5月7日土曜日。
今日はジムにも行かず、買い出しで1時間ほど外に出た以外は家でひたすら撮り溜めして溜まっていた映画を観続ける。
やっとこれで、溜めていたすべての映画を観終えることになった。
ああー。さっぱりした。
最後に残った映画は、チェコのバーツラフ・マルホウル監督が約11年の歳月をかけて映像化した「異端の鳥」だった。
実はこの映画、2020年に日本公開されていて、本当はだいぶ前に録画していた映画なのだけれど、そのあまりの内容の暗さに、観るのをずっと躊躇っていたのである。
なにせ、この映画、内容が少年への徹底した残虐行為を描いていて、ベネチア映画祭では上映の途中で退場者が続出したという、発禁書を映画化したいわくつきの作品なのだ。
元気じゃない気分の時に観たら、かなりメゲると思って最後の最後まで観ようかどうしようか迷いに迷っていた。
でも腹を決めて、頑張って観ることに。
物語は、第二次世界大戦末期、ドイツナチスのホロコーストから逃れるために田舎に疎開していたひとりの少年が、疎開先の叔母が突然病死してしまったことから、たった一人で父と母を探し求めて過酷な旅に出る姿を描いてゆく。
とにかく少年への凄まじい虐待が次々と続き、目を覆いたくなる残酷なシーンがこれでもかこれでもかと飛び込んでくる。
実際の戦争はこんなもんじゃなく、もっともっと悲惨であることは十分知りつつも、上映時間の約3時間、ここまで人間という生き物は残酷で無慈悲で、そこに愛のひとかけらもないのかと、慄然としてしまう。
確かに凄い映画ではある、「異端の鳥」。
まったく素人の少年を主役に据えているのだが、この少年の迫真の演技にも唖然としてしまった。
ウクライナが映画制作に加わっているということも、とても複雑な気持ちだった・・・。
映画を観終わり、少し気分を落ち着けようと、「レッド・ホット・チリペッパーズ」の久しぶりの最新アルバム「UNLIMITED LOVE」を聴くことにした。
しかし、ここに昔の破天荒で元気ハツラツな「レッド・ホット・チリペッパーズ」の姿はほとんどない。
でもこれはこれで悪くないと思う。
60歳のロック。
みんな、年取ったねー。