Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

こんなにも新しい生

2013-11-16 14:13:49 | 日記

★すべてが、皆が、樹々の下でうち震え、笑いさざめき、皆にとってこんなにも新しい生に驚嘆し、その震えのなかに、奇妙にもじっと動かぬ何ものかが、様子を窺いつつ、保留され、庇護されていた、何も言わずに祈り続ける人のように。すべてが全員のものだった。誰もが自分のなかでは一人だった。いや、違ったかも知れない。要するに、にこやかで凶暴だった。

★ こんな風に言えばあるいは説明がつくかも知れない。ある真新しい自由が、古臭い秩序を打ち破り、死んだ皮膚を貫いて道を切り開く。そして父も祖父もなかなか消し止められないのだ、この眼の輝き、こめかみのヴォルテージ、静脈に脈打つ血の快活を。

★ おそらく認めねばならないのは、革命あるいは解放というものの――漠たる――目的は、美の発見、もしくは再発見にあるということだ。美、即ち、この語によるほかは触れることも名づけることもできないもの。いや、それよりも、盛んに笑う傲岸不遜という意味を、美という言葉に与えよう。


<ジャン・ジュネ“シャティーラの四時間”(インスクリプト2010)>