淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

今年2020年に観た日本映画の中でダントツ第1位! この映画は凄いっ。「アンダードッグ」、胸が熱くなる!

2020年12月24日 | Weblog
 みんな、辛いんだ。みんな、苦しいんだ。誰にも打ち明けられない、誰にも話せない、そんな苦悩や重い荷物を抱えながら、みんな何とか歯を食いしばって生きているんだ。
 挫けそうになることがある。もう勘弁してほしいと空を仰ぐことだってあるだろう。それでも生きてゆくしかないじゃないか。この、どうしようもない世界の中を・・・。

 コロナ禍の真っただ中、それでも3密を出来るだけ避け、除菌をマメに行い、映画館に映画を観に行く。
 最近観た日本映画は、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編だった。
 まあ悪くはなかった。でも、漫画の「鬼滅の刃」の、あの凄まじいまでの後半の闘いが脳裏に焼き付いてしまっているので、まだまだ物足りなさは残る。「鬼滅の刃」、こんなもんじゃない。

 そして、次に観た日本映画は「アンダードッグ」だ。日本語にすれば「かませ犬」という意味になるのだろうか。
 この映画、「百円の恋」を撮った武正晴監督の作品である。
 映画「百円の恋」もまた素晴らしい映画だった。主役の安藤サクラがすんごく良かった。
 自堕落な生活を送る三十路の女性(安藤サクラ)がボクサーに恋をして、そこから女性プロボクサーを目指す姿を追ってゆくのだけれど、だんだんと引き締まってシャープになってゆく安藤サクラがとにかくカッコよかった。
 
 そして今回もまたボクシング映画である。
 3人の男たち、森山未來、北村匠海、勝地涼が、リングの上で激しく、そして熱く交錯する。
 「百円の恋」でも武正晴とタッグを組んだ足立紳が原作と脚本を担当し、なんと前編と後編、別々での上映なのだ。つまり、2本続けて観るのなら、2本分の映画料金を払って観なければならないということになる。
 それも、前・後編あわせると、約5時間の大作である。

 観ました、「アンダードッグ」。
 前編と後編、一気に!
 でも、全然飽きなかったです。全然ダレるということがなかったです。次のシーンが早く観たくて仕方がなかったです。
 つまり、あっという間の5時間弱!

 主役の森山未來を含めた北村匠海と勝地涼の3人が、とにかくいい。
 チャンピオン戦で敗れたあとも「かませ犬」としてプロのリングに上がり続け、妻に愛想をつかされ、離婚を迫られている男が森山未來。
 児童養護施設に育ち、暴力に明け暮れていたのを、同じ施設で育った妻の献身的な愛に支えられ、今では破竹の快進撃を続ける天才ボクサーに北村匠海。
 大物俳優の2世タレントで、芸人として生きるもまったく評価されず、テレビのヴァラエティー番組の企画でボクシングの試合に挑むことになってしまった軽薄男に勝地涼。

 3人それぞれ、苦悩と秘密を抱え、ボクシングのリングへと引きずり込まれてゆく。
 その3人と、それに絡む女性たちや家族や仲間たちの動向も深く静かに描くからこそ、この映画は、深い味わいに満ち溢れた素晴らしいボクシング映画へと昇華されてゆくのである。

 ラスト1時間の、ボクシング・シーンを含めたクライマックスが素晴らしい。
 月並みで陳腐な言葉しか浮かばないけれど、本当に胸が熱くなる。グッとくる。女性が観ても高揚感は半端ないものがあるだろうけれど、男がこの映画を観終えてなんの感慨も湧かないというのだったら、そういう人間とは話をしたくない。いや、ほんと。

 今年2020年に観た日本映画の中でダントツの第1位だ。
 映画「アンダードッグ」は、今年絶対に観ておかなくてはならない邦画の中の一本である。
 たぶん、「キネマ旬報」の2020年日本映画ベストテンにも入るだろう。

 映画「アンダードッグ」、煮えたぎってます!
 必見です!
 観るべし!








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