小学校の同窓会に行った。
それで、その時のことを書こうと思ったけど、筆力がないのでなんだか薄っぺらい文章になりそうな気がして、なかなか手が動かなかった。
とにかく・・、すごく楽しかった。
いつも遊んでた友達は来ていなかったけど、みんな同じ時間を過ごしたもの同士だ。会場全体に、不思議なムードが漂っていた。平凡な言い方だけど、時空が巻き戻ったような気分。その感覚は、4年生から6年生まで教わった担任の先生の声を聞いて、一気に加速した。あの頃と全然変わらないお声。
先生方はうれしい、ありがとうとおっしゃっていたけど、あの頃はずいぶんと苦労をおかけしたんじゃないかな。現代の子供たちも、いろいろな時代の試練を受けているのだろうけど、当時の僕らは僕らなりの方法で、大人たちを困らせたり、怒らせたり、笑わせたりしていたはずだ。
先生をおたずねしてお話ししていると、先生はお話ししながら、さりげなく僕が胸につけた、名前の書かれたシールを押さえて直してくれた。いつまでたっても子供、という感じだ。
幼なじみの女の子にも会った。一緒に絵の教室に通っていた。何度か、山にハイキングに行って、写生したりしたなあ。何十年も会っていないのに、話し始めるとすっと時代が戻る。ふしぎだ。
一緒の班で、課外で集まった後鬼ごっこして遊んだ子。話をしているうちにそのときの楽しかった気持ちがだんだんよみがえってくる。
あと、昔好きだった子にも会えた・・
不思議なことに、みんな話しているうちにその頃の姿に見えてくるのだ。まあ、確かに街で出会ったら本人と気がつかないかもしれないが、みんなその面影を残しているのがわかる。話し始めると、簡単に時空を超越してしまう。
子供時代には子供たちなりの、世界があった。ちょうど江戸時代の人たちが、それなりの完結した世界を築いていたみたいに。しかし同時に、子供たちはとても、不安定なものだ。そんな僕たちを導いてくれた先生方、ありがとうございました。もちろん、仲間たちも。
そして、この同窓会を開いてくれた幹事の方々、どうもありがとう。
ああ、やっぱり上手に書けなかったな・・。
翌日、地元を訪れる。
絵の教室は、僕の通っていた幼稚園でやっていた。
幼稚園は、駅前通りを一つ裏側にはいったところにあった。生け垣の間の細い道を入ると門があり、その先に校庭があった。ずいぶん前に閉園になってしまい、生け垣と路地だけが残っていたが、さいきんの再開発で、道ごと無くなってしまったようだ。