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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

足を引っ張るもの 1/2

2010-03-07 01:06:28 | オカルト
幼児の頃、私は時折「幽体離脱」を経験しておりました。
布団に入り、身体が温まり、気持ちが落ち着いてくると徐々に眠さが増してきます。眠りの世界に引き込まれる直前、ふと気づくと目の前に天井の板がある。えっ? と驚いて目を見開くと就寝した時と変わらず私は布団の中におり、あれー? 今のはなんだったんだろう? 確か天井を間近に見ていたようなんだけど・・・。 
腑に落ちないまま再び眠りの姿勢に戻り、しばらくすると目の前には天井。わっ、まただ! 
こういうことが何度もあり、そのうちに自分が空中に浮かび天井に近づいていることに気がつきました。そして更に経験を重ね、その浮遊感を面白がるようにもなりました。
毎日ではありませんでしたが、眠りに落ちる直前の半覚醒の状態のとき、天井が変に歪んで見えることがあって、その状態で天井に近づくように意識すると、かなりの高確率で浮遊を楽しむことができるようになったのです。
浮遊中はとてもデリケートな状態で、急に身体を動かすと覚醒してしまいます。覚醒すると浮遊していた意識が瞬時に身体に戻り、幽体離脱状態が解けてしまいます。考えますに、私の幽体離脱は非常に不完全なもので、意識が身体にかなり残った状態だったのではないかと思います。
ですから身体を動かすとは言っても、あまり複雑なことはできず、自身の身体が寝ている上空に留まり、ごくゆっくりと頭をめぐらして周囲を見るくらいのことしか出来ませんでした。
しかしこれは楽しい経験でありました。普段は経験できない高い視点から部屋の中を見ることができたのです。
それはきっと夢だったのだ、と言われてしまえば何も反論できません。ですが、天井から鎖で吊られた蛍光灯の笠の上に埃がたまっていた様子など、普段の子供の視点からは見えない光景をとてもリアルに覚えており、あの体験が単なる夢だったとは思えません。
というわけで、「幽体離脱」なんていう言葉は知りませんでしたが、魂というか精神というか、そういうものは身体から離れることもある、と、なんとなく分かっていたんです。

それからしばらく後の話。
私は高校3年生。確か秋が深くなる頃で、受験勉強もかなり大詰めになる季節でした。
ある日の深夜。
さほど良くないアタマを限界近くまで使って勉強に集中していた私は、床に就きます。疲れていたせいか、布団に入った途端、私はすぐに眠りについたようです。布団を引っ張り上げた両手を胸の上で交差したまま。
その晩、私は人生で最初の「金縛り」を経験します。
眠りに落ちてからどのくらい経ったのか定かではありませんが、強い衝撃を受けて気がつくと、身体がまったく動きませんでした。何かの型にはめられたようで、自分の身体であるにもかかわらず、意志の力では微動だにしません。
あ、これが噂の金縛りか! と瞬時に理解しましたが、事態はそれだけではなかったのです。
(この項、続く)
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心霊動画でよかですか?

2010-02-21 00:39:48 | オカルト
就学年齢に達していない頃の話です。私は少年になりかけのガキンチョでした。
その頃は夜が早かった。夕食を済ませ、お気に入りのテレビ番組をちょっと見て、柱時計が8時を知らせると、もう子供は寝る時間です。
当時は両親と弟と私の家族4人が同じ和室に布団を並べて休んでおりました。床に就き、部屋の灯りを落すと、暗いオレンジ色の常夜灯に寝室が落ち着いた雰囲気に変わります。
両親が寝室に来るのはそれから数時間後で、それまで寝室にいるのは私と弟だけ。幼い弟はとても寝つきが良く、その夜も彼の布団からはすでに規則正しい寝息が聞こえ始めていました。

枕に頭を載せると視界が斜め上を向きます。
私がいつも眠る前に見ていたのは柱の高い位置に貼られた一枚の色紙。
2歳の頃の私が両親に連れられて上野の動物園に遊びに行き、似顔絵師に描いてもらった色紙だそうです。筆で描かれた幼児の顔。少々垂れ気味の眼に幼さと無邪気さが見られます。朱色に塗られた唇が小さめに描かれており、よく言えば上品そう。
ただ、正直言って、あまり自分に似ているとは思えない絵でした。もしかしたら2歳の頃の私はそういう顔だったのかもしれませんが、仮にそうだったとしても、描かれてわずか数年後には本人にとって何のアイデンティティも感じない絵になっていたことになります。

