カレーライスは各家庭の個性が出る料理だと思います。
妻が作るのはとろみの少ないタイプのカレーです。カレー汁。
粘り気の少ないインディカ・ライスを皿に平べったく盛り付け、カレーをかける。汁がライスの下に抜け、具がライスの上に残ります。
食感がネコマンマに似ていて私好みです。
本日のカレーは挽肉がメインのキマカレー。オクラがトロトロに煮込んであり、とてもおいしい。
ウメーウメーと食べていたら何か硬いものを噛んだ感触があり、次の瞬間、強い香りが口中を満たしました。
うっ! なんだ?
たまらず、吐き出してよく見るとカルダモンでした。
妻によると、いつもカレーを作る時は香り付けにカルダモンとクローブ12個づつを数えて投入し、そろそろ出来上がり、という時にオタマですくって探し、全部回収するんだそうです。
寸胴鍋のどこにあるのかわからない香辛料をすべて回収するのに、何回オタマですくうのか、ちょっと想像できませんが、かなり根気の要る作業だと思います。
「ゴメンネ、いつもは全部回収できるんだけど、今回はカルダモンは9個しか見つけられなかった」
いや、9個見つけただけでもたいしたもんだ。
オカワリした私はすくいきれなかった3個のカルダモン、すべてを口中で発見することになりました。私はこういうの、運が悪くてよく当たるんです(変な表現ですが)。
10数年前のスリランカ。
スリランカでの食事はほとんどがカレーでした。
ある晩、私が独りで食事をしている時、急に停電になりました。
ハウスボーイがすかさずキャンドルを灯してくれます。
キャンドルの揺らめく明かりが照らす食卓というのも、雰囲気があって良いものです。
キャンドルの明かりに黄色味を増したカレーをおいしく味わっていた時、凄い香味が口中に充満しました。
うわ、強烈。何だ、このスパイスは?
口腔内から鼻に抜ける香りが異質でした。普通、カレーの香料は食欲を増進させますが、その香りは逆に食欲をなくすほど独特で強烈だったのです。
ちょっと耐えられなくなって、咀嚼していたものを数枚重ねたティッシュペーパーに吐き出しました。一体何が入っていたんだろうと思ってよく見ると、カレーの中から一匹のカメムシがよたよたと這い出てきました。
スパイスではなく、カメムシの臭いだったんです。道理で強烈なはずだ。
テーブル上のキャンドルの灯りに寄ってきたカメムシがカレーの中に墜落したのでしょう、それに気づかず、食べちゃった。カメムシの踊り食い。
タイの東北部ではカメムシを乾煎りして、その強い香りを料理のスパイスに使うと聞いたことがあります。でもやっぱりナマは無理。
そんな昔のことを妻と話しておりましたら、娘が手を伸ばして皿の上に残しておいたカルダモンをつまみ、口に入れてしまいました。
あわてて止めたのですが、平気な顔をしてクチャクチャ噛んで飲み込んじゃいました。
吐息がカルダモンの強い匂い。
・・・すげーなー。きっと生のカメムシも食えるぜ、お前なら。
妻が作るのはとろみの少ないタイプのカレーです。カレー汁。
粘り気の少ないインディカ・ライスを皿に平べったく盛り付け、カレーをかける。汁がライスの下に抜け、具がライスの上に残ります。
食感がネコマンマに似ていて私好みです。
本日のカレーは挽肉がメインのキマカレー。オクラがトロトロに煮込んであり、とてもおいしい。
ウメーウメーと食べていたら何か硬いものを噛んだ感触があり、次の瞬間、強い香りが口中を満たしました。
うっ! なんだ?
たまらず、吐き出してよく見るとカルダモンでした。
妻によると、いつもカレーを作る時は香り付けにカルダモンとクローブ12個づつを数えて投入し、そろそろ出来上がり、という時にオタマですくって探し、全部回収するんだそうです。
寸胴鍋のどこにあるのかわからない香辛料をすべて回収するのに、何回オタマですくうのか、ちょっと想像できませんが、かなり根気の要る作業だと思います。
「ゴメンネ、いつもは全部回収できるんだけど、今回はカルダモンは9個しか見つけられなかった」
いや、9個見つけただけでもたいしたもんだ。
オカワリした私はすくいきれなかった3個のカルダモン、すべてを口中で発見することになりました。私はこういうの、運が悪くてよく当たるんです(変な表現ですが)。
10数年前のスリランカ。
スリランカでの食事はほとんどがカレーでした。
ある晩、私が独りで食事をしている時、急に停電になりました。
ハウスボーイがすかさずキャンドルを灯してくれます。
キャンドルの揺らめく明かりが照らす食卓というのも、雰囲気があって良いものです。
キャンドルの明かりに黄色味を増したカレーをおいしく味わっていた時、凄い香味が口中に充満しました。
うわ、強烈。何だ、このスパイスは?
口腔内から鼻に抜ける香りが異質でした。普通、カレーの香料は食欲を増進させますが、その香りは逆に食欲をなくすほど独特で強烈だったのです。
ちょっと耐えられなくなって、咀嚼していたものを数枚重ねたティッシュペーパーに吐き出しました。一体何が入っていたんだろうと思ってよく見ると、カレーの中から一匹のカメムシがよたよたと這い出てきました。
スパイスではなく、カメムシの臭いだったんです。道理で強烈なはずだ。
テーブル上のキャンドルの灯りに寄ってきたカメムシがカレーの中に墜落したのでしょう、それに気づかず、食べちゃった。カメムシの踊り食い。
タイの東北部ではカメムシを乾煎りして、その強い香りを料理のスパイスに使うと聞いたことがあります。でもやっぱりナマは無理。
そんな昔のことを妻と話しておりましたら、娘が手を伸ばして皿の上に残しておいたカルダモンをつまみ、口に入れてしまいました。
あわてて止めたのですが、平気な顔をしてクチャクチャ噛んで飲み込んじゃいました。
吐息がカルダモンの強い匂い。
・・・すげーなー。きっと生のカメムシも食えるぜ、お前なら。