うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

英国

2018年01月11日 | 日記・エッセイ・コラム

年末に買った(ダウンロード)「日の名残り」を、ようやく読み始めた。ノーベル賞受賞で、イシグロ氏の作品に初めて触れた、という人も多いのではないかと思う。密かなお気に入りの店が、脚光を浴びて賑やかになってしまったような気持ちにもなるが、とにかくイシグロ作品が手に入りやすくなったことはうれしい。それに、考えてみれば今までも、それほどたくさん作品を読んでいたというわけでもない。

昨年、同僚とイシグロ氏の話をしたことがあった。机に置いてあった中国語の新聞に、「石黒和夫」という文字が書かれているのが目についたのがきっかけだ。

彼女も電子書籍で「日の名残り」を読み始めていた。一連の会話の中で印象に残ったのは、国民性の話だ。

前後の流れは忘れたが、僕がイギリス人は日本の、伝統や格式を重んじるところにシンパシーを感じるらしい、例えば相撲なんかも、向こうでは人気があるようだ、といった。すると彼女(上海人)は、自分も日本人とイギリス人は似ていると思う。ともに島国という成り立ちもそうだ。ちょうどアメリカ人と中国人も、大陸の人ということでよく似ているのと同じように。

この、彼女の持論は以前にも聞いたことがあるが、なんとなく実感がわかない気もしていた。なんとなく日米は戦後、政治的に近かったので、お互いよく知っているような気になっている。が、中国はどうも(特にその政治体制は)読みにくい、というところがある。しかし、虚心に考えてみると、中国人もアメリカ人も即物的でストレートなところは似ているのかもしれない。

日英が似ているかどうかも、本当はよくわからない。というより、最近のイギリスというもの、僕は知らないので。。テレビでは「ダウントン・アビー」「女王ヴィクトリア」とかを見たけど、まあ今の話ではないからね。

ただ、「日の名残り」を読み始めて、ふと思ったのだが、もしかしたら彼女は、日英両国に、午後遅い光を感じているのかもしれない。自分たちには自らの姿が、なかなか見えてこないが、歴史の重み、美学、そしてなんとなく黄昏た空気、たしかに似ているのかもしれない。。付け加えれば、異端にたいする意外な寛容さも、両国に共通している。。

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