中性脂肪

私には脂質異常症という健康上の問題があります。
30代半ばから健康診断時に中性脂肪の高さを指摘されるようになり、しかし特に対策を講じなかったせいで高値安定化が進み、というか更なる高騰が進み、数年前に1500mg/dlという値に到達しました。正常値が50～149mg/dlですから、その上限10倍以上、という値であります。

昨年までの数年間、モザンビークと日本を数カ月づつ往復する生活をしておりました。モザビから帰国すると、赴任する前と比べて体重が10キロ近く落ちているのが常でした。アフリカ滞在中に自分で用意する粗末な食事は、少なくとも私の身体の健康化には良い傾向を示すようです。中性脂肪の値もかなり低下し、だいたい300㎎/dlくらいになります。
低下するとはいっても、まだ正常値上限の2倍なのですが。
そして帰国後の数週間ですぐに元通りになってしまうのですが。
それでも1年の半分くらいは血中の中性脂肪を比較的低い状態に保てていたわけですから、何となく安心しておりました。

ところが。
昨今の新型コロナウイルス感染症拡大に伴いモザビへの赴任は順延が繰り返されており、日本での生活がすでに1年以上継続されております。その間、血中の中性脂肪含有率は低下することなく高いまま。

クルマで言えば非常に高い粘度のオイルを使って走行している状態でありましょう。燃費が悪く、エンジン（心臓）にもそれなりに負担がかかっているものと思われます。
同い年の知人に話したら「よく生きてられるね」と感心されました。彼は200を超えると変化が自覚できるそうです。「身体の動きのキレが悪くなる」と言っていましたが、多分ウソだと思います。

私は生来の鈍感のせいか、全くの無自覚であります。

血圧などの他の数値は正常値範囲内で不調の自覚が全くなく、今のところ生活に支障はないとはいえ、流石に上限の10倍というのは異常でありましょう。かなりの確率で後々大きな問題に発展することになるだろうと思われます。

近所のお医者さんに相談してみました。
やたらと話好きなドクターは私の説明を聞いた途端、
「えーっ？　1500ぅ？　そりゃーすごいなー。」と何故か感心し、
「ウチで今までで一番高かった患者、あれは誰だったっけ？」と、傍らの看護師に尋ね、
「え？　○○君？　そうそう、あのヒトだった。彼のカルテ、ちょっと持ってきて」　
手渡されたカルテを私に見せながら（いーのかよ、個人情報だぞ）、
「このヒトがねースゴイんだ、ほらほら…、えーと、うん？　あぁ1200かぁ、たったの」
と、ちょっとガッカリしてやがんの。
今までの病院最高値を上回る新たなレコード保持者として胸を張るべきなのか、健康上の大問題を恥じるべきなのか、態度を迷う私であります。

とにかく値を低下させる薬を処方してもらい、毎日服用しています。
老人性が増すこの頃です。