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欧州の「失われた10年」はこれから-デフレ長期化がECBを襲う

2010-10-10 17:28:04 | Weblog
欧州の「失われた10年」はこれから-デフレ長期化がECBを襲う

  10月8日(ブルームバーグ):
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁はユーロ圏経済が再びリセッション(景気後退)に陥ることはなさそうだと
公言しているが、投資家のインフレ期待を示唆する債券相場の動きは、トレーダーがこの見解に同意していないことを
示している。

 ユーロ圏の2015年から5年間の消費者物価指数(CPI)上昇率を市場がどう予想しているかを測る
ブレークイーブン・レート先物は今週、少なくとも過去6年間で最低の水準となった。
 ECBも同レート先物を指標として採用している。フランスでは、10年国債とインフレ連動国債との利回り格差(スプレッド)が
4月に付けた年初来の最高水準である229ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から182bpに縮小している。
 トリシェ総裁はECB政策委員会が政策金利を過去最低の1%に据え置くことを決めた7日、インフレ見通しに
対するリスクが「若干上向き」だと語った。
 しかし、JPモルガン・チェースによれば、投資家が今年、デフレリスクに対する保険として購入した
デリバティブ(金融派生商品)の額は過去最高の200億ドル(約1兆6500億円)相当に達する。

 ブルームバーグが実施したアナリスト調査によれば、アイルランドやポルトガル、ギリシャで緊縮財政策が
導入される影響もあって、ユーロ圏最大の経済を有するドイツの来年のCPI上昇率が2%を上回ることはない見通しだ。

 JPモルガンのインフレトレーディング担当責任者のジャスパー・フォーク氏(ロンドン在勤)は
「デリバティブの需要は非常に大きく、市場関係者の一部がインフレと成長について非常に悲観的であることを表している」
と指摘。
 「過去においてはユーロ圏で10年間にわたってデフレが累積的に続く可能性はごくわずかだと考えられていた。
保証コストも非常に低かったが、誰もそれが安いと考えず、無関係と受け止められていた」と話す。

 トリシェ総裁は先月、ユーロ圏の景気が二番底に陥る公算は小さいと発言。
 7日の政策委終了後にも「プラスの勢いが維持されている」と述べ、景気認識をめぐるスタンスに変化がないことを示唆した。
  2015年から20年の5年間のユーロ圏のインフレ期待の指標となるブレークイーブン・レート先物は10月4日に1.91%と、
ブルームバーグが集計を開始した04年以後で最も低くなった。
 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が6日発表したユーロ圏の4-6月の実質GDP(国内総生産)が前期比1%増と、
4年ぶりの高成長となったにもかかわらずだ。
  ドイツ銀行の債券ストラテジスト、モヒト・クマール氏(ロンドン在勤)は
「ギリシャやアイルランド、ポルトガルなどの諸国が政府支出を強引に削減することで、成長が圧迫されるだろう。
 米国でデフレリスクを売り、欧州でデフレリスクを買うのがわれわれの戦略だ」と語った。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a8GOfnzD.JYQ

EUもバブルが弾けてデフレ不況か・・・・。そもそも経済的にあまり強くないところも含めてドイツやフランスと同じ通貨を使う訳
であるからどこかに矛盾があっても仕方ない??