Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

Reparação de guitarra para Moçambique(モザンビーク用のギターの修理)

2017-03-25 21:54:00 | ギター

モザンビーク用に調達したギターの話、続編です。

チューンナップというのは、主に音を好みの状態にするためのメインテナンスですが、このギターはその前に修理する必要がありました。帰宅してよく調べてみましたら、トップの打痕は板の裏面にも達しており、さらに小さな割れさえも生じていたんです。

ありゃー、これは重傷だー。

このままモザビに連れて行ったら、ここから湿気を吸収して変形したり、演奏中の振動がきっかけになって更なるダメージを誘発したりするかもしれません。ちゃんと直しておこう。
もとより新品同様にするつもりはないので、自分で直すことにしました。素人仕事でクオリティは低いでしょうけど、これ以上悪化しなければそれでいいんです。友人の木工のプロからアドバイスをもらいながら作業を進めます。

打痕とその周辺をサンドペーパーで削り、傷口を滑らかに整えます。木くずやホコリを吹き飛ばしてキレイにして、木工用のパテをへこんだ部分に押し込むように、そしてちょっと盛り上げるように、塗っていきます。
十分乾燥させ、硬化させます。再びサンドペーパーを使って、本来の木部との境目が目立たぬように均していきます。最初は粗目のペーパーで、中目、細目と徐々に番号を替えて表面を滑らかにしていきます。近所のホームセンターで売っていた最も細かいペーパーは2000番でした。自動車の板金修理で塗装前に使う最も細かいペーパーが1500番なので、それよりも細かい。表面がすべすべになりました。
下地処理の仕上げにコンパウンド(ピカール社製)をウエスにつけて磨きます。コンパウンドの赤銅色が乾燥したパテにちょっと移ってしまいましたが、もともとちょっと明るすぎる色だったので却って良かったような気がします。

続いて塗装です。楽器の塗装は非常にデリケートで、木材保護のためには厚く塗る必要がありますが、あまり厚く塗料を重ねると振動が邪魔されて、鳴りに乏しい楽器になってしまいます。
質の良い塗料を薄めにムラなく塗ることがポイント。そのためにはスプレーの霧が細かくなるものがよろしい。ホームセンターで透明のラッカー・スプレーを物色します。少々高めなのですが、プラモデル用のラッカー・スプレーを選びました。こういう商品は、こだわりの強いオタク系ユーザーを満足させるためにきっと高品質だと思います。そして特に細かい霧を発生させるため、ノズル部分に金がかかっているはずです。
買ってきたスプレー缶をお湯につけます。内圧を高めることでスプレーの勢いが増し、霧がさらに細かくなるんです。今みたいな寒い時期には低温で内圧が低くなってしまうため、缶スプレー使用時には必須の過程です。

さ、準備ができました。

少しづつ何度かに分けて塗装すると良い、と書いてあるマニュアルもありますが、強い塗装膜にするためには必要な量を一回で塗装面に載せてしまう方がよろしい。
少しづつ塗ることで過度に付着した塗料が垂れるなどのリスクは防げますが、段階的に乾燥することで何重もの層ができてしまい、結果的には弱い塗装膜になってしまうんです。
なので、薄い均一の塗装膜を一回のスプレーで作る。ここが腕の見せ所であります。
なーんちゃって、私も初めてやるんですけど。
上記のうんちくは元車体整備士である妻からの受け売りですけど。
ま、今回の塗装対象であるギター表板は平面でありますし、塗料を吹き付けた後、塗装面を水平にすれば垂れませんから、さほど難しいわけではありません。ブキッチョな私でも割ときれいに塗れました。

ずいぶん気を付けたつもりですが、やはり霧の粗さが生じたようで、塗装面がかすかにザラついています。乾燥後に再びコンパウンドを付けて磨きましたが、完全には取れません。
自分ではこれでも満足だったのですが、家具職人の友人に報告しましたら、もっと細かいサンドペーパーを送ってくれました。4000番のペーパーです。こんな細かいペーパー、見るの初めて。ありがたく使わせてもらったのですが、あまりに目が細かいせいでしょう、磨いても手応えが乏しくて、なんだかうまく磨けているのかよくわからず頼りない。その後、一緒に送られてきた鏡面仕上げ用のコンパウンドを柔らかい布に着けてシコシコ磨きました。これも、ホントにコンパウンド?と疑いたくなるようなサラサラの液体で、素人の私には手応えが感じられませんでしたが、やはり磨いただけの効果はあったようで、ツルツルのピカピカになりました。


修理完了したLS-6
もしかしたら爆音の理由はトップの割れのせいだったのかも知れません。穴がふさがれて、ちょっとお上品な鳴りになったような気がします。

高温多湿のモザンビークに置きっぱなしにして、もしかしたらぶっ壊れちゃうかもしれないけど、それでもいいや。なんて、購入する前から、そんな無責任な気持ちがあったのですが、このLS-6には自分で修理したぶん短期間で愛着が育ち、すでに大事なギターになりました。

任期終了時には絶対日本に持って帰ろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Guitarra para Moçambique (... | トップ | 空の飛び方 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ギター」カテゴリの最新記事