20代の若い頃、オートバイでケニヤの地方を走ると決まって声をかけられました。たいていが「ちょっとそこまで乗せていってくれない?」というもので、ケニヤのヒトタチは乗り物を持っている人には誰彼構わず気軽に声をかけるようなんです。
大荷物を積んだツーリング中にも言われることがあって、こんな状態なのに、一体どこに乗るつもりなの? と尋ねると、「荷物の上」。特に冗談のつもりでもないみたいで、その証拠に目が笑っていません。マジで乗るつもりなんです。荷物の上に座られたら、中のものが損傷するでしょうし、何より重心が高くなって不安定です。お断りしました。見たところ緊急事態でもなさそうだし、他に交通機関が無いわけじゃないんだから。
せっかく手に入れたオートバイだから大事に使って長持ちさせよう、という考え方より、現在手元にあるものを最大限利用しよう、とする。そんなケニヤの方々の事例を以下にいくつかご紹介。
荷物の上に座ったっていいじゃん、乗れればさ。
この画像、よく見えませんが運転手を含めて4人乗ってます。
何かを最大限に活用しようとする時、周囲の迷惑あまり考えません。我々からすれば、これは絶対クルマで運搬すべきものだろう、というようなものもオートバイに乗せてしまう。
クルマを借りるとコストも余計かかるし、ちょっと工夫すればオートバイで運べるんだから、やっちゃおう。なあに、多少道幅取るけど周囲のヒトもわかってくれるさ。ということになる。
これ、トウモロコシの茎。牛のエサ。幅とりすぎ。追い越せない。
これも迷惑。でも警察からもおとがめなし。
ベッドをオートバイで運ぶかー?
たぶん3台くらいチャーターすれば、オートバイで引っ越しできますね、ケニヤでは。
これ、なんだかわかります?三人掛けのソファ。
画像はありませんが、ヒトがソファに腰かけたまま移動しているのも見たことがあります。
画像が無くて今回ご紹介できなかったのですが、先日は子牛(もちろん生きているやつ)を乗せて走っているオートバイを目撃しました。追い越すときにその小牛と目が合ったのですが、そのモーちゃん、明らかに困惑しておりました。
最も多いのは中国のメーカー「Haojin」社製のもので、125ccクラスが多いようです。
大きな荷台があるでしょうから、頑固な名車のホンダのカブ?ではないか。
それにしても楽しい国だ。
空のドラム缶を運んでみたいな。