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SCOOP!

2017-08-19 15:38:00 | 映画
福山雅治さん主演の2016年10月公開の映画

芸能ゴシップネタばかり狙うパパラッチ。ありとあらゆる方法でスクープ写真を狙う。
そんな、パパラッチの都城静役を福山雅治さんが演じる。

実は、都城は20世紀最大の戦場カメラマンとして知られた故ロバート・キャパ(実在の人物)に憧れ、報道カメラマンになり、数々の報道スクープを取ってきた実績のある敏腕カメラマン。しかし今は芸能スキャンダルネタ専門のパパラッチと言う設定。

そこに二階堂ふみさん演じる行川野火が新人記者として現れ、野火によって新たな一歩を踏み出すことになる都城。
しかし、都城の恩人だがヤク中の、リリーフランキーさん演じるチャラ源が、拳銃による殺人事件を起こし、
それをなだめているうちに都城が撃たれてしまうと言うストーリー。




最後まであっという間に観ることができた。




けども、




都城はどうしたい人なのかがちょっとはっきりしなかった。
ストーリー中でも「芸能スキャンダルばっかり狙うのも・・・」とあるから、報道に戻りたい気持ちがあるはず。
しかも、写真誌の編集長(に劇中でなる)の横川定子(吉田羊さん)は元妻。別れても、都城の復帰を望み、仕事を続けさせるし、フリーカメラマンの都城に専属になれと言い行川野火を押し付ける。

都城の葛藤のようなものを映画の中でもう少し入れても良かったんじゃないのかと。色々やり方はあったはずなのに。
そこは大事なので、わかりやすくして欲しかった。

そして、チャラ源の事件。結末には文句はないけど、チャラ源の事件を絡ませる前に、都城が報道に戻ると言う決断をして、まさに報道カメラマンとしてスクープをモノにしようとしておかないとチャラ源の事件で駆けつける所の葛藤が足りなくなる。

ストーリーもわかるし、やりたいこともわかるけど、肝心な所がぼやけていて、話の折り返しがはっきりしないのが気になった。


さて、何がいけなかったのか。

もっと、Aを選ぶのかBを選ぶのか、さあ、どうする!みたいなのがないと、話が簡単過ぎてしまい、やってることがうわすべる。
報道に戻りたいのはなぜ?きっかけはどこ?チャラ源に都城が撃たれることの意味は?
そう言う所が足りない。伝わりきれていない。そんな気がしました。

前半のチャラさ加減というかやさぐれ感が足りない。もっとやさぐれてほしい。
やさぐれる前の象徴的な何かもほしいし、それを否定している表現もほしい。
その上でやさぐれることになった理由で、都城がどんな葛藤を経てスキャンダルカメラマンになったのか。
だからやさぐれ倒すぐらいやさぐれたひどい人物になっておく必要があったと思う。
そこのトリガーと対照な所に、きっと報道カメラマンへ戻る動機となるトリガーがあるはず。それも必要。
そのトリガーは二階堂ふみなのか?何かあるはず。
チャラ源に撃たれた都城というシーンは、都城から未来を奪うシーン。これを効果的にするには、都城が未来を描いていないと行けない。しかもそれが行川野火が理由だったら、二人の絡みの後のシーンで描くべきだが描きたりていない。


面白かったけど、もっともっと面白くできる。
福山さんじゃなくもっと小汚い俳優さんがやるとどうなるのかなとも思う。
御社はひどければひどいほどいいはずが、福山さんという素材がそこを足りなくしていると思う。


監督・脚本:大根 仁
主演:福山雅治
   二階堂ふみ、リリーフランキー、吉田羊