毎晩眠る前に眺めていた自分に似ていない似顔絵。
その夜、異変に気がつきました。
口の部分が動いていたんです。唇だけがヒラヒラと動いており、他の部分には変化がありませんでした。オバチャンの時と同じです。
目の錯覚かと思いましたが、たしかに動いているようです。
これまたオバチャンと同じで、まったく恐怖は感じませんでした。暗がりの中で身を起こして柱に近づき、色紙を見上げると・・・、どうも動いているように見えるなぁ・・・。
蛍光灯のひもスイッチを引っ張って部屋を明るくすればもっとよく見えるはずですが、すでに寝入った弟の睡眠を邪魔するつもりはありませんでした。
より近くに寄って確認しようと思い、部屋にあった椅子を柱の下に動かしてその上に立ちました。至近距離でよく見ると、

「やっぱり動いてる!」

かなり早い動きだったと記憶しています。何かを話しているような動きではなく、かといって何かを食べている時の口の動きでもありませんでした。ただ闇雲に口だけを高速で動かしている、という感じ。アニメーションのパロディ。
思い出すに非常に気味が悪い光景です。でもその夜の私は恐怖を感じていません。目の前の不思議な出来事を冷静に観察していました。
「朱色に塗られた唇を同系色であるオレンジ色の常夜灯の下で見ると、こんなふうにチカチカ・ヒラヒラして見えるのかもしれない」
実際にはそんなことはないのでしょうけれど、幼児ながらも理論的に考えをめぐらせたのはさすが私であります。
とりあえず仮説は立てたので今夜はおとなしく眠り、翌朝、明るい光のもとで確認しよう。というわけで、その晩はおとなしく眠ったのでした。
翌朝、朝の光の中で見上げる色紙の絵は、当然のことながら(?)黙って微笑んだままです。唇は動いていません。
動かないのは自分で立てた仮説が正しかった証拠だ、と思い込んだバカな私は満足し、その途端、興味を失ってしまったのでしょう。前夜の不思議な出来事は誰にも知らせなかったと思います。
本当に仮説が正しいのであれば、翌日の夜も同じ常夜灯の下で唇が動くように見えたはずですが、バカなガキはそこまで追求しません。そして、同様の不思議な出来事は二度と起こらなかったのだと思います。少なくとも私が記憶しているのは、この時の体験だけです。
そのまま自分でも忘れていたのですが、易断家のオバチャンのはなしを聞いたことで記憶が蘇り、自分の体験もきっと何かの霊的な働きかけだったに違いないと、確信している次第です。

幼い私に誰が何を伝えようとしていたのでしょう?
その当時、身の回りで何かの不幸、もしくは重大な事件が発生したのか? 
たぶん何も無かったと思うのですが・・・。
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オバチャンのはなし 3/3

2010-02-14 01:43:19 | オカルト
易断家のオバチャンの家で、夜中に義両親の遺影が動くというハナシ、続編です。

次の日の夜もオバチャンはその部屋で眠りました。
寝支度を整えて件の部屋に入りますと、義両親の遺影は口だけでなく顔全体が動くようになっていました。
当然のことながら、表情がかなりリアルになっています。
二人ともオバチャンに何かを訴えようとしている様子。しかしそれがうまく伝わらなくて切羽詰ったような表情で、わかってくれないオバチャンに対して叱るような表情さえ見せたんだそうです。
オバチャンにしてみれば、読唇術に長けているわけではありませんし、何もできないまま鴨居の下に立ち、額の中で動く義両親の顔を見上げ、二つ三つため息をついたあとに前夜と同様、床に就いたのでした。

閑話休題。
心霊が写りこんでしまった写真を「心霊写真」と呼びますよね?
オバチャンが体験したのは、もともとは普通だった写真が(たぶん霊的な力で)動き出した、というもので、ちょっと違うと思います。こういうのは何と呼ぶのでしょう?
「心霊動画」が最適だと思えるんですが、一般的には単に心霊が映っているビデオ映像をそう呼びますよね?
やっぱりポルターガイストかなぁ?

さて。
オバチャンはその翌日も同じ部屋に就寝しました。
「その夜はすごかったのよー」
えっ、どしたの? 何があったの?
「二人とも写真から飛び出してきたの」
どっひゃーっ。
伝えたいことがなかなか伝わらないオバチャンに対するもどかしさが募ったのか、義両親が写真から飛び出してきたんだそうです。床に就いているオバチャンの枕元の両側に身体を屈め、何か訴えているんだそうですが、何も聞こえない。
これ、正真正銘の幽霊ですよね。
夫婦揃ってあの世からこちらに出てきて、生前とても親しかった間柄の人物に伝えたいことがある。だけど何も伝えられない。なんだか気の毒に感じます。

で、オバチャンどうしたの?
「寝た」
…やっぱ常人じゃないよ、オバチャン。幽霊にはさまれて眠れるかー、普通?
ま、とにかく、無事に夜が明けたわけです。(この状況を無事と呼べれば、ですけど)

