君の不幸は、他人の指導理性の中に存するわけではない。
また、君の環境の変異や変化の中にあるわけでもない。
しからばどこにあるのか?
なにが不幸であるかについて判断を下す、君の能力の中にある。
ゆえに、その能力をして判断を控えさしめよ。
しからば、すべてがよくなるであろう。
君が、何か外的の理由で苦しむとすれば、
君を悩ますのはそのこと自体ではなくて、
それに関する君の判断なのだ。
今日、私は、あらゆる煩労から抜け出した!
というよりも、むしろ、あらゆる煩労を外へ放り出した!
なぜならそれは外部にはなく、内部に、私の主観の中にあったのである。
マルクス・アウレリウス「自省録」