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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

キャンディの幽霊屋敷

2011-02-05 00:06:55 | オカルト
キャンディのシャーマンのおかげで幽霊屋敷から霊がいなくなった話、続編です。

シャーマンがくれた油でランプを灯すことで、霊の気配が消えました。
こういうのはお礼参りが肝心。きちんとお礼しとこう。
妻と二人で例のシャーマンを訪ね、頭を下げました。

頂いた油で三週間、灯を点しました。おかげさまで気持ちよく生活できるようになりました。

と言ったところ、件のシャーマンは怪訝そうな顔で我々の顔を見比べ、

「旦那さんの家? いーえ、私が感じたのはあなたが住んでいる家にいる霊のことよ・・・」

と、妻を指差したのです。

うっそーん! キャンディにもいるのー?

顔を見合わせて驚く我々にシャーマンは新たな油をもう一瓶渡し、

「もう三週間、今度はあなた(妻)の家で同じようにランプに灯を点しなさい。前にも言ったようになるべく家の中心に近いところにランプを置くこと。いいわね」

キャンディに借りた家は丘の中腹に位置していて眺めが良く、もともとはオーナーがゲストハウスとして経営していた大きな家です。宿泊客が使うことを想定して作られたダイニングは広々としていて明るく、陰湿なイメージは全然ありません。
しかしながら、ゲストハウスとして開店して以来我々が借りることになるまでの1年半の間、実は宿泊客がまったくおらず、誰も泊まったことがない、という事実がちょっと気になるところでありました。

帰りの車中で妻が言うには、

 * 実は最近妙な気配を感じている。
 * 例えば他の部屋に入る時、ドアを開けた途端に目には見えない何者かが出てきて、その気配がスルリとすぐそばを通り過ぎるのを感じたりする。
 * 視界の隅に黒い人影が見えることさえある。
 * 先日は、娘のブランコがひとりでに揺れているのを目撃した。

キャンディの家の庭には私が娘のためにこしらえたブランコがあり、ある日の夕方、それがまるで誰かが乗って漕いでいるかのように揺れていたと言うのです。もちろん無人のまま。
(この話をすると決まって、風で揺れたんだろう、と疑うヒトがいるのですが、通常ブランコの板は地面に水平で風の抵抗をほとんど受けないので、強い風が吹いてもヒトが乗っているようには揺れません)

うわ、それ、やばいでしょー!
お昼のワイドショーなんかで紹介される心霊体験のエピソードそのものじゃん。
あんた、そんな怖い体験しといて、なんで今まで黙ってたの?

「心配かけるといけないと思って」

・・・俺、立場ないじゃーん・・・。

その後、キャンディの家でも三週間に渡って毎日、農場の家と同様にランプを点しました。
霊は静かに出て行ってくれたようで、ブランコがひとりでに揺れることは二度とありませんでした。

時々考えるんですが、キャンディの家にいたというその霊、ひょっとしたら農場の家から私が連れてきた霊だったのかも知れませんよね・・・。
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スリランカの幽霊屋敷

2011-02-03 22:09:14 | オカルト

ちょっと間が空いてしまいましたが、スリランカの幽霊屋敷の話、続編です。

前回は、頻繁に霊障が起こる家を借りた私が、お経のカセットテープとお香の煙で対抗する、というところまで書きました。(参照:「俺にかまうと後悔するぜ」と「閉め出さないで)

 

週末には妻子が待つキャンディの家に帰りました(私が勤務する農場周辺は人口が少なくて不便なので、妻子は島中央部の町・キャンディに借りた家に住んでいたんです)。

キャンディに帰った時、私はかなり憔悴していたと思います。毎晩焚きこめるお香の濃厚な煙にあたって目が充血していましたし、更に恐怖心を紛らわすために飲むウィスキーのせいで喉がガラガラに荒れていました。

 

キャンディは島の中央部の丘陵地帯にある、コロンボに次ぐスリランカ第二の都市です。

町からちょっと離れた静かな丘の中腹に借りた家は風光明媚で開放感があり、気分の良い場所でした。

週末は久しぶりにぐっすりと眠ることができました。深酒せずとも、またお香の煙がなくとも、安心できる平和な夜でした。

そんな楽しい週末はあっと言う間に過ぎて月曜日の朝。農場に戻らなくてはなりません。また恐怖の日々が始まるのです。

当初、心配させるといけない、と思って妻には黙っていたのですが、もしかすると事態が悪化する可能性も考えられ、結局は相談することになりました。

そしたらさすが我が妻。悪魔払いが得意なシャーマンが市内にいるらしい、というのです。

 

おお! そんじゃそのヒトに頼んで霊を追っ払ってもらおう! 

