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アメリカの大学キャンパスは20年後の世界の姿 「中国のGDPは20年後日本の5倍になる」(

2011-02-15 06:53:18 | Weblog
 1980年代まで、アメリカの大学キャンパスに中国本土からの留学生はほとんどいな
かった。中国人といえば、台湾からの学生だった(ヤフーの創始者ジェリー・ヤンも台湾生
まれ)。本土の学生が大学院の正規学生になろうとしても、学力の点で無理だったのである。

 ところがスタンフォード大学大学院における留学生を見ると、90年代の初めに中国から
の留学生が日本人とほぼ同数になった。文化大革命の混乱を脱した中国が、この頃に大学院
生数でやっと日本と同レベルまで成長したのだ。

 2010年、中国はGDPの規模で日本に追いついた。アメリカの大学キャンパスで90
年代の初めに生じた状況が、およそ20年の遅れをもってGDPに反映したのである。学位
を取得した大学院生が経済活動に影響を与えるようになるには20年程度の時間的な遅れが
あるから、これは納得できる結果だ。

 それ以前の時点でも、似たことが生じている。90年時点での中国のGDPは日本の13
%しかなく、まったく問題にならなかった。その20年前の70年頃に、中国の教育水準
は日本のそれと比較にならないほど低かったのだから当然のことだ。

 以上の観察を大胆に法則化すれば、次のように言えるだろう。「大学キャンパスで起こっ
た変化は、その20年後に現実世界に現われる」。

 つまり大学キャンパスの風景は20年後の世界を映し出す「水晶の玉」なのである。アメ
リカの有力大学のキャンパスは、先端的事象をよく反映しており、特に役に立つ水晶だ。

 もう少し詳しく見れば、次のことも言える。すなわち「学生数の状況は、経済現象として
現われる数年前に、論文数や学者数などの研究面に現われる」。

 実際、論文数で中国が日本に追いついたのは、前回見たように05年のことである。また
、06年時点でスタンフォード大学に在留する外国人学者は、中国253人に対し日本220
人と、さほど違いがない。つまり中国が日本に追いついたのは、大学院生で言えば90年代
の初め、研究面では05年頃、そしてGDPでは10年というわけだ。

 一人ひとりの人間に当てはめても、学生時代の状況から20年後の状況はおおよそ想像が
つく。ただし、個人の場合にはさまざまな偶発的要因が働くから、学生時代と20年後の
状況は完全には相関しない。

 しかし、ここで考えているのは集団であるため、両者の相関はかなり高い。特に中国は
人口が膨大なので、両者の関係は極めて強い。だから、「20年タイムラグの法則」は、か
なり正確に20年後を予測するはずである。

■中国のGDPは20年後日本の5倍になる

 下グラフに示すように、スタンフォード大学大学院の中国人留学生数は増え続け、06年
には419人となった。他方で日本人学生は減少し、06年で77人となった。中国人学生
は日本人学生の5・4倍だ。

 このデータを先述の「20年タイムラグの法則」に適用すれば、20年後の中国のGDP
は、日本の5倍強に増加するだろう。人口に大きな変化がないとすれば、中国の1人当たり
GDPは、日本の約半分になるだろう。

http://lib.toyokeizai.net/public/image/2011020800902290-1.bmp

ソース:東洋経済オンライン
http://www.toyokeizai.net/business/column/detail/AC/670795db35f9d52a02b94584473ede70/page/1/

米国に留学しないとだめだと単純に言えるものでもないだろうが、ひとつのバロメーターにはなりそう。
少なくとも教育にはもっと力を入れていかないと国力は下がるばかりではないか。


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