最近、実際に起こった印象に残ったエピソードを幾つか・・・。
まず、仙台駅の中にある某珈琲ショップでの出来事である。
2月に仙台と東京に出張した際、仙台での要件を済ませ、東京行きの新幹線に乗り込むまで少し時間があったので、駅中の珈琲ショップで珈琲でも飲もうということになった。
僕と同僚の2人である。
僕は煙草を吸わないのだけれど、もう一人が煙草を吸う人間なので、仕方がないけど喫煙コーナーに陣取って相手はアイスコーヒー、僕はといえばフルーツ・ヨーグルトを頼んで、他愛の無い話で新幹線到着までの時間を潰していた。
すると、隣の席に50代ぐらいの男女が向かい合って座った。
男性は、極々普通の、何の特徴も無い―もし似顔絵を書いてみろと言われたら一番困ってしまうような、そういう男性である―、多少頭部が禿げかけていて、ノーネクにワイシャツ、地味なジャケットを羽織り、背丈も普通、中肉中背といういでたちだった。
そして、その男性の向かい側に座ったのが、これも50代ぐらいの女性だろうか。
この女性がとにかく凄かった。
その極々普通の、まあどちらかというと冴えない(ごめんなさい)中年男性の顔に数センチぐらいまで近づき、もう満面の笑みを浮かべながら男性の薄い髪の毛を撫で、今にも丸ごと貴方を食べてしまいたいというような表情を向けている。
まるで恋する女子高生だ。
愛しくて、愛しくて仕方ないという感じなのである。
こちら側まで、熱気というか、ラブラブ光線というか、「愛してるオーラ」が伝わって来る。
こっちは眼のやり場に困ってしまい、何故か照れくさくなって身の置き所がない。
二人―というよりもその50代らしい中年女性が一方的に男性に対して―周りをまったく気にすることなく、赤ちゃんを「よしよし」するみたいに、相手の中年男性の薄い頭を慈しんでいる。
顔を見ると、中年にしては中々綺麗な女性ではある。
恋をしている女性特有の、恋愛顔というか、乙女チックな表情を一切崩さず、その冴えない中年男性(すいません)を熱い眼差しで見つめている。
愛が溢れていることが、ひしひしと感じられる。
まるで、高校生の初々しいデートみたいだとも思った。周りを一切気にしていない。自分たちだけの世界に没入している
今にもキスしそうな感じ・・・。
なんなんだ? これは!
同僚が、こっちに向かってコソコソと話し出す。「不倫ですね、絶対! 夫婦ならあんなねちっこい態度なんか絶対出来ない!」
いやいや、分かんないよ。あるかもよ、ラブラブ夫婦。
まあ、どうでもいいけどさ・・・。
それからもう一つのエピソード。
これはお風呂屋さんでの出来事である。
時々、お風呂屋に行くことを楽しみにしている。
お風呂って大好きなのだ。
その銭湯の中にはジェット泡風呂があって、足を伸ばして寝ながら浸かる浅いタイルベッドのような恰好のものがある。
その湯船の縁(へり)に座ることも出来るのだけれど、そういう人間は誰もいない。
だって、その縁に休息がてらに座ってしまうと、ちょうど泡風呂に横になっている人の頭の部分とぴったり重なってしまい、縁に座った人のお尻が身体を伸ばして風呂に浸かっている人の目の前に来てしまうからだ。
つまり、気持ち良く寝転がって湯船に浸かっている人が、縁に座った人のお尻に顔をギリギリ付けるということを意味している。
まさか、そういう光景を目にするなんて思ってもみなかったのだけれど、ある日、別の湯船に浸かっていた時、目の前でそんな壮絶な場面を目撃してしまったのである。
それにしても、お風呂の中で身体を伸ばして気持ちよく横たわっている人がそこにいるというのに、わざわざその人の頭の横にぴったりとお尻を向けて、目の前にしゃがんで寛いでいる人間がいるかぁ、ふつう?
なんなんだ? これは・・・。
そして2人、ずいぶん長い時間、じっとそのままの位置でぴたりとも動かなかったのである。
これもまた凄い。
風呂に浸かっている人は、意地だけでそうして他人のお尻を見ながらそこから離れずにいるのだろうか?
風呂の縁に腰を下ろしている人は、その尻が、風呂に入っている人間の目の前にあることに何の罪悪感も抱かないのだろうか?
