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18年にもなりますか

感じた事、出来事、いろんなこと書き綴ってます。

母と暮らせば

2015-12-20 16:51:00 | 映画
山田洋次監督、吉永小百合、二宮和也主演という事で、あちこちのテレビで大々的に宣伝、キャンペーンがはられている作品。

全体のトーンは山田洋二監督の世界。人間味あふれるシーン描写で埋められているが、山田監督自身が言う通り、原爆で死んだ息子と残された母親とのファンタジー映画になっている。

映画の見方はいろいろあるが、戦争の愚かしさをこのようなファンタジー映画でしっかり伝えてくれる力に圧倒される。いや、正しくいえば圧倒されるというよりも、こころ全体に問いかけられている映画である。

国を守るために戦った人たち、原爆で亡くなった人たちの存在を忘れるかのような、軽々しい言動は厳に慎まねばならない。

今の平和は、戦争で家族を亡くした人たちや、恋人を亡くした人たち、何もわからず死んでいった人たち、愛する人を残して戦争で戦うことを選んだ、選ばなければならなかった人たちの人生の数だけの思いの結果として存在している。

こういう人たちが居たことを絶対に風化させてはいけない。それを現代に生きる人たちにしっかり伝えてくれる映画である。



人は哀しみに打ちひしがれ立ち直れないほどになりながらも、生きていかねばならない。

心に大きな傷を作りながら、生きていることがたとえつらくても、生きていかなければならない。

易きに流れるのが人というものだから。

いや、今の時代自分を含めほとんどの人たちが、易き選択をしている。

だからこそ、この映画のような人間たちを描くことで問いかけているんだろう。



あなたの生き方は、この平和をもたらすために犠牲になった人たち、大きな悲しみを背負った人たちの前で、恥ずかしくなく見せられますか?と。


ファンタジーながら、テーマは極めて清廉、高潔。いい映画だと思います。


監督:山田洋次
脚本:山田洋次、平松恵美子
音楽:坂本龍一
主演:吉永小百合、二宮和也
   黒木華、加藤健一、浅野忠信

公式サイト:母と暮らせば



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Re:LIFE

2015-12-20 16:34:00 | 映画
 気軽に、本当に気軽に「前に進めばいいことがあるよ」と言ってくれている映画。 
オスカーの最優秀脚本賞を受賞したものの、その後は全くダメでついに食べるためだけに大学の先生という選択肢のみのこされた、脚本家キース・マイケルズを演じるヒュー・グラント。

 最初は、食べるためだけで全くやる気がなかった脚本の講義だったが、同じ客員教授のお局様から目をつけられ、また顔で選んだ生徒たちとのやり取りのなかから、それまでの人生では感じえなかった「人間らしさ」に少しずつ触れることで、自分の考え方も徐々に変わりついには…。

 コミカルさをおりまぜ、テンポもよく展開されるライトでハートウォーミングなドラマに仕上がっている。登場する人物たちが、それそうおうの味と存在感を示してくれているので展開にもメリハリがあるのでとても楽しめた。

 

監督・脚本:マークロレンス
主演:ヒュー・グラント、マリサ・トメイ
   J・K・シモンズ、アリソン・シャネイ、ベラ・ヒースコート、クリス・エリオット


公式サイト:Re:LIFE


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レインツリーの国

2015-11-28 15:24:00 | 映画
有川浩さん原作の映画。
今をときめく、キスマイの玉森裕太さん、西内まりやさん主演で、よくあるアイドル映画と思いきや、障害を持つ人の秘めたる悩みや社会の中での生きにくさと、それに不器用にもまっすぐに向かう主人公の葛藤をうまく描いている。

いわゆる障害者(障碍者)について、健常者(と思ってる、驕りがある)は、かわいそうな人だと思う部分が人によるがわずかながらある。
それの象徴的な物が日テレの24時間テレビでのドキュメンタリーやノンフィクションドラマだ。
そういった物とは一線を画す作品の様に思う。

素直にストレートに若い男の子が、女の子に恋をした。
その相手の女の子には、音階性難聴があった。その出会いの中で、男の子も、相手の女の子もそれぞれ悩み、勇気を持ち、次の一歩を踏み出す。

障害を持つ人への哀れみなど一つもない。女の子に対する上から目線の愛情もない。
極めてシンプルかつストレートに描かれている事に爽やかさを覚える。


彼らのファンは黙ってても観るだろうが、ファン以外の人が見てもいいと思う。

監督:三宅善重
脚本:渡辺千穂
主演:玉森裕太、西内まりや

11/29 追記

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黄金のアデーレ 名画の帰還

2015-11-28 15:09:00 | 映画
第二次大戦中に、ナチスに奪われた絵画を返せとオーストリア政府を訴えた、アメリカ移民したオーストリア人の実話を基にした作品。
訴えたのはマリア・アルトマン。自身の伯母アデーレの肖像画は、クリムトによる有名な絵画。

さてこの映画は、その訴えの行方を描いた様な単純な作品ではない。

なぜ、マリアがアメリカ移民という選択をしたのか?どういう歴史背景の中でその絵画が奪われたのか?という部分とその返却する事の意味について大きく訴えかけてくる。

そして映画のクライマックスでは、一つの絵画を元の持ち主のところへ返すという事が単なる一個人の問題ではない事を直接訴えかける。

戦争によって一般市民に何がもたらされるのか、という現実の一面を見せてくれている。なかなかいい作品。

監督:サイモン・カーティス
脚本:アレクシ・ケイ・キャンベル
主演:ヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズ
ダニエル・ブリュール


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ジョン・ウィック

2015-10-20 08:56:00 | 映画
さあ、キアヌの再始動だと観に行ったジョン・ウィック。

映画としてはストレートなハードボイルド。しかも容赦のないガンシーンが前面に押し出されている。
設定も役者も痺れるほどみんな渋い。大人の鑑賞に耐え得る様に考えられているが、残念なのはストーリーの中でのジョン・ウィック自身の葛藤が足りない点。

脚本を映画にするときにどこを丹念に描いてどこを削るかは中々難しいところだろうが、もう少し何かがあればジョンという人物への理解が深まり、エンディングに向けての爽快感につながったと思う。

いずれにせよ、キアヌファンはたまらんだろう。静かな怒りをクールに演じさせたらキアヌの右に出る者はいないんじゃないか。


監督:チャド・スタエルスキ
脚本:デレク・コルスタッド
アクション監督/スタントコーディネーター:ダリン・プレスコット

主演:キアヌ・リーブス
ウイレム・デフォー
イアン・マクシェーン
ミカエル・ニクヴィスト




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