
なんか、心が荒む、溜息しか生まれない、そんなニュースばかりが世間を跋扈している。絶望感しかないような、一切の希望を閉ざすような、そんな話題だけがこの国を襲っている、そんな気がして気分はいつも晴れない。
こんな暗いお正月ムードで本当にこの先いいんだろうか・・・。

先日テレビ観たお正月特番に対しても、「やれやれ・・・」という溜息しか出てこなかった。しかもヴァラエティ番組である。なんなんだろう、これって。
番組は、フジテレビ系の「千鳥の鬼レンチャン」。人気を博している「サビだけカラオケ」の、あの「千鳥の鬼レンチャン」だ。
レベルごとに楽曲のサビの部分を10曲連続で歌いきると100万円ゲット出来るのだけれど、音程を半音でも外すと即終了となってしまうというコーナーが面白く、1月7日の「夢のタッグモード!新春3時間SP」では、歌手の華原朋美がマルシアと「混ぜるな危険 劇薬タッグ」というチームを組み、番組の大トリとして登場したのである。これがあわや「放送事故」レベルの展開となった。華原朋美の大暴走が始まったのだ。

華原朋美が、マルシアに対して「つまんねぇなぁ~!」と不快感を露わにし、ひたすら彼女に毒を吐き続けた。最初は笑って観ていたけれど、だんだんとその喧嘩腰な態度にイヤーな気分になり、不快感だけが募ってゆく。
これには千鳥もかまいたちも引き攣って困惑の表情を浮かべていた。
ここまでやっちゃうと、笑いを通り越して怒りさえ覚えてくる。テレビに映らないところでやれよと。挑発するにもほどがあると。
第一、視聴者にはまったく関係ない。それでなくても暗いニュースが次々飛び交い続けているこの2024年新春に、こっちはせめても笑いで一息つきたいと思っているというのに・・・。

ということで、お口直しにNHK新大河ドラマ「光る君へ」を観た。
吉高由里子主演、脚本が大石静。平安時代を舞台にした「源氏物語」の作者紫式部の生涯を描いてゆく。
ただし初回は主役の吉高由里子が一切画面に登場せず、少女時代の「まひろ」としてその子役だけが登場し、彼女の家族とその当時の貴族社会の権力闘争の一端が語られる。
まひろ(吉高由里子)の生涯に大きな影響を与える藤原道長(柄本佑)までも柄本佑本人の登場は皆無で、子役が登場し、その二人の出会いだけが映し出されるのだ。

しっかし、この初回もまた、一切の希望がないような展開で、藤原道長(柄本佑)の次兄である藤原道兼に至っては、観ていて不快になるほどの徹底した悪人ぶり。初回ラストは衝撃的な悲劇がまひろの家族を襲うというバッドエンディングとなった。
あまりにも周囲の物事に敏感になっているだけなのかもしれないけれど、もう少し救いや希望ってないのかよ・・・。せめて、ドラマや映画やお笑いの世界だけでも。
何もかもが殺伐し過ぎてる!