 

と、勇んで立ち上がりかけた私を妻は止め、

 

「あたしが行って相談してくるから、とりあえずアンタは仕事に行きなさい」

 

忙しい時期でもあり、泣く泣く農場に戻る私でした。

 

その後、妻はスリランカ人の知り合いに教わったシャーマンの家を訪ねます。

妻の顔を見たシャーマン(女性)が開口一番、

 

「あなた、家に得体の知れないものが出て困っているんでしょ?」

 

と、何も相談していないのに、言い当てたんだそうです。

顔を見ただけでこちらの悩みがわかっちゃうなんて、さすがシャーマン! 

ビックラこいた妻は、

 

そうそう、それで相談しに来たの。

 

と、うなづくと、シャーマンは妻の顔をしばらく眺め、

 

「・・・大丈夫。私が見たところそんなに悪い霊じゃない。家の中でちょっといたずらをする程度。それでも良い気持ちはしない、というのも理解できる」

 

そう言って油が入った壜を渡し、

 

「家の中で日没直前から30分間、この油を使ってランプを点(とも)しなさい。家屋の中心になるべく近いところで、毎日忘れずに三週間やること」

 

油は単なる燃料ではなく、何か特殊な「気」を込めるなどの処理が施されていたのだと思います。

次の週末、妻から油を受け取った私は農場の家で毎日ランプに火を点しました。私が留守の時には使用人のニマルに頼み、とにかく三週間、愚直に毎日、点灯作業を続けたのです。

気のせいもたぶんにあるかとは思いますが、ランプの灯りを点すことで恐怖心が薄れ、煙幕作戦も深酒習慣もせずに安らかな夜を迎えることができるようになりました。

家の中はもちろん、屋外にも霊の気配はありません。

 

おー、やったー! いなくなったー!

 

ようやく安心して生活できるようになったのでした。

しかし、話はまだ終わったわけではありません・・・。

 

(この項続く)

 
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閉め出さないで

2010-08-02 00:31:11 | オカルト

スリランカの幽霊屋敷で霊障に悩まされる話、続編です。

ドアのノブをガチャガチャと回されてビビッた私は、その夜ほとんど眠らずに朝を迎えました。
明るくなって安心しました。明けない夜はない。
しかし当然のことながら暮れない日もまた無い。
また夜が来たらきっと恐怖に震えることになるのです。

寝室を出た私は使用人のニマルをつかまえ、あんた、ひょっとして夕べ俺の部屋に来なかったか? と尋ねてみました。彼ではないことは確信しておりましたが、念のため訊いてみたんです。
玄関先を箒で掃いていたニマルは怪訝そうな顔で、

「いえ、行きませんよー。でもどうしてそんなこと訊くんです?」

もしかしたら信用してくれないかも、と思いつつも事情を話すと、ニマルは親身になってくれました。
基本的にスリランカの人たちはオカルティズムに理解があるんです(もしかしたら私の目が寝不足で赤く充血していたので、説得力が増したのかもしれませんが)。

昼間の勤務を終え、帰宅。
その後、間もなく日没。
また夜になってしまった・・・。

夕食後、こういう時はお香とお経だ、と断言したニマルは火熾(お)しに炭を入れ、家中でお香を焚いてくれました。
チンチンと熾きた炭の上にお香の粉をばっとかけると、もうもうたる煙が湧き上がります。
良い匂いのするお香ですが、これほど盛大に煙が出るとかなりの迫力があります。壁に張り付いていたヤモリが煙に中(あた)ったのか、ポトリと床に落ちました。
見慣れた室内に煙が充満してただならぬ状況となり、その見た目だけで、おお、これは効果あるかもー! と、まるで根拠がないにもかかわらず期待する私。
火熾しを持って部屋から部屋へ歩いてゆくニマルは、家中、もれがないようにベッドやソファやテーブルなどの下に火熾しを差し入れ、クローゼットや戸棚なども開けて、隅々まで煙を送ります。
悪さをされたキッチンの水道蛇口やバスルームの照明スイッチ、寝室のドアノブは特に念入りに煙で燻します。ゲホゲホと咳き込みながら、私もその後を付いて歩く。
寝室のラジカセでは大音量でお経のテープを再生しています。
ニマルによると、非常に名高い高僧によるありがたい読経テープだそうです。夜中、怖くなったら再生しろ、と言われたのですが、声がものすごく陰湿で、しかもなぜかエコーがかかっていてホラー風味たっぷりなんです。
試しにちょっと聞いただけなのに逆に怖くなってしまって、とてもじゃないけど独りの夜に再生できるシロモノじゃない。
今ならば煙が立ち込めているぶん雰囲気がにぎやかで、あまり怖くなくていいや、と思い、再生しました。
やっときゃ何かご利益があるだろう。

