「食通とは大食いのことである」と太宰治が書いていた、と以前紹介しましたが、最近のテレビ番組には大食いを競うものが多いように感じます。
どこそこの大盛りメニューを何人前平らげた、というようなことが大いに宣伝されており、常人にはとても無理と思える量の食物を妙齢の小柄な女性が胃袋に収めたりして、その意外な組み合わせにも驚いたりします。
ですが、どの番組でも単にノルマを消化するために嫌々食べているようで、どうしてもおいしそうに見えないのが残念なところであります。太宰には悪いが、どう贔屓目に見てもどの出演者にも食通という印象は皆無。
そして美味しいかもしれない食品がすごくまずそうに紹介されるのは、食べられる食品がなんだか気の毒に感じられてしまう。
どうせまずそうに見えてしまうのであれば、最初からまずいものを食べる競争にすればいいのに。 もともとおいしい料理をたくさん食べるというのは、さほど難しくないように思えますし、おいしくないものを大量に摂取するルールにした方が難易度は高くなり、エンターテイメント性は増すような気がします。
例えば「食えるものなら食ってみろ! スーパーで廃棄直後のちょいヤバしめさば! まとめて5店分! しかも醤油使用不可!」という、これ以上ないくらいまずそうな食品消費番組なんかどうでしょう? 番組製作費も安く済むし、モッタイナイ精神にも準じていて好感度増加するかも。
でも、放送されたとしても私は見ないけどね。
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