わからん。
世界は不可解だ、不可解過ぎる。
まず、仙台駅の中にある某珈琲ショップでの出来事である。
2月に仙台と東京に出張した際、仙台での要件を済ませ、東京行きの新幹線に乗り込むまで少し時間があったので、駅中の珈琲ショップで珈琲でも飲もうということになった。
僕と同僚の2人である。
僕は煙草を吸わないのだけれど、もう一人が煙草を吸う人間なので、仕方がないけど喫煙コーナーに陣取って相手はアイスコーヒー、僕はといえばフルーツ・ヨーグルトを頼んで、他愛の無い話で新幹線到着までの時間を潰していた。
すると、隣の席に50代ぐらいの男女が向かい合って座った。
男性は、極々普通の、何の特徴も無い―もし似顔絵を書いてみろと言われたら一番困ってしまうような、そういう男性である―、多少頭部が禿げかけていて、ノーネクにワイシャツ、地味なジャケットを羽織り、背丈も普通、中肉中背といういでたちだった。
そして、その男性の向かい側に座ったのが、これも50代ぐらいの女性だろうか。
この女性がとにかく凄かった。
その極々普通の、まあどちらかというと冴えない(ごめんなさい)中年男性の顔に数センチぐらいまで近づき、もう満面の笑みを浮かべながら男性の薄い髪の毛を撫で、今にも丸ごと貴方を食べてしまいたいというような表情を向けている。
まるで恋する女子高生だ。
愛しくて、愛しくて仕方ないという感じなのである。
こちら側まで、熱気というか、ラブラブ光線というか、「愛してるオーラ」が伝わって来る。
こっちは眼のやり場に困ってしまい、何故か照れくさくなって身の置き所がない。
二人―というよりもその50代らしい中年女性が一方的に男性に対して―周りをまったく気にすることなく、赤ちゃんを「よしよし」するみたいに、相手の中年男性の薄い頭を慈しんでいる。
顔を見ると、中年にしては中々綺麗な女性ではある。
恋をしている女性特有の、恋愛顔というか、乙女チックな表情を一切崩さず、その冴えない中年男性(すいません)を熱い眼差しで見つめている。
愛が溢れていることが、ひしひしと感じられる。
まるで、高校生の初々しいデートみたいだとも思った。周りを一切気にしていない。自分たちだけの世界に没入している
今にもキスしそうな感じ・・・。
なんなんだ? これは!
同僚が、こっちに向かってコソコソと話し出す。「不倫ですね、絶対! 夫婦ならあんなねちっこい態度なんか絶対出来ない!」
いやいや、分かんないよ。あるかもよ、ラブラブ夫婦。
まあ、どうでもいいけどさ・・・。
それからもう一つのエピソード。
これはお風呂屋さんでの出来事である。
時々、お風呂屋に行くことを楽しみにしている。
お風呂って大好きなのだ。
その銭湯の中にはジェット泡風呂があって、足を伸ばして寝ながら浸かる浅いタイルベッドのような恰好のものがある。
その湯船の縁(へり)に座ることも出来るのだけれど、そういう人間は誰もいない。
だって、その縁に休息がてらに座ってしまうと、ちょうど泡風呂に横になっている人の頭の部分とぴったり重なってしまい、縁に座った人のお尻が身体を伸ばして風呂に浸かっている人の目の前に来てしまうからだ。
つまり、気持ち良く寝転がって湯船に浸かっている人が、縁に座った人のお尻に顔をギリギリ付けるということを意味している。
まさか、そういう光景を目にするなんて思ってもみなかったのだけれど、ある日、別の湯船に浸かっていた時、目の前でそんな壮絶な場面を目撃してしまったのである。
それにしても、お風呂の中で身体を伸ばして気持ちよく横たわっている人がそこにいるというのに、わざわざその人の頭の横にぴったりとお尻を向けて、目の前にしゃがんで寛いでいる人間がいるかぁ、ふつう?
なんなんだ? これは・・・。
そして2人、ずいぶん長い時間、じっとそのままの位置でぴたりとも動かなかったのである。
これもまた凄い。
風呂に浸かっている人は、意地だけでそうして他人のお尻を見ながらそこから離れずにいるのだろうか?
風呂の縁に腰を下ろしている人は、その尻が、風呂に入っている人間の目の前にあることに何の罪悪感も抱かないのだろうか?
わからん。
世界は不可解だ、不可解過ぎる。