家中の部屋をもれなく回って煙を焚き込めたニマルは、これでゼッタイ大丈夫、と、爽やかな笑顔を見せ、じゃ、おやすみなさい、と引っ込んでしまいました。

また独りになってしまった・・・。
空気中を漂う煙はかなりしつこく、部屋はずいぶん遅くまで白く煙ったままでした。湿らせたバンダナで顔の下半分を覆い、煙から喉を守りました。
お経も再生したし、香も焚き込めたし、ニマルは爽やかに笑っていたし、今夜は何も起こらないのではないか、と、期待より確信に近い気分だったのですが、だからと言って無防備に就寝できるほど、私の肝っ玉は太くない。
昼間やり残したデスクワークを片付けたり、本を読んだりして、夜の時間を過ごしました。わざと何事も無いかのように普段どおりの行動をすることで、自分自身を勇気付けようとしていたのだと思います。

時計の針が午前零時を回り、そろそろナイトキャップを(普段より多めに)ひっかけて寝ちゃおうかな、と思い始めたときでした。

おや? なにか聞こえる・・・。

ヒトの話し声が聞こえてくるんです。
窓の外から。
気のせいじゃないかなー? と我ながら半信半疑。
そっと窓のそばに寄り、聞き耳を立てました。
ガラス窓の外側に鎧戸が付いており、夜間は当然どちらも閉めています。二重の窓を通して聞こえてくるのは、やはりヒトの声でした。
特に低くなく、むしろ甲高い声で、私にはわからない言葉で息継ぎもせずに綿々と続くつぶやき。
またも血の気が引きました。
全身に鳥肌が立ちました。

おーまいがー・・・。
あいつ、まだいるんじゃん・・・。

息継ぎもしないでしゃべり続けるなんて、普通のヒトじゃありません。
煙に燻し出された霊が、家の中に入りたくて恨み言を言っているのでしょうか? 
部屋の中には入って来れないらしい、とわかっていても、窓のすぐ外側に霊がいる、となるとやっぱり怖い。ものすごく怖い。

バンダナ・マスクをめくってウィスキーをラッパ飲みする私でありました。

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オカルト話の執筆時

2010-07-22 00:03:22 | オカルト
時々自分のオカルト経験を紹介しております。
このブログはたいてい夜間に書いておりますが、オカルト経験を執筆中、背後に変な気配を感じるときがあります。誰もいないのはわかっているけれど、一応振り向いて確認しないと安心できない、変な気配。
たぶん臆病者が無駄に敏感になっているだけだと思うのですが、でももしかしたら霊的な何かかも知れない。一般的にも、怖い話をしていると霊が近くに寄ってくる、などと言いますし。

やはりオカルト経験が豊富だった故景山民夫氏のエッセイにも同様の記述があります。
ホラー小説を執筆中に周囲に霊が寄ってきて、耳元で囁かれたり、机上のものを動かされたり、と、かなり具体的な迷惑を被ったそうです。
それが長編ホラー小説となると、氏の思考も長期間に渡って霊的な方向に向きっぱなしになってしまうため、霊が書斎内に居座ってしまうこともあるらしく、それを防ぐために室内には盛り塩をしたり、結界を張ったり、色んな工夫をしたんだそうです。

私が感じる妙な気配は、きっと臆病者の勘違いだとは思いますが、でも用心するに越したことはありません。
私の場合、霊について専門的な知識があるわけではないので、単純に執筆する場所を変えることにしました。オカルト関係の文章を書くときには自宅ではなく、終業後の職場に独り残って書くことにしたんです。
職場はいろんな人が頻繁に出入りする場所ですし、そういう意味では風通しが良いので、万が一、霊的なものを呼び寄せてしまったとしても、あまり長居はすまい、と楽観しています。
それに残業習慣がほとんどないラオスの職場は、終業時間後はすぐに静かになり、集中するにはもってこいの環境なんです。

以前紹介したスリランカの幽霊屋敷の体験も、職場に残って書きました。
静かな部屋で昔のオカルト事件を思い出しながら書き進めていると、当時の恐怖感が蘇ってきます。
あまり自覚はしていませんでしたが不安感が蓄積してくるのでしょう、周囲への物音などにもとても敏感になり、緊張感も高まってきます。胸がドキドキしてきます。

「寝室のドアノブがガチャガチャ!と音を立てて回った」というくだりを書いていた丁度その時、いきなり事務所のドアがガチャリ!と開きました。

うおっ!

