Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

心霊動画でよかですか?

2010-02-21 00:39:48 | オカルト
就学年齢に達していない頃の話です。私は少年になりかけのガキンチョでした。
その頃は夜が早かった。夕食を済ませ、お気に入りのテレビ番組をちょっと見て、柱時計が8時を知らせると、もう子供は寝る時間です。
当時は両親と弟と私の家族4人が同じ和室に布団を並べて休んでおりました。床に就き、部屋の灯りを落すと、暗いオレンジ色の常夜灯に寝室が落ち着いた雰囲気に変わります。
両親が寝室に来るのはそれから数時間後で、それまで寝室にいるのは私と弟だけ。幼い弟はとても寝つきが良く、その夜も彼の布団からはすでに規則正しい寝息が聞こえ始めていました。

枕に頭を載せると視界が斜め上を向きます。
私がいつも眠る前に見ていたのは柱の高い位置に貼られた一枚の色紙。
2歳の頃の私が両親に連れられて上野の動物園に遊びに行き、似顔絵師に描いてもらった色紙だそうです。筆で描かれた幼児の顔。少々垂れ気味の眼に幼さと無邪気さが見られます。朱色に塗られた唇が小さめに描かれており、よく言えば上品そう。
ただ、正直言って、あまり自分に似ているとは思えない絵でした。もしかしたら2歳の頃の私はそういう顔だったのかもしれませんが、仮にそうだったとしても、描かれてわずか数年後には本人にとって何のアイデンティティも感じない絵になっていたことになります。

毎晩眠る前に眺めていた自分に似ていない似顔絵。
その夜、異変に気がつきました。
口の部分が動いていたんです。唇だけがヒラヒラと動いており、他の部分には変化がありませんでした。オバチャンの時と同じです。
目の錯覚かと思いましたが、たしかに動いているようです。
これまたオバチャンと同じで、まったく恐怖は感じませんでした。暗がりの中で身を起こして柱に近づき、色紙を見上げると・・・、どうも動いているように見えるなぁ・・・。
蛍光灯のひもスイッチを引っ張って部屋を明るくすればもっとよく見えるはずですが、すでに寝入った弟の睡眠を邪魔するつもりはありませんでした。
より近くに寄って確認しようと思い、部屋にあった椅子を柱の下に動かしてその上に立ちました。至近距離でよく見ると、

「やっぱり動いてる!」

かなり早い動きだったと記憶しています。何かを話しているような動きではなく、かといって何かを食べている時の口の動きでもありませんでした。ただ闇雲に口だけを高速で動かしている、という感じ。アニメーションのパロディ。
思い出すに非常に気味が悪い光景です。でもその夜の私は恐怖を感じていません。目の前の不思議な出来事を冷静に観察していました。
「朱色に塗られた唇を同系色であるオレンジ色の常夜灯の下で見ると、こんなふうにチカチカ・ヒラヒラして見えるのかもしれない」
実際にはそんなことはないのでしょうけれど、幼児ながらも理論的に考えをめぐらせたのはさすが私であります。
とりあえず仮説は立てたので今夜はおとなしく眠り、翌朝、明るい光のもとで確認しよう。というわけで、その晩はおとなしく眠ったのでした。
翌朝、朝の光の中で見上げる色紙の絵は、当然のことながら(?)黙って微笑んだままです。唇は動いていません。
動かないのは自分で立てた仮説が正しかった証拠だ、と思い込んだバカな私は満足し、その途端、興味を失ってしまったのでしょう。前夜の不思議な出来事は誰にも知らせなかったと思います。
本当に仮説が正しいのであれば、翌日の夜も同じ常夜灯の下で唇が動くように見えたはずですが、バカなガキはそこまで追求しません。そして、同様の不思議な出来事は二度と起こらなかったのだと思います。少なくとも私が記憶しているのは、この時の体験だけです。
そのまま自分でも忘れていたのですが、易断家のオバチャンのはなしを聞いたことで記憶が蘇り、自分の体験もきっと何かの霊的な働きかけだったに違いないと、確信している次第です。

幼い私に誰が何を伝えようとしていたのでしょう?
その当時、身の回りで何かの不幸、もしくは重大な事件が発生したのか? 
たぶん何も無かったと思うのですが・・・。
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