修行をして、キレキレの料理人を目指していた土井さんは、日本に戻って
家庭料理の料理学校を継ぐよう言われたとき「なんで家庭料理やねん」と思って
嫌だったと。それがある時、京都の河井寛次郎記念館で<民藝>に触れたことで、
家庭料理への考え方が変わったそうです。
美しいものは追いかけても逃げていく。でも、淡々と真面目に仕事をすること、
自分が生活するということで、美しいものはあとからついてくる。
家庭料理も同じで、毎日食材という自然に向き合い、じかに触れながら料理する。
そういった日々の暮らしを真面目に営み、結果として美しいもの(暮らし)が
おのずから生まれてくる。家庭料理のなかに、本当に美しい世界があるいうことに
気づいたのだそうです。
心に留めておきたい言葉が沢山あり、付箋だらけに。
『一汁一菜でよいという提案』も読んでみなくっちゃ。
<今週読み終わった本>
十二人の手紙/井上ひさし
村上T/村上春樹
鉛筆印のトレーナー/庄野潤三
庄野潤三さんが家族のことを綴ったシリーズの1冊。
随筆のような日記のような独特のスタイルのこのシリーズが大好きで、ほとんど
読んでいましたが、絶版などで手に入らず未読のものもありました。最近になって
小学館から復刻版が出ているのを見つけ、しかも文庫価格なんて嬉しいかぎり!
庭の草木や鳥のこと、ご近所づきあい、子供や孫たちとのやりとり…
ごく普通の日常が繰り返し繰り返し丁寧に綴られています。今読んでみると、こう
した普通の日常というものが、いかに多くの幸運によってもたらされているかに気
づかされます。劇的な展開は何ひとつないのに、夢中になって読みました。
<今週読み終わった本>
細雪(下)/谷崎潤一郎
ヤクザときどきピアノ/鈴木智彦
フリーライター鈴木智彦さんが、子供の頃から憧れていたピアノを50歳を
すぎてから習い始め、発表会に出るまでを綴ったエッセイ。
本文の中に突如として小樽が登場!
著者(北海道出身)が学生の頃、よくデートで行った小樽のプラネタリウム
で「トロイメライ」がかかっていたと。・・・おぉ~懐かしい!
青少年科学館のプラネタリウム、私も好きだったなぁ(ほぼ寝てたけど…笑)
熱量が高くて表現がやや大袈裟な所はありますが、ピアノへの情熱と大人に
なってから学ぶことの喜びがストレートに伝わってきて、面白かったです。
どんなに拙くても、好きな曲を自分で演奏する楽しさを知ってしまったら、
もう音楽からは離れられない~。
“このまま、受動的にも、能動的にも、死ぬまで音楽を楽しんで死にたい“
同感です!
<今週読み終わった本>
細雪(中)/谷崎潤一郎
居るのはつらいよ/東畑開人
ケアとセラピーの学術書でありながら、沖縄の精神科デイケア施設で働く
臨床心理士のエッセイという体で読みやすく、面白くて一気に読了。
ケアとセラピーの違い、効率性と生産性やエビデンスが求められることへ
の心理士としての葛藤、「ただ、いる、だけ」の難しさについてなど、
今まで知らなかったことばかりで考えさせられました。
(著者のあとがきから抜粋)
私は沖縄で多くのものを失い、そしてその代わりに多くのものを得た。
何を得たのだろうか?
「生きる」ことの多様性と、「生きる」ことを支える営みの多様性、
普通に「生きる」ことの難しさ、そしてそれでも人は生きていくこと。
原野でも、人は生きていく。