そしてその朝、訃報が届きます。
家族にとって、とても親しかった方が亡くなったという知らせでした。どうも孤独死だったらしく、発見されるまでに少々時間がかかったらしい。
遺影のある部屋で休んだのを機会に、義両親がそれをなんとか伝えようとしていたのではないか、と、オバチャンは言ってました。それというのも、その訃報が届いた日の晩からは遺影は遺影のままで、何の動きも見せないようになったんだそうです。
オバチャンはごく簡単に説明してくれただけでしたが、義両親二人の霊が必死にその死を伝えようとしていたことから、亡くなった方はきっととても深い関係にあった方なのだろうと想像します。
その出来事のあと、オバチャンはいろんなことがわかるようになり、つまりは占う力を授かった、と。

このお話はここで一応おしまいなんですが、関係するエピソードがあります。
実は幼少の頃、私もこれに似た体験をしているんです。
その話は、いずれまた。
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オバチャンのはなし 2/3

2010-02-12 00:16:10 | オカルト
易断家のオバチャンが占いの能力を身につけたキッカケのハナシ、続編です。

ある日、急なお客を数日間に渡って自宅に泊める必要が生じました。
家族が使っている部屋を色々とアレンジして一部屋を来客用に用意した結果、オバチャンは普段は使っていない部屋に寝ることになります。そこは通常あまり使わないものを入れておく、いわば物置のように使っている部屋で、その他には別に特徴のある部屋ではありませんでした。就寝した際に鴨居に掛けられた夫の両親の遺影が、視界の正面になることを除けば。
常夜灯の薄暗いオレンジ色の明かりの中で、死んだヒトの写真がこちらを見つめている・・・と書くと、ちょっと薄気味悪さが漂いますが、オバチャンにしてみれば長く同居し、亡くなる時にも自分が看取った舅と姑です。気味が悪いなんてことはなくて、むしろ「お二人とも、おやすみなさい」と心の中で声を掛けて、眠りに就こうとしたのです。
ところが、その遺影、なんか変なんです。
二人の写真の口の辺りが、動いているように見えるんです。
「まさか写真の中の人物が動くなんて、そんなことあるわけないわよねー」
でも確かに動いているように見える。
暗がりの中で身を起こし、よっこいしょっと立ち上がったオバチャンは、確認するために近くに寄って写真をよく見ました。

「あ、やっぱり動いてる!」

額に納まった写真の中で、舅も姑もおしゃべりをするように口を動かしているんです。動いているのは口だけで、他の部分は写真のままです。目は相変わらず一点を見つめ、鼻や耳も動いていません。ただ口だけがパクパクと開閉運動を続けており、更に目を凝らしてよく見ると口の周辺のシワなども動いているんです。
中の人物が動く遺影。
メチャクチャ恐ろしいシチュエーションですが、オバチャンはまったく恐怖を感じなかったんだそうです。

「不思議なことがあるものねー」

いや、この状況を怖がらないことの方が不思議なんだけど。
オバチャンは変に納得しつつ再び床に戻り、翌朝までぐっすり眠ってしまったんですって。
このあたり、中年女性の強さというか鈍感さというか、いかにもオバサンっぽい反応で笑えちゃうんですが、とにかく無事に夜が明けたのです。
(この項、更に続く)
コメント (2)
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オバチャンのはなし 1/3

2010-02-10 01:23:44 | オカルト
知り合いに易断家のオバチャンがいます。
易断家というのはいわゆる占い師で、オバチャンは特に失せ物探しや尋ね人の分野がお得意みたいです。
灯りを落とした静かな部屋に座り、心を静め、知りたいことを問い、精神を統一して待つことしばし。すると、答えが得られるのだそうです(その答えを仮に「お告げ」とします)。
お告げは非常にシンプルなもので、単純な二者択一の答えしか得られないんですって。
例えば、しばらく前から連絡が取れなくなってしまった大事な友人が現在どこにいるか知りたいので占ってください。という依頼があると、
 ① その友人が存命中か否かを占う → 「存命中」というお告げ
 ② 同じ市内にいるか否か → 「市外」というお告げ
 ③ 方角で言えば東か西か → お告げなし(どちらの方角でもない)
 ④ では北か南か → 「北」というお告げ
 ⑤ 東北地方か北海道か → 「東北地方」というお告げ
 ⑥ …以下、輪を狭めてゆくように質問を続ける
と、かように多くの過程を経なければならず、加えて、それぞれの質問に対する答えがすぐに返ってくるわけではなく、数分の時もあれば一晩以上かかることもあるそうなんです。時間はかかるし、精神統一のために体力は消耗するし、かなり効率が悪い。
でも得られる答えはことごとく当たっており、着実に正解に近づいてゆくことが出来るらしい。
私自身は占ってもらった経験はなく、その信憑性については何の確信もないのですが、「二者択一のシンプルな占いで、すぐに答えが得られるわけではない」という都合の悪さに妙なリアリティを感じます。

オバチャンは幼い頃からこういう能力を持っていたわけではなく、きっかけとなるある不思議な出来事があったのだそうです。
(この項、続く)
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