計ったようなタイミングに驚いた私は、ビク!と身じろぎし、大きな声を出してしまいました。
ドアを開けたのは我々スタッフの終業後に仕事をする掃除係のオバチャン。誰もいないと思ったのに、ドアを開けたとたんに大きな声が聞こえてビックリしたのでしょう、彼女もキャッと声を上げました。
その声に反応して、更に驚く私。
ドアを開けたのは顔馴染みのおそうじオバチャンであるとわかってはいるのですが、何しろ思考があっち側に行っちゃっていて驚きやすくなっているものですから、簡単には止まらないんです。

うわあっ!

などと、不必要に大きな声を上げてしまう。
その大声に驚いてオバチャンも金切り声を上げ、それを聞いた私は更にパニックになり、どうしたらいいのかわからなくなりつつも驚愕継続。

きゃーっ!
わぁーっ!

顔を見合わせて大声をあげ続ける、夕暮れ時のバカ二人。
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俺にかまうと後悔するぜ。その2

2010-06-16 00:24:41 | オカルト
スリランカの幽霊屋敷で私が啖呵を切るハナシ、続編です。

啖呵を切ったその日から霊障が始まりました。向こうも生前イジメッコだったようで、その気になっちゃったみたいなんです。
ただ、さすがイジメッコだけあって、やり口がかなりセコい。

その日からゴハンに小石が混じるようになって、毎食不愉快な口当たりに悩まされました。

ある夜、私がトイレで沈思黙考していると、いきなり照明が消えました。暗闇。
トイレで真っ暗にされるとものすごく怖いです。オケツ丸出し状態で無防備ですし。
それに、ちゃんと拭けているか目視確認できないのですごく不便 (この場合、不便ならむしろ問題ないんですが・・・)。

照明関係では、シャワー中、シャンプーをすすいでいる最中に電気を消されたこともありました。すすぎの際は当然目をつぶっているわけですが、すすぎ終わって目を開けても真っ暗なんです。コレ、相当ビックリします。
安物シャンプーが目に入って失明したのか、と本気で思いましたもん。

また、別の夜、キッチンの冷蔵庫にビールを取りに行った時。
私の他には誰もいないはずの静かなキッチンでいきなり水道蛇口が開いてダーっと水が出てきました。
自分の身体の中で、血の気が引くときの「サーッ」という音が聞こえました。
極度に驚くと息が入ってくるばかりで逆に声は出ないものだ、と知りました。
水を出しっぱなしにしておくわけにもいかないので、震える手を伸ばして触りたくない蛇口をひねって水を止め、寝室に逃げ戻る。足に力が入らなくて、よたよたしてしまう。
ドアを閉めてすぐに施錠。

な、なんなんだよー、いったいー。

ラジオのスイッチをひねり、何を言っているのかサッパリだけど、とりあえず陽気な雰囲気のシンハラ語の深夜放送で怖さを紛らわす。ビールを忘れてきてしまったので、部屋にあるウィスキーをラッパ飲みする。こういうときは強い酒の方が頼もしい。
部屋の照明と意味不明ながらもにぎやかなオシャベリに元気づけられ、また徐々に体内に蓄積してゆくアルコールの作用で気分が落ち着いてきました。もちろん、まだ怖いんだけど。

しかし、やり方がセコすぎやしねーか?
電気消したり、蛇口ひねったりして脅かすなんて。
まるでガキのイタズラじゃねーか。

改めて考えてみたら、コケにされているようでだんだん腹が立ってきました。
アルコールに含まれる「勇気成分」がアセトアルデヒドと融合して「怒気」となり、私のイジメッコ根性が化学反応を起こして肥大。
ヒトコト言ってやらなくちゃ腹の虫が治まらない。こぶしを固めて椅子から勢いよく立ち上がりました。が、寝室から出てゆくほどの勇気はないので、施錠したままのドアに向かって、

こんのヤローっ! オメー、心底うっとーしーんだよっ!
俺が死んだら絶対イジメてやっかんなー! 覚えてろー、バーカ!

と、怒鳴りました。

その途端!
寝室のドアのノブがガチャガチャと音を立てて回ったのです!
ドアの向こうには誰もいないはずなのに、ドアを開けようとする何者かがいるんです!
ノブを回す勢いには、あきらかに私の発言に対する強い怒りが含まれておりました。
一気に酔いが醒めました。血の気が引く音を再び耳にしました。

うわああああああ! ごめんなさーい!
死んでも仕返しに来ないからー、もう許してくださーい!

と、ベッドに突っ伏して泣きながら許しを乞う私でありました。
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