日曜日の夕方5時過ぎ。もうすっかり日が暮れている。
僕は映画館に向かう。
今頃、それぞれの家庭では日曜日の楽しい夕餉を囲んでいる時刻だろう。
テレビを見ながらそれぞれ笑ったり、美味しいおかずを食べたり、冷えた缶ビールを飲み干したり・・・。
でも僕は映画館に向かう。
この映画を是非とも観たかったからだ。「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」。
最初、タイトルを聞いたとき、やられたと思った。中々いいタイトルだ、「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」。
上映時間まで、ロビーの椅子に腰をかけ、熱い珈琲を啜る。
誰もいない。日曜日の夜だもんなあ。普通は家でゆっくりと寛ぐのだろう。観客が俺独りだったら嫌だなあ・・・などと、くだらないことをぼんやり考える。
館内に入ったら、中高年の夫婦が一組座っていた。
まあ別にいいんだけど、「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」をわざわざ観に来る中高年の人もいるんだなあと、少し意外。
映画は、角川学園小説大賞を受賞した瀧本竜彦の同名小説を「虹の女神 Rainbow Song」の市原隼人が主演したもの。
実は、個人的に市原隼人って役者、あんまり好きじゃない。台詞もぼそぼそとよく掴み難いし、そんなに演技が上手いとも思えないのである。
共演の関めぐみも、それほど華やかさを持った女優ではない気がするし、監督の北村拓司も、CMを作っているという以外、予備知識はない。
でも物語がそそられる。
3人組でつるんでいた高校の同級生の仲間の一人が、突然バイク事故で急死する。そのことから、主人公は言いようの無い焦燥感を抱いていて、自暴自棄な生活を送っていた。
そんなある日、彼は、突然現われた謎のチェーンソーを持った大男と、絵里という名の制服姿の美少女との戦いに巻き込まれてしまう・・・。
荒唐無稽である。漫画である。批判もあるだろう。
しかし、この映画が、ギリギリの所でリアリティを失わずに光り輝いているその理由は、二人の高校生の等身大の存在感である。
なぜ、絵里がチェーンソーを振り回す大男と対で戦えるのか?
そもそも、チェーンソー男って一体誰なのさ?
そんなことはどうでもいい。
チェーンソー男は、自分自身の心に巣食っている「黒い塊」が具現化したものである。そういう見方だってあるじゃないか。
この映画には切なさがある。そして愛がある。
今年度ベストテン入り確実だなんて、そんなことは言いません。いっぱい穴もあるし、ダレる箇所だってたくさんある。
でも僕、この映画支持します。
僕は映画館に向かう。
今頃、それぞれの家庭では日曜日の楽しい夕餉を囲んでいる時刻だろう。
テレビを見ながらそれぞれ笑ったり、美味しいおかずを食べたり、冷えた缶ビールを飲み干したり・・・。
でも僕は映画館に向かう。
この映画を是非とも観たかったからだ。「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」。
最初、タイトルを聞いたとき、やられたと思った。中々いいタイトルだ、「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」。
上映時間まで、ロビーの椅子に腰をかけ、熱い珈琲を啜る。
誰もいない。日曜日の夜だもんなあ。普通は家でゆっくりと寛ぐのだろう。観客が俺独りだったら嫌だなあ・・・などと、くだらないことをぼんやり考える。
館内に入ったら、中高年の夫婦が一組座っていた。
まあ別にいいんだけど、「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」をわざわざ観に来る中高年の人もいるんだなあと、少し意外。
映画は、角川学園小説大賞を受賞した瀧本竜彦の同名小説を「虹の女神 Rainbow Song」の市原隼人が主演したもの。
実は、個人的に市原隼人って役者、あんまり好きじゃない。台詞もぼそぼそとよく掴み難いし、そんなに演技が上手いとも思えないのである。
共演の関めぐみも、それほど華やかさを持った女優ではない気がするし、監督の北村拓司も、CMを作っているという以外、予備知識はない。
でも物語がそそられる。
3人組でつるんでいた高校の同級生の仲間の一人が、突然バイク事故で急死する。そのことから、主人公は言いようの無い焦燥感を抱いていて、自暴自棄な生活を送っていた。
そんなある日、彼は、突然現われた謎のチェーンソーを持った大男と、絵里という名の制服姿の美少女との戦いに巻き込まれてしまう・・・。
荒唐無稽である。漫画である。批判もあるだろう。
しかし、この映画が、ギリギリの所でリアリティを失わずに光り輝いているその理由は、二人の高校生の等身大の存在感である。
なぜ、絵里がチェーンソーを振り回す大男と対で戦えるのか?
そもそも、チェーンソー男って一体誰なのさ?
そんなことはどうでもいい。
チェーンソー男は、自分自身の心に巣食っている「黒い塊」が具現化したものである。そういう見方だってあるじゃないか。
この映画には切なさがある。そして愛がある。
今年度ベストテン入り確実だなんて、そんなことは言いません。いっぱい穴もあるし、ダレる箇所だってたくさんある。
でも僕、この映画支持します。