淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

映画「ザ・スピリット」。フランク・ミラーが監督だけど、これはちょっとなあ。

2009年06月11日 | Weblog
 フランク・ミラーっていう人は、凄い人である。
 アメリカのコミック・アーティストの第一人者というか、ヒーローものの映画制作者というか、ライターというか・・・とにかく一筋縄では語れないほど、彼がアメリカン・コミック界に与えた影響は計り知れないものがある。

 僕は「シン・シティ」が大好きだ。
 この映画はいい。
 最初に、この特筆すべき映像を目の当たりにしたときの衝撃は、今でも忘れない。
 そこから、「300 スリーハンドレッド」へと移行してゆくわけだけれど、白黒を基調としたスタイリッシュな映像美は、好き嫌いが分かれるかもしれないけれど、胸躍るワクワク感に包まれてしまう。

 今回の「ザ・スピリット」は、アメコミ界の巨匠ウィル・アイズナー原作の同名グラフィック・ノベルを、フランク・ミラー自身が実写映画化したものだ。
 一度、死から蘇った警察官が、街を守るため、悪と戦う仮面ヒーロー活劇で、ガブリエル・マクトが主演している。

 そして、宿敵となる悪役にサミュエル・L・ジャクソンが、その部下にスカーレット・ヨハンソンが扮しているのだが、2人とも快演というか奇演というか、のびのびと楽しみながら演じているのは、観ている側としても心地よい。

 物語は、愛する街セントラル・シティを守るため、犯罪者たちと戦う仮面のヒーロー、スピリットが、ある夜、闇取引の通報を受けて現場に向かい、宿敵である犯罪者オクトパス(サミュエル・L・ジャクソン)と、真夜中の沼地で激闘を始めるところから始まる。

 しかしスピリットは、その死闘現場に、若い頃、深く愛した恋人がいたことを知る。
 殺害された仲間が手に固く握り締めていたのが、彼が、今でも心の奥深く想っている別れた恋人と収まっている写真入のペンダントだったからだ・・・。

 映像は、今回もまた驚愕するほどの素晴らしさ。
 黒と、白と、そして鮮やかな赤が、画面の中を疾走する。
 フランク・ミラーの真骨頂である。でもこういう映像が嫌いな人も多いんだろうなあ。

 でも、映画自体はいただけない。
 スパイスのように効かせた(と、フランク・ミラーが思っている)ユーモアは白けるだけだし、特筆すべきアクションや会話があるわけでもないし、ストーリーがずば抜けて面白いわけでもない。

 本当にフランク・ミラーなの?
 やはり、この人、映画作りにだけ関して言えば、総合プロデュースとかサジェスチョンだけに徹する担いがあっている人なのかも。

 約1時間40分程度、欲求不満を感じたまま、映画は消化不良を起こしただけで終わってしまった・・・。



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